12月4日に広島市内で開催されたサンフレッチェ広島「感謝の夕べ」で株主企業らおよそ500人の参加者を前に感謝の言葉を述べるサンフレッチェ広島 久保允誉会長(トップ画像)
サンフレッチェ広島の新社長は、元ナイキジャパンの山本拓也氏(47)であることが12月7日までに確認された。
12月2日、織田秀和社長の12月いっぱいでの退任が、J1リーグ最終節終了後に発表された時点で、関係者の間から「意外なことながら、後任はナイキジャパンから」との声が上がっていた。
ナイキジャパンはエディオン、広島銀行、マツダなど並ぶクラブトップパートナーに名を連ねる。
社長就任は1月1日付。
山本氏は川崎市出身で、広島ないしはサンフレッチェ広島との接点はユニホームサプライヤーがミズノからナイキに変更された2011年シーズンの前から。山本氏がナイキジャパン側の窓口になった。よってサンフレッチェ広島スタッフとも旧知の仲だ。
マツダサッカー部を母体として誕生したサンフレッチェ広島は、古田徳昌氏、信藤整氏とマツダ経営陣からの社長が2代続いた。しかし、Jリーグ・リーグ戦スタート(1993年)から6シーズン目の途中、1998年6月にはデオデオ(現エディオン)の久保允誉氏が地元財界の声などに推されて新社長となった。Jリーグバブルが弾けてクラブの経営状態が急速に悪化したからだ。何より客が集まらなくなっていた。
経営の立て直しを急いだサンフレッチェ広島では以後、本谷祐一氏、小谷野薫氏とデオデオ・エディオン出身者が歴代社長に名を連ね、2015年2月、小谷野氏がスタジアム問題の決着を目指して市長選に立候補したため、マツダサッカー部時代からの生え抜きで、広島出身の織田秀和氏が7代目社長としてクラブの経営に携わってきた。
こうして見ていくと社長交代はクラブの経営状況と密接に絡み、また2度のJ2降格もその時々の経営に大きな影響を及ぼしている。
そして、勝ち点1差でJ1に踏み止まった今回は、これまでと異なる形での新社長就任という結論に至った。
”久保体制”にクラブ経営が移行して早や20年。
新サッカースタジアム問題でも”苦戦”を強いられ、ピッチ上でも、クラブ経営を安定化させる上でも大胆な展開が求めらるサンフレッチェ広島は、区切りの時を迎えて新風を吹き込む勝負手を打ったことになる。
サンフレッチェ広島取材班
サンフレッチェ広島「感謝の夕べ」(12月4日開催)久保允誉会長あいさつ内容(要旨)
本日は多くの参加、本当にありがとうございました。入場する時、笑顔で迎えていただきほっとしました。降格したらどんな…と…。
私はサンフレッチェ広島に関わって20年です。本年が一番苦しい年でした。優勝3回のチームですが。優勝争いは歓喜と希望をもって戦うことができました。しかし残留争いは改めてほんとに沸き上がるストレスとの闘いでした。
前半を終えて勝ち点10。織田社長といろいろ話をして流れを変えなければいけないなあ、と。それで決断してヨンソン監督にお願いし快く引き受けていただきました。
それから勝ち点22を積み上げていただきました。残り3試合でチームが一丸となって闘えた、それはヨンソン監督の手腕であると思います。
それと、うーん…広島気質というか、崖っぷちに立たないとなかなかサポートしてもらえないところがあるんですけど、残り3試合が近づく中、カープの田中選手、菊池選手、丸選手、JTサンダーズからも激励のメッセージをいただきました。
寄せ書きもしていただき今季のスローガンでもある、一心、心がひとつになったと思います。
来シーズンに向けて、新社長、新監督を迎えて新しい体制で戦っていきたいと思います。
織田社長とは20年間に渡り二人三脚でチーム、経営を一やってきました。20年間、本当にありがとう(檀上で織田社長と握手、会場から大きな拍手)
ヨンソン監督とは「残留が使命だ」ということで本当に厳しい中で、見事にそれを果たしてくれました。ありがとう(ヨンソン監督と握手、会場から大きな拍手)
新しい体制の中で、サンフレッチェ広島のベースであります育成型のチームをもう一度構築し直そうと。そして、サンフレッチェ広島の理念であるサッカーを通じて感動と夢を与え、地域社会に貢献するという思いを改めて強く持って経営に携わっていきたいと思います。
この1年間、厳しい中ご声援をいただき本当にありがとうございます。心から感謝を申し上げたいと思いますン。選手がテーブルの方へ参りますので肩を叩いて励ましていただければと思います。
来シーズン新しい体制で戦っていきたいと思います。ご声援をよろしくお願いいたします。
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