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2017年06月24日
編集部

広島サッカースタジアム問題の主役のひとり、湯崎知事の”続投”表明に「やめてくれ!」の声、その知事肝入りのTAU「好調」の大ウソ(2)

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TAU
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カープイベントでTUAに集まったファンたち、それはそれで素晴らしいことではあるが、広島ブランドショップの「目的」である「地域産品の販売、地元食材を使った飲食店、観光情報の提供、ビジネスマッチング商談会による販路開拓」とはその趣旨が異なる(トップ画像補足説明)

 

6月20日の中国新聞19面に「中国5県の都内アンテナ店16年度売上高」「TAU好調6.9パーセント増」「他3点、前年度下回る」の見出しで、広島県のひろしまブランドショップTAUが「好調」だ、という記事が掲載された。

それだけならまだ良かったが、翌21日の県議会定例会で湯崎知事が秋の知事選に3選を目指して立候補することを表明した。

この”流れ”は完全に仕組まれたものであり、”TAUも好調だし、知事は頑張ってますよ”とでも言いたげである。

しかし、「TAU好調」は大ウソであり、湯崎県政の典型的な失敗事例のひとつ…

…と前回、紹介した。

 

結論から言うと…

TAUは、以前新宿サザンテラスにあった広島県のアンテナショップ「広島ゆめてらす」の2.4倍もの家賃を払いながら来場者数はたったの1.3倍に過ぎない。銀座にオープンして6年目でやっとそのレベルである。(このあと、新旧アンテナショップ比較データ添付)

ゆえに「TAU好調」の見出しは、その存在意義を考えた場合には”大ウソ”である。

そもそもTAUの初年度の来場者数はわずか62万人だった。この数字は広島ゆめてらすの最終年度の69万人に及ばない。「TAU絶不調」スタートである。

TAUの来場者数が広島ゆめてらす以下の状況であることを伝える産経新聞記事
www.sankei.com/region/news/141023/rgn1410230028-n1.html

しかしTAUが集客に苦戦、などという記事は見たことがない。

人がより多く集まってこそのアンテナショップ、だろう。

広島県の資料にも、TAUの「目的」について、次のように明記してある。

広島ブランドショップは地域産品の販売、地元食材を使った飲食店、観光情報の提供、ビジネスマッチング商談会による販路開拓、メディアミックスによるプロモーションなど複合的に展開を行い話題性、来客性の高いショップとすることを目的にしている

 

スタートから苦戦を続けてきたTAUは、本来なら必要のない投資を経てやっと「数字」を上向きにしてきた、という状況にある。

ところが6月20付けの中国新聞では2016年度の売り上げだけに着目し、中国地方の他の都内アンテナショップとの売り上げ比較で「TAU好調」の見出しをとっている。

読んだ人は「ああ好調なのね」と思い込んでしまう。

大事なのは相対評価ではなく絶対評価。だいたい中国5県で最大人口の広島が勝つのは当たり前!?

ほとんど知られていないが、TAUの延床面性は福井のアンテナショップに次いで全国2位!これだけ広けりゃ品数も豊富で売れて当たり前…、ゆえに問題になるのは収支バランスの方で、それと同時に広島県としての「過去と今」とではどうか?ということ。

その比較は次のようになる。

TAU(2012年7月オープン)
2016年度売り上げ…9億5988万円
2016年度来場者数…およそ87万人
延床面積…954平方メートル
家賃…およそ1億5000万円

広島ゆめてらす(2010年7月閉鎖)
2009年度売り上げ…およそ3億3000万円
2009年度来場者数…およそ69万人
延床面積…287平方メートル
家賃…およそ6300万円

広島ゆめてらすはコンパクトながら非常に人気のあるスポットだった。しかし「家賃が上がるから」との理由で代理店が絡み、紆余曲折あってスタートしたのがTAUである。もちろん湯崎知事の肝入り事業である。

だが、新宿サザンテラスから銀座への移転には、その当初から疑問の声が上がっていた。

案の定、TAUオープののち、広島県では「情報発信効果」において「TAUはその位置条件において、ゆめてらすに劣後すると言わざるを得ない」という自戒を込めた文言を関係資料の中に明記するハメになったのである。

総合的に見れば広島ゆめてらすからTAUへの移行は、ハナから大失敗だったと考える方が合点がいく。

 

サッカースタジアム問題もしかりである。「場所決め」でミスれば、取り返しのつかないことになる。昨年のある時期まで、強引とも思えるほど、広島みなと公園案に固執していた湯崎知事ではあったが、危うくTAUの二の舞になるところだった。いやTAUの失敗を活かそうとしないから、同じような流れになる。

もう一度、繰り返すと…

TAUは当初の移転理由とは相反する形で家賃も高くなり、その分店舗面積も広島ゆめてらすの3.3倍になり、施設の運営管理費も大幅にアップした。それにもかかわらず、肝心の「人集め」が「好調」とは言えない状況にある。

店舗面積(イベント施設など含む)が広島ゆめてらすの3・3倍で、売り上げは広島ゆめてらすの2・9倍に過ぎない。TAUは広島ゆめてらすにはなかった「イベント集客」機能も備え、過熱気味のカープ人気による追い風を最大限に活用してもいるにもかかわらず、だ。

ちなみに2016年度の売り上げのうちおよそ1億円はカープグッズ関連で、それは各地の名産品などの売り上げとは趣を異にする。

カープ関連分売り上げは、他の都内アンテナショップには存在しない項目であり、他のアンテナショップとどうしても比較したいなら、「カープ人気分」は差し引いて考える必要もあるだろう。

なお、広島ゆめてらすとTAUの多面的な比較については、次のブログに詳細が記してある。

広島スタイル~時事・犯罪・事件・事故・問題
「広島のアンテナショップ戦略は成功したのか」
hiroshimastyle.com/blog-entry-1980.html

広島新サッカースタジアム取材班

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