画像はサンフレッチェ広島コロナ対策のひとつ、着席可能ステッカー。9月9日にエディオンスタジアム広島である清水エスパルス戦から、ゾーン席で観戦の場合はこの着席可能ステッカーを貼付している所に着席する。
サンフレッチェ広島は8月29日(土)、エディオンスタジアム広島で明治安田生命J1リーグ第13節に臨む。相手はベガルタ仙台。
中国新聞に「サンフレ観客増へ模索」「再開後の平均動員2668人、リーグ15位」の見出しでサンフレッチェ広島のホームでの集客が思うように進まない状況が紹介されたのは8月26日だった。
J1リーグは7月4日にリモート(無観客)で再開され、7月10日からは「上限5000人」の入場可能となった。
それ以降、サンフレッチェ広島はJ1リーグ戦3試合を地元のエディオンスタジアム広島で消化した。その時の数字は…
7月18日(土)午後7時からセレッソ大阪戦、●1-2、3,084人
8月9日(日)午後6時から湘南ベルマーレ戦、〇1-0、2,886人
8月19日(水)午後7時からFC東京戦、△3-3、2,033人
…だった。
この3試合の入場者数が1試合平均で2668人。J1の18チーム中15位で後ろから数えて4番め、となった。
ちなみにコロナ感染拡大防止のため中止となった8月12日(水)のYBCルヴァンカップ1次リーグ最終戦、サガン鳥栖戦は1000数百人の入場しか見込めていなかったという。その時点でほぼ1次リーグの順位も決まり、水曜日の夜開催ではそれが限界か?8月5日(水)に札幌厚別公園競技場であった北海道コンサドーレ札幌戦も入場者数は1572人だった。
ところで、サンフレッチェ広島の2019シーズンのリーグ戦集客力は下から数えて2番めだったから、今季が下から4番めでも大ニュースという訳ではない。
以下、ひろスポ!が2019年12月に作った、J1順位と集客数の関係を網羅した「順位表」である。
J1順位と1試合平均入場者数順位ほか
1)横浜M 5)27,010-72,327 陸上R 3万5回 4万1回 6万1回 10
2)FC東京2)31,540-49970 陸上R 3万8回 4万1回
3)鹿島 9)20,569-40728 専用 3万0回 10
4)川崎F6)23,272-27,495 陸上 3万0回
5)C大阪7)21,518-47,816 陸上 3万2回 4万1回
6)広島 17)13,886-45,000 陸上 3万0回 10
7)G大阪3)27,708-39694 専用 3万6回 10
8)神戸 8)21,491-28,425 球技 R 3万0回
9)大分 12)15,347-40,000 陸上 R 3万0回
10)札幌 10)18,768-41580 球技 R 3万2回
11)仙台 16)14,971-19,694 球技 3万0回
12)清水 15)15,043-20,229 球技R 3万0回 10
13)名古屋4)27,612-45,000 専用R (27,000陸上)3万6回 4万2回 10
14)浦和 1)34,184-63,700 専用 3万9回 4万2回 5万2回 10
15)鳥栖 14)15,060-24,490 球技 3万0回
16)湘南 18)12,848-15,690 陸上 3万0回
17)磐田 13)15,277-15,165 球技 3万1回 (51,697陸上)
18)松本 11)17,416-20,000 球技 3万0回
・左端番号はJ1各クラブの順位、クラブ名
・クラブ名に続く番号は今季の各クラブホームゲーム平均入場者数の順位、その右の数字が平均入場者数で、そのあとに続く数字がホームスタジアムの大まかな収容可能人数、名古屋と磐田はシーズン中の開催場所を考慮して2つのスタジアムを併記した。
・専用はサッカー専用、球技はサッカー以外の球技でも使用、陸上とあるのは陸上トラック併設、よって専用、球技とあるスタジアムには陸上トラックはない。そのあとのRはラグビーW杯12会場の中で7会場あったJリーグホームスタジアム
・3万0回とあるのはシーズン中にJ1リーグ戦ホームゲームで集客数3万人越えなしということ、よって浦和は9度も3万人越えを記録したことになる。4万人、5万人、6万人も同じ。
・各クラブの最後に10とあるのはJリーグオリジナル10
表の説明は以上。
「上限5000人」の方針は先ごろ、「8月末」までだったものが「9月末日まで」に延期されたばかり。その先もどうなるかわからない。
こうした状況となるであろうことに危機感を持ったJの各クラブはそれぞれ独自の対策を講じてきた。もちろんサンフレッチェ広島もそうだ。
その中でもやはり特筆されるのが上記の表からも分かるように”人気”の面で傑出している浦和レッズのアクション…入場者数減がクラブの根幹を揺るがすのはどこも同じでも、そのスケール感の大きさから半端じゃない危機意識を早くから行動に変えてきた。
そのひとつが浦和レッズが6月20日にスタートさせたしたクラウドファンディング。開始から2週間あまりで目標額だった1億円を達成したことも驚きだが、ビッグクラブが”捨て身”のこの戦法に出たことも驚きを持って関係者、サポーターらに受け止められた。
浦和の選手たち自らがこの企画に積極的な姿勢を見せ、リモートの日常にあっても逆にチームとサポーターの距離が縮まったという声もある。支援金はさらに増え、8月31日の締め切りのあと、おそらく大きなニュースになるだろう。
サンフレッチェ広島はホームスタジアムの”不便さ”に足を引っ張られて、長らく苦労を重ねてきた面は多分にある。コロナ禍によっていっそうその”不便さ”が鮮明になった感は否めない。
すでにひろスポ!では何度も取り上げてきたが、コロナ以前のエディオンスタジアム広島では試合後に「密」な状況が生まれる。公共交通がシャトルバスとアストラムラインしかなく選択肢が限られるからだ。
もちろんコロナ以降のエディオンスタジアム広島においてはクラブ側が様々な対策を講じて安心してスタンド応援できる環境を提供している。それでもあまりそうした情報も伝わっていないせいなのか「わざわざ、コロナを心配しつつ夜遅くまではね…」という声も耳にする。
サンフレッチェ広島では9月9日(水)の第15節、清水エスパルス戦から座席の前後を1列ずつ空けて座る形式に変更すると発表。サポーターゾーン席を増設する。
平日開催であっても3000人超えのスタンドでサンフレッチェ広島の選手たちの背中を後押ししたい。
土日開催であればなおさらだ。
サンフレッチェ広島席種と価格表(9月9日清水エスパルス戦より)
コロナ対策として現在、サンフレッチェ広島の公式戦チケット(当日券も含む)は「Jリーグチケット」のみでの取り扱いとなっている。スマホやパソコンでの購入になるが、エディオンスタジアム広島のメイン、バック総合案内所では係員が購入方法を案内してくれる。地下街シャレオのオフィシャルショップV―POINTでも案内がある。
ベガルタ仙台戦は土曜開催だが、前日(28日)時点でチケット前売りは3000人に届いていないようだ。
少しずつ陽射しも弱くなり、エディオンスタジアム広島のある広島広域公園は「密」を気にすることなくウォーキングやスポーツを楽しむこともできる。
市民・県民・サポーターがホームチームを支える手段はいろいろある。でも一番いいのはやはりスタンドを埋めて入場する選手たちを出迎えることだろう。(ひろスタ特命取材班)