画像は開幕連勝に成功したカイル・ミリングヘッドコーチ
広島ドラゴンフライズは10月3日、広島市西区の広島サンプラザホールでB1第1節のGAME2、レバンガ北海道戦に臨み85-82のスコアで際どい勝負をモノにした。83-75で勝ったGAME1と合わせて開幕連勝スタート!
スターターはGAME1から固定され、一方でアシスト数は寺島良2、朝山正悟1、辻直人4、青木保憲5、アイザイア・マーフィー3、グレゴリー・エチェニケ1、チャールズ・ジャクソン2、ニック・メイヨ4ときれいに分散された。どこに得点のチャンスが潜んでいるか分からない。新型コロナウイルス感染防止対策のため入場制限のかかったアリーナにはGAME1の1,939人に続いて1,979人が詰めかけ、B1の熱い戦いを存分に堪能した。
「広島にバスケでつながる風景を」長らく掲げてきたチームスローガンの下、新たな挑戦となるB1での第2章。コートの内外で大きな変革が求められるこのタイミングで、ドラゴンフライズ・ミヤジマトンボの自在な舞いのスケールが、これまでにないものへと“脱皮”しつつある。
第1節を終えて西地区での2勝は、富山グラウジーズと対戦した信州ブレイブウォリアーズ、アルバルク東京 と対戦した琉球ゴールデンキングスと合わせて3チーム。
王者、千葉ジェッツをホームの松江市総合体育館に迎えた島根スサノオマジックはGAME1を100点ゲームで制したがGAME2は74―81で連勝を逃した。
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佐古賢一ヘッドコーチ(中央)その後方はレバンガ北海道ブースターのみなさん
第1クォーターでは、レバンガ北海道・佐古賢一ヘッドコーチが「広島のディフェンスに押し上げられ、なかなかやりたいプレーができなかった。非常に苦しかった」という流れに持ち込んだ。こうした展開はB1元年の昨季にはなかなか手の届かなかった“理想形”と言えるだろう。
得点を奪い合うバスケの競技特性により、4クォーターの中でゲームは何度も同点になったり、リードを奪い合ったりのクロスゲームになる。しかし、最初に大きくリードするとその”貯金“があとあと効いてくる。
第1クォーター23―9のスコアは、固い守りと2020-21シーズンの得点王、ニック・メイヨのシュート力によってもたらされた。最初の10分間でレバンガ北海道のシュート成功率はGAME1の37・5パーセントから22・2パーセントにダウン。逆にニック・メイヨはGAME1の2得点から10得点にアップ!たて続けに元チームメイトに決められたレバンガ北海道ベンチにとって大きな痛手となった。
ハーフタイムを挟み、10点差を追いかけるレバンガ北海道も反転攻勢。2020-21シーズン、島根で1試合平均18得点を挙げ高い身体能力を有するデモン・ブルックはなかなか止め切れない。残り1:39で57―57。ニック・メイヨのジャンプショットと朝山正悟のフリースローで60-59、最少差で第4クォーターへ。
そして、開始早々には60―62とひっくり返された。が、すぐにトーマス・ケネディのショットで追いつきそこからまた主導権を握った。残り0:58で寺島良がスリーポイントを沈めて81-73。そこから激しく食い下がる相手を振り切る術をニック・メイヨ、青木保憲、辻直人、トーマス・ケネディらは知っていた。
25―23の第4クォーター。FGM(フィールドゴール試投数)は広島ドラゴンフライズの14本に対してレバンガ北海道は21本。スリーポイント成功数は広島ドラゴンフライズが辻直人とニック・メイヨを合わせて計3本、レバンガ北海道は2本。
その差1本、その差3点が最後の最後でどちらに転ぶのか?そこをチーム“ほとんど”生え抜きの朝山正悟はずっと言い続けてきた。第4クォーター、その勝負どころのせめぎあいを、朝山正悟はずっとベンチで見守っていた。ミヤジマトンボは何度か脱皮して成虫になる。殻を脱ぐたびに逞しくなっていく…
ベンチで手を叩く朝山正悟(中央)
カイル・ミリングHCの話
「今シーズン初めての2日連続の試合で、選手はメンタル・フィジカル的に疲れている中でも勝つことができてよかった。1Qでは、集中力を高めることを選手に伝えていた。複数のポジションを行うことができる選手がいるので、挑戦してみて、自分たちに合うものを探していきたい。来週の名古屋も良いチームなのでタフな試合になると思う。今までは開幕戦の北海道にフォーカスしていたので、明日から研究していきたい。本日の勝利は、選手に自信を与える勝利となった」
グレゴリー・エチェニケ主将の話
「 ブースターの皆さんの声援のおかげで、出だしからエナジーを持ってプレーができた。この2試合、アリーナの雰囲気もとても良かった。この2勝はブースターのおかげの勝利。これからもハードに勝ち続けていきたい。私たちはどの選手が出ても、同じ強度で戦えるチームだと思う。これもプレシーズンで構築していけた。今シーズンが終わったときに自分たちの思うベストなチームになれているように頑張っていきたい」
ニック・メイヨの話
「ハードな試合だったが、この2勝は大きいし、自分の仕事がコート上で出来た。来週も試合があるので準備していきたい。広島のブースターは応援なども素晴らしい。次のホームゲームが待ち遠しい。私はスコアラーではあるが、ハードプレーを心がけ、自分のやるべき役割をするだけ。そうすればもっと広い分野で活躍できると思う」
B1第1節GAME2
広島ドラゴンフライズ 85-82 レバンガ北海道
1Q: 23-9
2Q:20-24
3Q:17-26
4Q:25-23
【スターター】
広島: 寺嶋良、辻直人、アイザイア・マーフィー、グレゴリー・エチェニケ、ニック・メイヨ
北海道:寺園脩斗、中野司、山口颯斗、ショーン・ロング、デモン・ブルックス
【主なスタッツ】
広島ドラゴンフライズ
◆得点
ニック・メイヨ 24得点
トーマス・ケネディ 13得点
寺嶋良 12得点
◆リバウンド
チャールズ・ジャクソン 9リバウンド
ニック・メイヨ 7リバウンド
グレゴリー・エチェニケ 6リバウンド
トーマス・ケネディ 6リバウンド
◆アシスト
青木保憲 5アシスト
辻直人 4アシスト
ニック・メイヨ 4アシスト
◆出場タイム( )はGAME1
寺島良23:18(21:49)
トーマス・ケネディ21:00(16:50)
朝山正悟10:59(12:55)
辻直人29:15(27:42)
青木保憲12:23(18:11)
アイザイア・マーフィー29:51(23:27)
グレゴリー・エチェニケ22:01(24:46)
チャールズ・ジャクソン16:56(18:56)
柳川幹也4:19(2:44)
ニック・メイヨ29:58(32:40)
レバンガ北海道
◆得点
ショーン・ロング 21得点
デモン・ブルックス 21得点
中野司 13得点
◆リバウンド
ショーン・ロング 13リバウンド
デモン・ブルックス 8リバウンド
山口颯斗 4リバウンド
◆アシスト
寺園脩斗 7アシスト
中野司 3アシスト
山口颯斗 3アシスト