画像は高木翔斗、起死回生の2点タイムリー、インローの難しい球をうまくさばいた
楽天-広島 オープン戦(3月3日、倉敷マスカットスタジアム)
倉敷での楽天主催ゲーム、その3連戦の最終日。この3連戦はずいぶん冷え込んだが、スタンドは熱かった。この日の第3戦では席種によっては売り切れも出た。金曜日の第1戦観衆が6,477人、第2戦は13,198人、第3戦は16,886人だった。
特に三塁側とレフトスタンドのカープファンの声援は大きかった。
第1戦は4対2で広島、第2戦は3対1で楽天。第3戦は八回に楽天が2点を先制したが九回に3対2と逆転に成功した広島が勝った。
九回の逆転劇は長期政権を託された(たぶん5年以上、最長10年ぐらい?)新井カープの”今”を象徴する内容になった。
……
楽天はこの回から5人目の宮森智志。広島出身の右腕は、育成入団から這い上がり今のポジションをつかみ取って3年目。
先頭の宇草孔基は今回の倉敷遠征から一軍メンバーに合流したが、第1戦出番なし、第2戦はスタメン一番で4打数1内野安打、この日も一番を打って中直、中飛、ニゴロ…最後の打席でアウトローのチェンジアップを巧く中前に弾き返した。
続く途中出場の韮澤雄也は落ちる球を空振り三振。
一死一塁で同じく途中出場の久保修の打球は三ゴロゲッツーコース…だったが相手の送球エラーに救われて一、三塁に…
打席には同じく途中出場の林晃汰。前の打席は空振り三振。だがキャンプ期間中もその後も”軸回転”の打撃は維持されており、ボールカウント1-2と追い込まてながらもインローの球をライト線に引っ張り、これが適時二塁打となった。
九回、先頭で中前打を放つ宇草孔基
適時二塁打を放つ林晃汰
一死二、三塁のおいしい場面で回ってきたのが高木翔斗。七回に坂倉将吾の代打で中前打を放ちそのままマスクをかぶったあと、八回の守りでは内間拓馬の球を止めきれず、バッテリーエラーで先制点を献上した。さらにとのあと救援した塹江敦哉の時に押し出しとなり、汚名返上のチャンス!
初球スライダーを見逃してストライク、2球目は外の真っ直ぐボール球、3球目のスライダーをファウルにして追い込まれながらも、4球目インローの厳しいスライダーを見事、センター前に弾き返す2点タイムリー。九回裏の楽天の反撃も塹江敦哉との共同作業で振り切って、チームの勝利に貢献した。
なお、この日の試合前練習で最後に打撃練習をしたのが高木翔斗と矢野雅哉。しかし予定の回数を終えないまま「打撃練習終了です」の場内アナウンス…それでも執念の一打!新井監督がいかにも気に入りそうなキャラだ。
メディアは(ひろスポ!もそうだが…)やたら田村俊介をクローズアップしたがるが、同期入団二十歳の高木翔斗にも意地がある。3年目の飛躍を見据えて鈴木誠也にオフの合同トレを自ら申し込んだその勇気、そう大事なのは前に出る姿勢、いざ未来へ…「時間はあっという間に過ぎていく…」と今やメジャーリーグ中軸打者に成長した SEIYA SUZUKI もそのことを若い選手に伝え続けている。(ひろスポ!取材班&田辺一球)