春先、マツダスタジアムのベンチで見せる緒方監督の表情は厳しかった、いろいろと考えることがあったのだろう(画像右が緒方監督)
7月24日、マツダスタジアムでの広島対中日戦終了後、担当記者らが鈴木清明球団本部長から衝撃的な事実を伝えられた。
6月30日、横浜スタジアムであったDeNA戦の試合後、監督室で野間峻祥外野手を手のひらで叩き、きょう7月24日になって「厳重注意」したという。
それで済む問題だろうか?
野間はその試合で九回にバティスタの代走で出場。その後はセンターの守備につき延長十一回の打席でボールカウント0-2から投ゴロに倒れた。小飛球を相手投手が落球したが、全力疾走しておらずアウトになった。
試合は2対2の引き分けに終わり、その直後からチームは9連敗。イッキに巨人に引き離された。
その間、傍から見ていてもおかしなことはたくさんあった。
連敗期間中の打線の繋がりの悪さは異常だったし、「一番・菊池涼」など明らかに何かに反発するかのようにポンポンと打ち上げていた。”そんな一番ならオレは打ちたくない”という意味だったのではないか?
それでもカープナインは雨の中でも連日満員のファンの声援に後押しされて、巨人に3タテを喰らわせ、中日にも連勝。勝率5割に王手、とした…
しかし、関係者やナインの気持ちを考えると、これで幕引き…となるような軽い問題ではないだろう。
広島ではある意味、市長や知事よりも著名な職責にあり、広島っ子たちの一番の憧れの存在がこの状態ではやはり示しがつかない。
市民球団の現場のトップが暴力、はありえない話だ。
昔は古葉さんが…とかノムさんも…星野さんだって…という時代ではもはやない。東京オリンピック・パラリンピックまであと1年。暴力根絶はスポーツ界の最優先課題であり、言い訳はまったくできない。
それにもかかわらず、球団サイドの発表までになぜこうも時間を要したのか?暴力は1回きりか?
密室での暴力は際限がなくなり、平手がグーに、手から膝蹴りや足蹴りになるのは”昔”は当たり前だった、ほかに暴言はなかったのか?もっと別のトラブルはないのか?
そして広島球団の管理体制はどうだったのか?
リーグ3連覇という偉業を成しとげた緒方監督は、残念ながらこの一件によってグラウンド内でのフェアプレー遵守の精神に従えば不適格になったと考える。
スタンドに集まる夏休みの子どもたちの前で指揮を執ることには、根本的な矛盾が生じる。
ただし、緒方監督だけの責任でこうなった、とは言わない。
そこには様々なバックグラウンドがあるからだ。
もっと言えば、緒方監督は昨年12月の時点で監督の椅子を降りたがっていたはずである。
このところ吉本興業の事件など組織とそこ所属する側とメディアに関する諸問題が大きな注目を集めているが、それら一連のパワハラ問題と、今回の問題にはいくつかの共通点が見てとれる。
繰り返しになるが市民球団に暴力の類はおよそ無縁なはずであり、そのルールだけは破られるべきでない。
6月8日のソフトバンク戦(マツダスタジアム)のあと、会見をしなかった緒方監督に関してひろスポ!ではいくつかの記事を掲載した。
その時はずでに、もういろいろなことがベンチ裏の見えないところで起こっていたのだろう。
そうでなければ、新井貴浩や黒田博樹らの遺産を引き継いだカープナインが交流戦で最下位に終わるはずがない。指揮官自らがカープ家族をバラバラにしたのならこれほど残念なことはない。(ひろスポ!・田辺一球)
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