画像は阪神戦に先発した斉藤優汰
練習試合、広島-阪神(2月18日、コザしんきんスタジアム)
沖縄キャンプ第1クール最終日。広島は昨季のセ・リーグ王者、日本一の阪神を迎えて今キャンプ2度目の対外試合を行った。
青空の広がる沖縄市内は強い陽射しの下、どんどん気温が上昇!しかも阪神ファンが大勢詰めかけてスタンドは1万人以上のファンで埋まった。
阪神・岡田監督は開幕投手候補の村上頌樹を先発に起用。打線も中軸を並べてスタメン発表時から阪神ファンを沸かせた。
阪神オーダー
レフト前川右京
セカンド中野拓夢
DH糸原健斗
ファースト大山悠輔
サード佐藤輝明
ライト森下翔太
ショート小幡竜平
キャッチャー坂本誠志郎
センター小野寺暖
先発は村上頌樹
対する広島オーダーは…
DHジェイク・シャイナー
レフト田村俊介
ショート田中広輔
ファースト堂林翔太
サード林晃汰
セカンド小園海斗
ライト中村貴浩
キャッチャー石原貴規
センター久保修
先発は斉藤優汰
セカンドスタメンの小園海斗、前日のロッテ戦でファーストスイング2ランの田村俊介…
広島側にもいろいろ見どころはあったが、この日一番の注目は2022年ドラフト1位右腕の斉藤優汰。日南での一次キャンプでは黒田球団アドバイザーの助言に耳を傾け過ぎるほど?傾け、高校時代には無縁だった投げ込みも行った。要するに現時点でやれることは、全部やった!
そんなこんなで、様々な”事情”が考慮され、公式戦並みの雰囲気が用意される中での右腕の投入となった。
「優勝」と「日本一」を掲げる新井監督にとって、岡田・阪神は昨季、同一リーグ内で唯一、負け越して、しかも大量11・5差もつけられての2位に終わった…特別な相手でもある。
…で、結果はというと3回で67という”膨大な”球数を要し、被安打6の1失点。与四球2、奪三振ゼロ。特に述べ10人の左打者と対戦する中で一度も空振りを奪えなかった。最高球速が150キロに達しているのに、だ。
初回だけでも35球、マウンドに18分間も立っていた。これじゃバックもシラケるし、結果オンリーの公式戦なら木っ端みじんにされていただろう…
同じ初回、バックのエラーがあっても簡単にアウト3つを取ってひょうひょうと立ち上がった村上頌樹とは、余りにも対象的な内容だった。
初回の斉藤優汰
前川右京…初球は誰が見ても”素晴らしい”と口を揃えるような真っすぐストライク、しかし2球目真っすぐミートされ自身の足元抜かれる中前打、湧き上がる虎ファン
中野拓夢…初球真っすぐ浮く、ボールカウント2-2から快音、センター左でワンバウンドするヒット、一、三塁、めちゃめちゃ沸く三塁側スタンド
糸原健斗…初球スライダーボール、2球目真っすぐスバッと決まる、ボールカウント3-1からストライク、6球目真っすぐは強い三ゴロになって失点
一死一、二塁で大山…初球真っすぐ空振り、真っすぐ浮いて1-1、スライダーハーフスイング1-2、4球目外スラ二飛フルスイングさせず
佐藤輝明…2ボールからフルカウントになって6球目が抜けて四球、二死一、二塁
森下翔太…また2ボールになってさらに3ボール、4球目の真っ直ぐズバッと決まるが5球目浮いて四球
小幡竜平…また2ボールから内角にズバッと真っすぐストライク、そのあと真っすぐ3連続ファウル、7球目変化球快音…左飛でスリーアウト
斉藤優汰は二回も先頭の坂本誠志郎に棒球の真っ直ぐを左前打され、続く小野寺暖にもジャストミートされた。たまたま一直ライナーゲッツーになった。ここは”ラッキーチャンス”だったのだが、前川右京にフルカウントからまた四球。続く中野拓夢には第1打席に続いて真っすぐを右前打された。
帽子が何度も脱げるほど、力み上げたフィニッシュではボールは決してコーナーに決まってはくれない。バックネット裏最上段からからJスポーツ解説を務めた中田廉さんは、その投球内容を誰に忖度することもなく明確に伝えた。
「初回に悪いモノがすべて出た、首脳陣は修正力を見ています」
しかし、修正は効かず、快速球はあっても再現性がない。本人の反省の弁にもあったが1球1球がバラバラ…では”眼力”のある虎打線からアウトを奪い続けることはできない。
初回の村上頌樹が外角球をファウルにして粘る堂林翔太の内角に真っすぐを投じて見逃し三振を奪ったその姿から斉藤優汰は何かを学んだだろうか…(ひろスポ!取材班&田辺一球)