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2021年11月27日
編集部

ファウル打ちから殊勲打のオリックス太田に見る”梵”流…SMBC日本シリーズは高津vs水本、梵…の”広島対決”勝つのはどっちだ?続編

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梵
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    ダグ

  • レッドヘルメット

画像は2019年、ファンとの交流イベントでの梵英心さん

 

ひろスポ!でも報じた“広島人同士”の対決となったオリックスvsヤクルトのSMBC日本シリーズは、大方の予想通りの激戦になった。

 

NHKBSで、和田和浩さんらとともに秀逸な解説を“連投”する藤川球児さんは、第5戦がオリックス代打ジョーンズの柵越えで決着を見たあと、「簡単には終わらないだろうと…終わって欲しくない」の名ゼリフを中継を通し日本中のプロ野球ファンに送っていた。みな、そういう思いなのではないか?

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ここまでヤクルト3勝、オリックス2勝。

第1戦は宗、吉田正の打撃力でオリックスサヨナラ勝ち、Bu4-3S
第2戦はヤクルト高橋133球完封、Bu0-2S
第3戦は点の取り合いになってヤクルトサンタナ決勝2ラン、S5-4Bu
第4戦はヤクルト石川が6回1失点、1-1同点からオスナ決勝適時打でS2-1Bu
第5戦は村上ソロ、山田3ランもオリックス代打ジョーンズ5-5九回決勝ソロでS5-6Bu

あとがなくなったオリックスは第5戦、土俵際で持ちこたえ、中嶋監督の“ふるさと”グリーンスタジアム神戸、現ほっともっと神戸への帰還を果たした。

その鍵となったのが第5戦でシリーズ初スタメンに抜擢された「八番セカンド太田」だった。

プロ3年目の20歳、太田椋内野手。同点の七回、勝ち越し三塁打を放ち、続く代打モヤの詰まった右前打でホームに還ってきた。

33歳のベテラン安達に替わる中嶋監督の勝負手が活きた。2018年ドラフト1位の太田は今季、開幕スタメンに名を連ねた。父・暁さんが一軍打撃投手で何かと話題の若手だが、レギュラーシーズンは53試合出場に止まっている。

太田の価値ある適時打でホームを踏んだ紅林も19歳。2019年のドラフト2位。今季はやはり開幕スタメンに名を連ねた。球団初の「10代開幕遊撃スタメン」だった。

球団初と言えば今季から水本ヘッドともにオリックス首脳陣に加わった梵打撃コーチ…。

社会人出身ではあるが広島での現役生活デビュー戦は2006年3月31日のナゴヤドーム、「六番セカンド」で六回、中日川上憲伸からプロ初ヒットを放った。広島での新人開幕スタメンは1969年の山本浩司以来37年ぶり。加えて1961年の山本一義以来45年ぶりのヒット…

この年、梵は広島の野手では1984年の小早川毅彦以来2人目の新人王になる。当時、広島は“改革”を目指し、マーティ・ブラウン監督を就任させていた。その1年目の話だ。

野村監督1年目、マツダスタジアム誕生から2年目の2010年、梵は全144試合で172安打、打率・306、13本塁打、43盗塁で盗塁王のタイトルを手にした。今季まで、セ・リーグでシーズン40盗塁以上を記録した選手はいない。

それ以前なら緒方前監督がいる。1995、96、97年。三村監督の下で47、50、49盗塁…

だが、梵打撃コーチは緒方前監督1年目の2015年、16年と急激に出番が減り、2017年は一軍出場ゼロ。そして会見すらすることもなく2017年限りで赤いユニホームを脱いだ。選手会長まで務めた人物であったにもかかわらず、である。

梵の打撃は高校時代から一貫している。バッドのヘッドをどう使えば強い打球が打てるか?実家は地元の三次市では知られた存在の専法寺。その境内で長い棒切を振り続け、風切り音でスイングに磨きをかけた。

広島退団ののちアメリカの独立リーグなどにも活躍の場を求めた梵は、縁あって2018年6月1日、社会人野球の新興組織、エイジェックに正社員として入社し、選手兼任コーチとして新たな仕事場に身を置いた。そして2019年10月、現役引退を表明。その後は新たな就職先を探しながら野球解説などを続けJFE西日本でコーチもした。おそらく広島復帰の道も模索したはずだ。

ところで今オフ、野手総合コーチとして二軍から一軍に再昇格した広島の東出コーチは梵と同い年。現役時代は二遊間コンビとしてセンターラインを任された仲だ。

だがふたりのその後、どこかの時点で広島ひと筋の道と、そうではない別々の道を歩むことになったのである。

指導者としての資質…

指揮官としての資質で言えば高津、中嶋両監督とも高く評価されている。そして吉田正らタレントの豊富なオリックス打線が“点から線”に変貌を遂げた今季、様々な変革を試みたオリックスにあっては梵打撃コーチの果たした役割も大きい。

その傾向は11年ぶり2度目の交流戦優勝を果たした頃から顕著になり始めた。交流戦、12球団最多の96得点、打率は・297のDeNAに次ぐ・287…。

今シリーズではヤクルト、オリックスともにファウル打ちで相手先発投手を崩しにいく姿勢が目を引く。逆にヤクルト石川などはベテランの味でそういう打撃をさせなかった。一方でオリックス第1戦先発の山本由はヤクルト打線のファウル打ちで球数を増やさざるを得なかった。

梵打撃コーチの訓えの基本は打ちに行く中で、ヒットにできないボールはファウルにする、というものだ。今季のオリックスはソフトバンクと並んでチーム打率・247はリーグトップ、962三振はリーグ最少。

紅林も太田も将来を期待された右バッター。梵打撃コーチから学ぶことは多いだろう。

太田の記念すべきシリーズ初打点はヤクルト石山のスライダーを捉えた右中間を抜く三塁打でヘッドがよく効いていた。

だが、それが打てたのもその前の五回の第2打席で、ヤクルト先発原からバットを折られながらサード村上の頭上を越えるシリーズ初安打を放っていたからこそ。NHKBS解説で和田和浩さんがこの一打に最高の評価を与えていたが、見る人が見ればその価値はそういうものなのだろう。

その打席で太田は3球で追い込まれた。4球目ボールのあとファウル2つ。147キロの真っ直ぐと120キロ台のスライダー。緩急の差に耐えて7球目のシュートが内角に来たところを振り切った。

バットが砕けても打球は内野の頭を越す。これぞ“梵”流…

藤川球児さんが言う「終わって欲しくない」日本シリーズは神戸で決着を見ることになるのか、それとも第8戦、第9戦…となるのか?

第6戦、オリックスは沢村賞右腕、山本由の先発を中嶋監督がすでに明らかにしている。オリックス打線は第1戦で六回までゼロ行進となり七回に代打モヤのソロで同点にした奥川をどう攻略するか?

第5戦まで、トータルでチーム打率はヤクルト・209、オリックス256、得点はヤクルト17、オリックス15…(広島スポーツ100年取材班&田辺一球)

 

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