画像はエディオンピースウイング広島で7月にあったファン感謝デーでスタンドに向けポーズを決めるサンフレッチェ広島レジーナの選手たち
2024広島スポーツ重大ニュース#1〜サンフレッチェ広島レジーナWEリーグ杯連覇!集客力もナンバーワンで国内トップカテゴリー牽引、広島スポーツに新たな女子力の風…
サンフレッチェ広島レジーナが12月29日の2024-25 WEリーグクラシエカップ(以下、WEリーグ杯)決勝でINAC神戸レオネッサを0-1のスコアで押し切り連覇を果たした。
特筆すべきはサンフレッチェ広島レジーナのその勝負強さとは反比例する活動期間の短さだろう。他の大多数のWEリーグ勢とは異なり、クラブの歴史が際めて浅い。
WEリーグ(2021年9月からスタート)”参戦”に向け2020年10月、サンフレッチェ広島関係者は紆余曲折の末に女子チームを創設した。もちろんその時点では、監督も選手もいないし、だいたいチーム名も決まっていなかった。
初めて初代メンバーが練習場に集まったのはWEリーグ開幕が半年後に迫る2021年2月15日のことだった。
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これらの記事を読んでもらえれば分かるが、今回WEリーグ杯連覇を果たしたメンバーは初代メンバーとそのあと”広島移住”したメンバーの”ベストミックス”となっている。
短期間のうちにWEリーグ杯連覇を可能にする地力を貯めこむことができたのは、ひとえにピッチ内外のクラブ関係者の高き志と情熱と結果にコミットするスカウティング力の賜物である、と言えるだろう。それはクラブにとっても、サポーターにとっても、選手にとっても、そして地域にとっても”よし”の四方よし…
2024-25 WEリーグクラシエカップ決勝(12月29日午後1時キックオフ、国立競技場)
サンフレッチェ広島レジーナ 1ー0 INAC神戸レオネッサ
観衆:21,542人(WEリーグ公式戦最多記録)
得点
33分 上野真実
サンフレッチェ広島レジーナメンバー
先発と交代選手
GK 木稲瑠那★
DF 塩田満彩★
DF 市瀬千里
DF 左山桃子★
DF 藤生菜摘
MF 上野真実★
MF 笠原綾乃→56分 中村楓★
MF 柳瀬楓菜★→72分 瀧澤千聖
FW 立花葉★→17分 小川愛★
FW 松本茉奈加→72分 渡邊真衣
FW 中嶋淑乃★→72分 髙橋美夕紀
ベンチメンバー
福元美穂★、島袋奈美恵★、李誠雅
※★はチームスタート時からのメンバー
ところで、WEリーグでは今回のレジーナWEリーグ杯連覇に合わせて、 野々村芳和チェアのコメントと同時に<WEリーグ公式戦での最多入場者数記録を更新!>の知らせもプレスリリースした。
それによると…
今回のWEリーグ杯決勝の入場者数はWEリーグ公式戦最多を記録!しかもこれまでの1万人台から初の2万人台に乗せた。
WEリーグ公式戦入場者数上位5試合
①2024年12月29日・国立競技場 2万1524人
2024-25WEリーグ杯決勝(サンフレッチェ広島レジーナvsINAC神戸レオネッサ)
②2022年5月14日・国立競技場 1万2330人
2021-22WEリーグ第21節(INAC神戸レオネッサvs三菱重工浦和レッズレディース)
③2024年4月21日・ヨドコウ桜スタジアム 6651人
2023-24WEリーグ第16節(セレッソ大阪ヤンマーレディースvs日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
④2024年5月25日・エディオンピースウイング広島 6305人
2023-24WEリーグ第22節(サンフレッチェ広島レジーナvsセレッソ大阪ヤンマーレディース)
⑤2023年10月14日・等々力陸上競技場 6201人
2023-24WEリーグ杯決勝(サンフレッチェ広島レジーナvsアルビレックス新潟レディース)
上位ベスト5の中にレジーナの名前が3つもある。WEリーグ3強を形勢するINACが2つ、三菱重工浦和レッズレディースと日テレ・東京ヴェルディベレーザがひとつずつ。
WEリーグの歴史の中では新興クラブのレジーナが最も多くの”修羅場”を潜り、最も多くの大舞台を経験してきたことにならないか?
入場者数をさらに見ていくと、WEリーグ3シーズン目の2023-24リーグ戦ホームゲームに最も多くのサポーターを集めたのはレジーナだった。1試合平均で2907人(全体の平均入場者数は1723人)で、4シーズン目を迎えた2024-25リーグ戦ホームゲーム入場者でもレジ―ナは12クラブ中最多の1試合平均2335人をマークしている。この数字はINACの同1804人、ベレーザの同1499人、浦和レディースの同1185人を大きく引き離している。
国内女子スポーツの新たなモデルケースとなるべく「1試合平均5000人」の集客力を目指してスタートしたWEリーグは、1シーズン目から躓き、女性チェアふたりが短命に終わると2023年9月には第3代チェアに野々村芳和氏が選任された。女性力でリーグ運営をするはずだったその理念がグラついているのは、WEリーグが肝心のマーケティングにおいて四苦八苦しているから、だ。1993年のJリーグスタート時のような”ロケットスタート”を目指していたのだろうが、バスるような状況にはなっていない。
そんな中にあって端的に表現するなら「強くて人気のある」レジーナはWEリーグを牽引するポジションを固めつつある。広島の新たな舞台装置として2024・2・1待望のデビューとなったエディオンピースウイング広島、その”平和の翼”の羽ばたきが追い風になっているのは言うまでもない。
強くて魅力的な”女王様”の存在は、明治・大正・昭和の時代から記録にも記憶にも残る幾多の名勝負、名場面を演じてきた広島スポーツの歴史に、新たな”女子力の風”を吹かせることになるだろう。年が明けて2025年1月12日にはレジーナ優勝報告会が予定されている。(ひろスポ!広島スポーツ100年取材班&田辺一球)