7月25日付中国新聞に「最善尽くした悔いなし」の見出しでサンフレッチェ広島を5年半に渡って率いた森保一氏のインタビューが掲載された。
「この試合で終わってもいいという覚悟は毎試合持っていた」「チームの変化に、僕自身が対応、修正できなかったのだと思う」などの声が多角的に紹介されている。
そして「自分らしくいられた5年半だった」としている。
森保氏はクラブからの「退任発表」(7月4日)に際し、自分の存在が今のチームに負担をかけてはいけない、との考えからクラブを通じてのコメントだけで、家族、チームの仲間と同様に愛するサポーターに自分の言葉であいさつせぬまま、ピッチから去って行った。
それから3週間。やっと、その思いの一部をメディアを通じて伝えることができた。
短い間ではあったが”充電期間”を得たことで森保氏は次なる挑戦への意欲をまた強くし始めているのだろう。
ヨンソン新監督のもと7月26日のYBCルヴァン・カップ、FC東京戦で再スタートする愛すべきチームに向け、このタイミングで”記事になる”こと自体にも強いメッセージ性が感じられる。
森保氏は関係者に向け「データ的には1割の確率でもサンフレッチェは必ずJ1に残留できると思う」と話している、という。
また「サンフレッチェが残留できることをサポーターとして応援したい」とも言っている、と伝え聞く。
中国新聞の記事でも紹介されているが、現状では新たなオファーは来ていないようで、ネットニュースなどを賑わせ、ひろスポ!でも紹介してきた代表監督や浦和レッズ監督の話は現時点では具体化されていない。
でもそれは逆に今後、森保氏にもっと大きなオファーが来る可能性のあることの裏返しでもある。
今夏、高校野球広島大会は99回目を迎えているが、大正時代、昭和初期から「スポーツ王国」として国内はもとより、世界と渡り合ってきた広島スポーツ界を見渡しても、森保氏ほどの傑出した指揮官は、そう多くは存在しないのである。