土曜、日曜に旧広島市民球場跡地で「広島野球ブックフェア」が開催されました。
個人、団体のみなさんがそれぞれの作品を紹介されたり、かつての市民球場の賑わいを感じながらあのころを懐かしんだり…
オープニングのトークショーには大野豊さんも駆けつけてくださいました。
大野さんの肩のライン
なんだかあの頃とぜんぜんかわりませんね。
かつてこの付近には一塁側二階席があり、眼下には大野さんの乗ったリリーフカー。
そして視線を上げると見えていましたよね、三塁側スタンドの向こうに、
今回も大野さんのいらっしゃる風景の中に、ドームがそっと顔をのぞかせていますね。
わたしたちには見慣れたランドスケープでも、世界中の人たちが同じ場所から眺めた場合、
きっと感じることは様々なのでしょうね。
ただ、今は跡地のままになっていて、海外から来たみなさんに足を運んでいただく場所としてはちょっと残念な感じかも…
今回のイベントではごらんのようにいろいろな立場の方たちが各方面から集まって、小さくてすてきな空間をたくさん作っていらっしゃいました。
でも、残念なことにたくさんの方たちに見ていただいた、という感じではないみたいで、
もしかしたら当初、予想された人出よりかなり下回ってしまったかも…
わたしもたまたま通りがかりに「入場無料」の入り口の告知に誘われてお邪魔したのですが、周りもそういう人たちがほとんどで、でも中には「福山からお知らせを見てきたんです」という女性ともお話できたりして、それはそれで十分に楽しめたのですが…
途中、会場で出会った男性の方のお話によると、
「やっぱり個人レベルでこの広い跡地でイベントというのはある程度の規模以上のものは難しいし、今は無料でやらせてもらっているからできるけど、そうでなければとてもこうはいかないでしょう」
…ということなのだそうです。
そういえば以前、この場所で開催されていたイベントでとってもたくさんの人が集まっていた時がありましたよね!ビールを手に大盛り上がりで。
確かあの時はテレビCMか何かでその告知をずいぶん目にした記憶があるのですが、今回のこの手作り感覚の「ブックフェア」ってほとんどテレビや新聞で見なかったし、そういえば会場に報道の方とかもあまりいらっしゃらなかったような…。
こうして跡地を歩いてみて改めてその広さを実感した私ですが、一番印象深かったのはやっぱり冒頭の画像の風景でしょうか?
よく考えたら世界にたったひとつの立地でもあるんですよね。この場所、この空間。
そしてかつてはカープの聖地だったみんなの思い出の地が、今はまだ何となくぼんやりしたままの「跡地」という名で呼ばれていて。
そんな色合いのはっきりしない広場の、ちょうど真ん中あたりに立ってあたりを、そして頭の上に広がる空を見ていると、やっぱり聞こえてくる気がします。スタンドの歓声と子供たちの声、そしてみんなの笑顔。
みなさんもいつかこの場所に立って、そっと目を閉じてみてください、
見えてくるのは何色でしょうか?
そして夕暮れ時にほおをなでる風の心地よさと、スタンドに響く場内アナウンス、
大好きな人の手を引いて、いつの日か、きっとまた。