画像は大瀬良
広島がいよいよ最終決戦の日を迎える…
…もう何度も決戦に臨んできた広島。いずれも惨敗だった。
最初の決戦は8月27日から9月1日にかけての6連戦。
緒方監督は「総力戦で臨む」としたが巨人、DeNAの2強相手に2勝4敗。この時点で4連覇はもちろん、2位の座も危うなった。
特に8月29日の東京ドーム、巨人戦では大瀬良が2回3分の1、10失点。しかも巨人打線の仕上げは丸の満塁弾(塹江から)。引導を渡されたことになる。
2位浮上への横浜決戦、9月19日のDeNA戦も7対0から追いつかれて、延長十一回にサヨナラ3ランを浴びた。リーグ4連覇霧散。
さらに21日の甲子園では阪神に3戦3勝のジョンソンをぶつけたが、結果は劇的な逆転負け。ついにチームは貯金を使い果たしたのである。
…で、最終決戦の話。
そこにはペナントレース大詰めの、ここ3、4週間の動きが詰め込まれている。
広島はレギュラーシーズン残り2戦となって9月23日の中日戦(マツダスタジアム)の先発に引退を表明している永川を持ってくるがすぐに大瀬良にスイッチする予定だ。
一方、中日の予告先発は先週月曜(14日)の阪神戦(ナゴヤドーム)でノーノーをやってのけた大野雄だ。
大瀬良はここ4戦で計17失点と絶不調だが、中日打線には強いイメージがある。
今季は5試合で4勝1敗。
4月25日のマツダスタジアムでは9回7安打完封勝利。
5月8日のナゴヤドームでも9回6安打2失点完投勝利。
5月22日のマツダスタジアムでもまたまた9回3安打1失点完投勝利をマークしている。
直近では9月10日のマツダスタジアムでも8回6安打ゼロ封勝利。
だが、大野雄にも大きなモチベ―ションがある。
ジョンソンは、先の阪神戦でおそらく自責点を気にするがあまり、タイムリー暴投2連発。防御率を2・46ちょうどまで下げた。
同2位の大野雄は防御率2・59。計算すると大野雄が9回完封なら防御率2・45929…でジョンソンを上回る。
大野雄もまた広島打線との相性がいい。5試合で1勝1敗、対戦防御率は2・25。
…で、実際、5月7日のナゴヤドームでは9回125球を投げ3安打2四球で完封勝ち。しかも13奪三振のオマケつきだった。
この試合、ヒットは一番・野間と六番・安部(2安打)だけ。右打者は完璧に抑えられた。
九回はバティスタ、鈴木、長野で3連続三振だった。この試合で大野雄が復活への手応えを感じたのは間違いないだろう。
阪神打線をねじ伏せた大野雄は最後まで球威が衰えず、内野ゴロの山を築いた。まともに外野にも飛ばさせないほどだった。
簡単には打ち崩せそうにない。頼りになりそうなのは右打者では菊池と長野。4月2日の対戦(ナゴヤドーム)ではともにレフトスタンドに叩き込んでいる。
大瀬良が大野雄を相手に本来の闘争心を覚醒させ、レギュラーシーズンラス前のマツダスタジアムで名勝負を演じるようなら、広島はそのすぐ背後に1・5差でつける与田中日の追撃を振り切ることになるだろう。(ひろスポ!・田辺一球)