センバツ自身3度目の優勝を目指す広陵・中井監督(トップ画像)
第91回選抜高校野球、第4日(3月26日)第2試合
広陵(広島)-八戸学院光星(青森)
昨秋の中国大会王者と東北大会王者が激突…
結果は2-0で広陵が完封発進した。
広陵は平成に入って2度センバツ優勝。大正15年(1926年)と合わせて過去3度、春を制している古豪は、平成最後の大会で4度目の頂点を目指す。
試合は投手戦に…とはいえ両エースの投球内容は対照的で、八戸学院光星の後藤がボール球を先行させるのに対して、広陵の河野はストライク先行を徹底、126球3安打勝利を引き寄せた。
河野はその立ち上がりでも、甲子園のスタンドを沸かせた。
先頭の伊藤をボールカウント1-2と追い込むと、真っ直ぐを投げ込み空振り三振。球速は150キロを表示した。
しかしその後は「スコアリングポジション以外は7、8割で投げた」という腹八分目ピッチングを徹底。それでも真っ直ぐ、変化球ともにキレのあるボールがリードする鉤流のミットに収まり五回までで計7奪三振。
その裏、広陵は先頭の秋山が三塁線を破る二塁打で出塁。河野が送りバントを決めて一死三塁とすると、九番・藤井がレフト前に落として待望の先取点。次打者・渡部の2球目に藤井は二盗を決め、渡部空振り三振のあと中冨がセカンドへの内野安打を放ち2点目を奪った。
広陵は二回、無死満塁を生かせず三、四回にも四球でもらった無死一塁をともに併殺打でつぶした。が、五回は後藤の変化球を各打者がとらえ、試合の主導権を握ることに成功した。
広陵打線は六回以降、後藤の前に無安打…一方の河野は八回、四球とバックの2つのエラーで二死二、三塁のピンチを招いたが真っ直ぐ勝負で三番・武岡を遊飛に仕留めると、九回の二死一塁も踏ん張った。
広陵は昨秋の明治神宮大会準々決勝で準優勝した星稜(石川)に0ー9のスコアで7回コールド負け。校舎の隣りにあるグラウンドのスコアボードにその時のイニングスコアを表示して、”人目につくところ”でその屈辱とともに練習に励んだ。
戻ってきた全国の舞台でまず1勝、となった。
試合後の広陵・中井哲之監督
「(河野が)7、8割の力でずっと我慢してよく投げたと思います。打つ方はとにかくボール球には手を出すな、甘い球は打っていこうと…もう少し打てるかなと思ったのですが。エラーもたくさん出たのですけど、ここというところでよく守り、河野が踏ん張ってくれた。(この勝利で)監督が一番ほっとしていると思います。ありがとうございます」
広陵グラウンドのスコアボード