ついに遺構の切り取りが始まった、9月4日午前9時20分ごろ
あ、私を斬らないで…
ひろスポ!ひろスタ特命取材班は「シュール」の真逆を行く、現実路線だが、それでもそんな声が聞こえてくるかのようだった。
広島の多くの県民、市民は今、広島のど真ん中でどんなことが起こっているか、知らされていない。一部平和団体などが「一度作業を辞めて話し合いを」と広島市に直接要望する中、9月4日朝からサッカースタジアム建設予定地の足元で発掘された旧日本陸軍の被爆遺構の切り取り作業が市によって強行された。
ひろスタ特命取材班では雨天で作業が一日順延となった3日、文化庁に直接状況を説明、広島市に待ったをかけるよう提案したがスルーされたようだ。
切り取って部分保存する、という市側の説明に納得できない市民らは「遺構が泣いている!」と記した紙を掲げて抗議。現場にいた市の担当者に向けて厳しい言葉もぶつけたが、これまで通り、何を言っても暖簾に腕押し。
そりゃそうだ。この方針は松井市長のジャッジメントによる。
その松井市長は、“旧広島市民球場跡地にサンフレッチェ広島を近づけるな!”、という広島東洋カープ松田元オーナーの意向を受け、遺構などに詳しい専門家が「掘ってはいけない場所」と言い続けてきた禁断の地に手をつけた。
最初から遺構の存在が分かり切っていたのだから松井市長の命を受けた市の幹部職員や担当者は敷かれたレールで着々と実務をこなす。
だが、斬られた遺構からは、見えることはないけれども広島の心の“血の叫び”が上がっていたはずだ。
共同通信はこのニュースを素早く配信。ロイター通信も共同配信で報じていた。
湯崎知事が「解体」を決定したかのごとく公にした旧陸軍被服支廠が一転「保存」となったように、一部の利害関係者らの都合だけで、広島の心が捻じ曲げられることは許されない。
そもそも広島の新サッカースタジアムはスポーツ・文化・音楽などを通じて世界に「平和発信」する夢の器である。
その足元で今起きていることは、こうした崇高な理念の真逆を行く。そ
湯崎知事の「サッカースタジアム建設予定地、広島みなと公園」案に「NO!」を突きつけた張本人、とも言われている菅義偉首相(当時は官房長官)は分かっていたこととはいえ、あえなく落城した。周辺の最後の声は「裸の王様」「刀折れ矢尽きた」だったという。松井市長もいい加減、目を覚ました方がよくないか?(ひろスタ特命取材班)