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2021年09月12日
編集部

WEリーグ開幕戦、サンフレッチェ広島レジーナ、立花葉、中嶋淑乃らの”女王の翼”で3-0白星発進

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立花葉
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    飛翔会

  • 2

    ダグ

  • レッドヘルメット

画像は立花葉

 

サンフレッチェ広島レジーナの「女王」を目指す長い道のりの最初の一歩は3-0スコアの快勝だった。

 

 

試合後、中村伸監督は言った。

 

 

-第1節勝利で飾りました。

 

 

「はい、まあ試合の入りのところで、フタを開けてみないと選手がどれぐらい緊張せずにやれるかっていうのが分からなかったんですけど…、まあ、思ってたよりはスムーズに入ってくれたな、と。ただ、ゲームの入りでそこまで主導権握る状況じゃなかった中で連続して得点を奪えたってことで主導権を握れたのは彼女たちがしっかり表現してくれたことかなと思ってます」

 

 

-どういったゲームプランを?

 

 

「プレシーズン時からもそうですけど、我々ゼロから立ち上げてスタートして、ずっとどういうサッカーするのかと、攻撃ではどうゆうところを求め、守備ではどういうところを求めてやるか、そこを積み上げてやってきたことをゲームの中でしっかり相手見ながら表現できたらってところをどれだけやれるか。そこを目指してゲームには挑みました」

 

 

-広島スタイルはどの程度出せたか?

 

 

「うーん…、たくさんトライはしてくれました。ただ、やっぱり開幕っていう緊張感もありましたし、エルフェンさんのプレッシャーもありましたし、そういう中で思ったよりクオリティの部分だったり、コンビネーションのところはもう少しやれるかなってところはありましたけど、まあいろいろ差し引いて開幕で3-0という結果で終われたのは大いに評価したいと思っています。ずっと我々が目指していくとことをブレずに、積み上げながらもっともっと共有しながら引き出しの中身増やして、かつクオリティを落とさず結果を求めてこだわっていきたいと思います」

 

 

 

よくぞ、ここまで…。誰がどう見ても、たぶんそうだろう。

 

 

 

「ゼロからのスタート」でどこまでその数値を引き上げることができるか?メンバー25人、初めて活動拠点となる広島市内のピッチに集まったのは2月15日だった。そこから7カ月しか経っていない。だいたいチーム名すら決まっていなかった。

 

 

開幕を2日後に控えた9月10日、2月の最初の全員集合時と同じように練習前、選手、スタッフの円陣の中で中村伸監督は大阪人らしく“ケータイネタ”で笑いを取り、そして言った。

 

 

「明るくいきましょう!」

 

 

 

アップの時には笑い声も多い。Jリーガーのそれとは違って「キャー!」だから最初はサッカーの現場に慣れた人たちでも違和感がある。「コミュニケーションのところは、あのー、正直わからないことがまだまだ多いんで…」と開幕を目前に控えても中村伸監督の模索も続いている。その中で選手たちは「明るく」そして各ポジションにおける熾烈な”出場枠“争いに明け暮れてきた。なんせゼロからだ。その可能性は無限大にある。

 

 

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「伸びてきた選手は?」という愚問に指揮官は当然、具体的な名前を挙げようとはしない。だが、ノビシロという部分で言えば、ゼロより厳しいマイナスの世界から「女王」のユニホームに袖を通し、この日のピッチに最初に立った立花葉が筆頭格だろう。

 

 

1月24日、セレクション。2月5日、合格者発表。その顔ぶれは、内田好美(FC十文字VENTUS)、立花葉(NGUラブリッジ名古屋)、藤田七海(武庫川女子大学サッカー部)、塩田満彩(徳山大学女子サッカー部)だった。

 

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セレクションでの立ち姿が、すでにWEリーグ開幕日の立花葉の右サイドハーフを予感させていた、と言ってもいい。その経歴は…

 

 

名古屋FCレディース ⇒ JFAアカデミー福島 ⇒ Florida State University (アメリカ) ⇒ Central Connecticut State University (アメリカ) ⇒ NGUラブリッジ名古屋

 

 

とにかく世界に羽ばたくための挑戦を厭わない姿がうかがえる。その“翼”をゼロ地点、広島に向けた。「一般公募(のセレクション)で、ネットで普通に申し込んだんです、プロになりたかったんです!」その純真な想いがサンフレッチェ広島レジーナの強みでもある。中村伸監督は言う。

 

 

「うちにいる選手たちはやっぱ、サッカー大好きですし、ほんとゼロから立ち上げるチームで自分たちがチームを作っていく、その中で自分も成長したんだっていう思いはほんと強く持って取り組んでくれているし、そういう覚悟もできているので…」

 

 

試合は開始2分、ちふれASエルフェン埼玉、最初のCKでホームのスタジアムに集まったサポーターの見せ場が来た。相手のヘディングシュートは際どい軌道を描いてバーを越えていった。当然ながらGKの上背は男子とは違う。反応時間も違う。予測不能な形のゴールが多い。それがWEリーグの特徴だ。誤解を承知で言えばシュートは多いほどいい。

 

 

4分にもちふれASエルフェン埼玉はシュートを打ってきた。GK木稲瑠那の正面ではあったが、これとて絶対に弾かない保証はない。シュートは多いほどいい。

 

 

そのあとすぐ、サンフレッチェ広島レジーナの前線に人数をかけた攻撃に転じた。ワントップの上野真実、中嶋淑乃と立花葉の両サイドハーフ、トップ下の川島はるなに加えて4バックの左サイド、木﨑あおいがオーバーラップをかけた。5人攻撃。ダブルボランチ、キャプテンマークの近賀ゆかりがここに参戦して6人目。

 

 

そのあと高い位置での左サイドでのスローイングから川島はるなが左足で浮き球のクロスを上げた。ジャンプして右足で合わせたのは増矢理花。2010、11年にはJFAアカデミー福島で苦楽をともにしたふたりだ。

 

 

サンフレッチェ広島レジーナ、記念すべき最初の“矢”は相手GKにうまく止められた。中村伸監督の声が一気に大きくなってきた。

 

 

サンフレッチェ広島レジーナの前線からのプレスが素早くなり、パス回しにもより意図が感じられるようになり、そして最終ラインから松原姉妹の妹、優菜が大きく前線に蹴り出した。そこに立花葉。

 

 

ペナルティエリア内に侵入して相手DFと競り、マイナスのパス。相手ゴールの目の前で上野真実がポジションを探る。ペナルティエリアに走り込んできた増矢理花がゴール前に蹴り込む。上野真実が足で擦らせて減速したボールはそのまま左ポストに当たりゴールに吸い込まれた。「女王」への最初の記念弾…。

 

 

立花葉と増矢理花も福島で3シーズン一緒に戦った。中村伸監督の言うようにそこからまた「積み上げて来た」ものが形になりつつある。

 

 

その1分後、川島はるなから左の中嶋淑乃へのパスが通り、ドリブルで持ち込んだ中嶋淑乃はグラウンダーでマイナスのクロス。またしても詰めてきたのは増矢理花だった。会心の2点目。“女王の翼”がWEリーグでいきなり大きく羽ばたいた。

 

 

後半9分、中嶋淑乃が増矢理花にボールを預けて加速する。サイド攻撃の次は中央突破。増矢理花のスルーパスに合わせて中嶋淑乃が相手DFふたりの真ん中でシュート!ホームゲームでの勝ち点を目指すちふれASエルフェン埼玉に“三の矢”を射込んだ。

 

 

後半15分、近賀ゆかりに替わって小川愛が、上野真実に代わって谷口木乃実がピッチに入った。後半22分には中嶋淑乃と立花葉は同時にベンチに下がった。守備も重要視され運動量が求められる中、“女王の翼”は2枚だけではない。山口千尋、島袋奈美恵が左右サイドハーフを張った。谷口木乃実は165センチの高さを生かしてヘディングシュートを狙い、島袋奈美恵も強烈なシュートを放った。

 

 

後半36分に増矢理花が担架で運びだされるアクシデントがあり、19歳WEリーグデビューの柳瀬楓菜もシュートを打った。

 

 

「裏のスペースが空いていたので、理花さんを信じて走たっらいいボールがきたので、落ち着いてきめれて良かったです」とは中嶋淑乃。だが、その「落ち着いて」が実はこういう日にはとても難しい。それができるだけのことをみんな、やってきた。

 

 

中嶋淑乃は2020年なでしこリーグ2部の得点王。そんな”肩書“で言えば増矢理花は国際Aマッチ27試合、近賀ゆかりは国際Aマッチ100試合に出場。経験豊富な選手と1月の全日本高校女子サッカー選手権の覇者である柳瀬楓菜のようなまさにこれから、という選手がともに切磋琢磨するのがサンフレッチェ広島レジーナ。

 

 

第2節、地元開幕戦(9月18日、広島広域公園第一球技場)の相手はマイナビ仙台レディース。中村伸監督の言う「自分たちがチームを作っていく、その中で自分も成長したんだっていう思い」が今度はホームのピッチで披露されることになる。

 

 

 

2021-22 Yogibo WEリーグ、第1節
ちふれASエルフェン埼玉vsサンフレッチェ広島レジーナ
(9月12日午後5時キックオフ、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場)

サンフレッチェ広島レジーナ
先発
GK 木稲瑠那
DF 松原志歩、松原優菜、中村楓、木﨑あおい
MF 増矢理花、近賀ゆかり、川島はるな
FW 立花葉、上野真実、中嶋淑乃

サブメンバー
福元美穂
左山桃子
柳瀬楓菜81分(←増矢理花)
小川愛60分(←近賀ゆかり)
山口千尋67分(←中嶋淑乃)
島袋奈美恵67分(←立花葉)
谷口木乃実60分(←上野真実)

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(2021年3月8日掲載)

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