黒田博樹、劇画バージョン(広島駅弁株式会社販売、黒田の男気カレーより)
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広島と日本ハムの日本シリーズが10月22日に開幕する。1、2戦はマツダスタジアムで、移動日を挟み25日からは札幌ドームでの3連戦となる。
25年ぶりに日本シリーズに駒を進めた広島は当初、ジョンソン、野村、黒田…のローテーションで来ると見られていた。これは先のDeNAとのクライマックスシリーズ、ファイナルシリーズと同じ順番だ。
ところが18日に黒田が引退会見を開いたため事態は急展開、黒田はマツダスタジアムでの第2戦で投げるのでは?という流れが生まれた。
それだと第7戦までもつれた時に、黒田はまさに日本一を懸け中6日で再びマツダスタジアムのマウンドに上がることができる。日米通算200勝右腕がこれまで言い続けてきた「1球の重み」が最高潮に達した時点で、ユニホームを脱ぐ、というストーリーができあがる。
だが、どうせやるなら…と黒田の花道をもっと劇的なものにして欲しいという声があちこちから上がっている。
例えば、フジテレビONE「プロ野球ニュース」でもお馴染みの江本孟紀氏は19日、広島市内で開催されたある会合にゲスト出演して「4勝2敗で日本ハム」とのシリーズ予想を披露。動揺する!?数百人の広島人の前で「カギを握るのは黒田、黒田を初戦の大谷にぶつければ、大谷も遠慮するかも…」との持論を展開し「1勝1敗で札幌に行くことができれば広島にもチャンスあり」とフォローした。
江本氏は1975年、広島初優勝の時代から「カープとの関わりが深い」プロ野球OBのひとり。将来的には「広島移住計画」も、といわれるほどの広島マニア?だ。
江本孟紀氏ツイッター
twitter.com/emoto_takenori
また、プロ野球関係者ではないが「小さな大投手」として広島の球団創世記を支えた長谷川良平氏の時代から「ずっとカープを見てきた」という球団に極めて近い男性も「黒田は初戦で投げる方がいい」と黒田vs大谷を推奨する。「黒田のことを思えばそれが一番」という理由からだ。
ところで日本ハムの栗山監督はもともと「ぼくはマンガのような選手を作らないとプロ野球じゃないと思ってる」と公言し、どれだけ周囲が「喝だ!」何だと騒いでも、ブレない「二刀流」を推し進めた。やがてそれが「リアル」となり、さらに「ハイパー」に進化した。
大谷とふたり、マンガのようなことをやろうという気概でスタートさせたこの異次元展開連発の物語は165キロの快速球とともに、日米双方の最大の関心事となっている。
さらに栗山監督の目指す野球スタイルは、単に痛快で劇画的である、というだけには止まらない。栗山監督は現在、更地のままとなっている旧広島市民球場跡地に胸を痛め、球場解体を誰よりも重く受け止め、広島とプロ野球と平和の歴史についても関心を持ち続けている。
当然、黒田が7年間のメジャー経験を挟み、広島の地を舞台に活躍してきたことの意味もまた深く理解していることだろう。
「広島という小さい街ですけど、そういうところで僕のことを待ってくれている人がいるというのはすごく感じてましたし、最後はカープのユニホームで投げたいかな、とそれが一番ですね」
2015年2月、黒田は広島復帰にあたり会見でそう話している。大阪出身の黒田にとっても広島は特別な街である。
「男気」黒田は一躍、全国区となりその人となりはすでに劇画化され、ファンの手元に届けられた。黒田の存在もまた劇画的であると同時に、今回の引退ニュースもやはり米国においても大きな話題となった。
41歳の黒田と22歳の大谷が投手対打者だけでなく、直接投げ合うような状況が生まれれば、日米双方の球史に同時にその名を刻むことになるだろう。
そもそも引退だから、と黒田がローテ変更に頷くはずもないだろうし、ドームの方が黒田にとって好条件であることも間違いない。ただ、栗山監督も含む3人の登場人物によって、日本シリーズは「ドカベン」も「キャプテン」も「メジャー」も、あの「アストロ球団」をも超越した、戦いの場へと展開する可能性を秘めている。