シャッター街の柱に貼られた「基町、昔の写真展Ⅳ」案内(トップ画像)
広島のサッカースタジアム問題。
まったく話を聞かなくなった。たまに聞こえてくるのは「豪雨災害でそれどろじゃない」という声だ。
特に広島市は4年前、松井市長が「寝たり休んだり」している間に甚大な被害を出した豪雨災害の悲劇をまた繰り返した。救急通報が殺到してとても手が回らくなり、避難、救援活動が後手に回ったプロセスもまた一緒…災害発生地点にも、かなりの共通点がある。
被災地の復旧・復興は、命の尊さ、市民の笑顔を希求する国際平和都市の最優先課題だ。
広島のスタジアム建設に向けての”手本”として、広島市がよく引き合いに出すようになったノエビアスタジアム神戸(神戸ウイングスタジアム)は、1999年10月着工、2001年10月竣工。
1995年1月の阪神・淡路大震災を乗り越えての誕生となった。
当然ながら神戸市は、被害の大きな地域に集中的に食糧を供給できるようにノエビアスタジアム神戸を総合備蓄拠点として整備・運用している。
ところで、広島県、広島市、広島商工会議所の担当者が、基町地区住民約250人に対して中央公園をスタジアム建設候補地とする案についての説明会を開催したのは6月24日のことだった。
もう2カ月が経過した。その場で「神戸のスタジアムに住民のみなさんとぜひ視察に…」と何度も担当者がその部分をアピールしていたことが印象に残っている。
そのあとの動きとしては、7月22日、高層アパートのそれぞれの自治会長が集まる基町連合自治会の場に広島市、県、広島商工会議所の担当者が「6・24説明会議事録」を持ち込んだだけ。ここまでに1カ月。そのあとの1カ月でどうなるか?を注視していたが何も動きはない。
このため、テレビ、新聞がスタジアム建設に向けてのニュースを報じることも滅多にない。
そんな中、基町中央商店会(広島市中区基町16番18-2号)では8月31日(金)まで「基町、昔の写真展Ⅳ」が開催されている。広島市立大学と広島市中区役所で構成する基町プロジェクトの主催だ。
会場の基町第17アパートは1967年(昭和42年)の完成で、基町高層アパート群よりずいぶん前からその地にある。半世紀以上が経過し、すでに建て替え計画が発表されている。
その空間が今、どんな状態で、そこからどんな未来が見えるのか?
第17アパートの目の前がスタジアム建設候補地とされているが、互いの関係は過去から未来への時間軸の中で整合性があるものなのか?どこかに大切なキーワードが潜んではいないか?
サッカースタジアム問題は、基町住民のみなさんだけに判断を委ねるような問題ではない。
一日中、ほとんど誰も見学に来ないこの写真展は、広島県民・広島市民に出された夏休の宿題、自由研究のテーマにぴったりだ…
ひろスタ!特命取材班
第17アパートは「広島市営店舗付きアパート」だ。基町中央商店会の奥に写真展会場がある
中は文字通り空洞化
写真展会場
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