トップ画像は千葉ジェッツの大野篤史ヘッドコーチ
B1王者目指す千葉ジェッツと3000人大観衆の前で戦った経験を広島ドラゴンフライズはどう生かすでしょうか…川風の街、七色の光#49
シャノン・ショーター。
2020年6月より、千葉ジェッツのシューティングガード兼スモールフォワード。
広島ドラゴンフライズでも活躍しました。
2016年5月3日。
佐古賢一ヘッドコーチ率いる広島ドラゴンフライズは、この年の秋にスタートするBリーグに備えて、この日、Bリーグの前身NBL最終戦を迎えました。国立代々木競技場第二体育館でトヨタ自動車アルバルク東京と対戦、残念ながら72-92で敗れましたがベンチサイドは多くのファンの手で朱色に染められていました。この試合のチーム最多得点はシャノン・ショーター選手でした。
あれから5年。
2021年5月24日の沖縄アリーナ。
そこには、Bリーグプレーオフ、セミファイナル第3戦で琉球ゴールデンキングスを振り切り、チャンピオンシップ出場を決めて固く抱き合うシャノン・ショーター選手と大野篤史ヘッドコーチの姿がありました。
この試合の第4クォーター、富樫勇樹選手はコートに立たずファイナルに備えていました。代わりにシャノン・ショーター選手がゲームをコントロールしました。第2クォーターの勝負どころでも冨樫選手はベンチ、シャノン・ショーター選手が司令塔役でしかもスリーポイントをたて続けに沈めました。
大野ヘッドコーチもやはり佐古ヘッドコーチの下、広島ドラゴンフライズでアシスタントコーチを務めました。その経験を生かしてBリーグスタートに合わせて千葉ジェッツの指揮官となり、すでに2度、ファイナルまで進んでいます。でも優勝には手が届いていません。今回が3度目の正直。5月29日、横浜アリーナでファイナルの幕が上がります。
広島ドラゴンフライズvs千葉ジェッツ(広島グリーンアリーナ)
中央シャノン・ショーターをマークするアイザイア・マーフィー、右端は尺野将太ヘッドコーチ、その奥は朝山正悟
広島グリーンアリーナのコートに立つ富樫勇樹
広島ドラゴンフライズが初めて広島グリーンアリーナでBリーグ公式戦を開催した2月27日と28日、相手は千葉ジェッツ。初日土曜は3,119人、2日目日曜は3,455人が押し寄せコロナ感染防止策を施す中での満員御礼となりました。
試合はGAME1が88―110、GAME2が72―104。
シーズン途中での就任となった尺野将太ヘッドコーチの初陣ではありましたが、両者の力量の差は歴然でした。
でも公式会見の席で大野篤史ヘッドコーチからは別の感想も聞かれました。「僕が広島にいた当時には想像もできないほどたくさんのファンの方が来られています。多くの関係者の方たちの努力の結果だと思います」
日本を含めて11カ国で戦ってきたシャノン・ショーター選手も、重圧の中、B1の舞台に立ち続ける大野ヘッドコーチも、その歩みを止めることはありません。
スポーツでもっと幸せな広島へ―
近い将来、プレーオフの舞台で千葉ジェッツと互角に渡り合う広島ドラゴンフライズの姿を目にした子どもたちは、きっとますますバスケが好きになるのでしょう。
※「川風の街、七色の光」は、戦前戦後を通じて広島の人々の生活に深く関わってきたスポーツのある風景を、この街の未来に繋げていくために”そのまま切り取って”残しておくひろスポ!連載コーナーです。