画像は2月10日の紅白戦で今季”チーム第1号を放つ二俣翔一
大砲を欠くことで昨季、優勝を逃した広島打線希望の星、二俣翔一がまた打った。
3月5日、DeNAとのオープン戦。二回、先発のケイから横浜スタジアムの左翼ポール際、カープファンの下へアーチをかけた。1ボールからのカットボールを得意の軸回転打法で捉えてみせた。昨季、広島打線が計13イニング柵越えなしに抑えられた左腕を一振りで攻略したかっこうだ。
昨季、待望のプロ初安打、初本塁打をマークした二俣翔一は、しかし終わってみると80試合107打数21安打7打点、打率・196、1本塁打…
内外野どこでも守るアドバンテージを有する。あとは打つこと。何をどう変えていくけばいいのか?ヒントにしたのがDeNA宮崎敏郎の打撃フォーム。シーズンを通じての反省材料を整理しながら昨秋の日南キャンプで新たなスイング軌道に取り組んだ。
結果はほどなく出始めた。11月10日、西武との練習試合(南郷スタジアム)で初回、左腕の杉山遥希の真っすぐを左翼ポール際に叩き込んだ。目指すべき体の軸回転がいい感じになりつつあった。
身に着けたかけたものをオフの間、スイングすることで体に沁み込ませた。
2月1日キャンプイン。新井貴浩監督の方針で、ロングティや連続ティが毎日のように行われるのは願ってもないことだった。
当然のようにスイングの切れ味は鋭くなる。
まず2月10日、紅白戦(天福球場)で赤塚健利から左翼越え、場外に打球が消える一撃を放った。
沖縄に移動するとその勢いは加速した。2月15日のヤクルトとの練習試合(ANA BALL PARK浦添)では金久保優斗の133キロ変化球を左翼越えに持って行った。
さらに2月18日、楽天との練習試合(コザしんきんスタジアム)でも渡辺翔太の外角真っすぐをライナー性の打球で左翼席に打ち込んだ。練習試合での2発はいずれも先頭打者。狙える時には狙う、そして結果もついてくる。
この日もやはり先頭打者ホームランだった。右手小指や左手人差し指を殺して、緩くグリップすることでヘッドの重みをうまく使う。バットの力点、支点、作用点が明確で満振りしなくても打球が飛ぶ。
この先、当然、相手バッテリーの攻めが厳しくなることが予想される。外に逃げる球、落ちる球、のけ反らさせられる球…
首脳陣は期待を込めて今後の対応力を見極めようとしている。
この日、ライトのポジションで”ライバルだった”佐々木泰が右ハムストリングスを痛めてリタイアした。3月1日の楽天戦(倉敷マスカットスタジアム)では二俣翔一がスタメン・ライト、2日の楽天戦(同)では佐々木泰がスタメン・ライト、この日も佐々木泰がスタメン・ライトで二俣翔一はスタメン四番・ショートだった。
末包昇大は極端な打撃不振に陥り、内田湘大も苦戦中。二軍調整中の中村奨成は真っすぐを捉えきれていない。さらに新戦力のファビアン、モンテロも未知数という中にあって、右肩上がりの成長曲線を描くそのバット。3週間後、開幕戦の舞台でも快音を響かせる可能性が高まりつつある。(ひろスポ!球春取材班&田辺一球)
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