風の涼介#3、2012年2月6日「空手”赤”一代」
ルーキーの休日。沖縄キャンプ恒例となった初めての休日、観光地訪問は雨上がりの読谷村、むら咲むらを訪ねた。
観光気分で入場門を潜り、居並ぶカメラの前を横切って、用意されたサーターアンダーギーをほおばる3人。しかし、その先に“まさか”の体験が待っていようとは…。
次に案内されたのが沖縄伝統空手の体験道場。指導員には、英国人ながら「本場」に憧れこの観光施設に滞在中のケビン・チャップリンさん(30)が当たることになった。
空手衣に着替えて登場した土生、菊池、そして野村祐輔。どういうワケか菊池の衣着姿が妙にはまっている…。
道場に入ると、さっそく挨拶のあと実技指導が始まった。時間の関係で実際に挑戦するのは正拳突きだけ。ところが、いざ指導が始まるとかなりの迫力で、実際に突きをしてはみるのだが、これが指導員の目に迫力不足に映ったよう。「もっと気合いを!」とすぐに大きな声が飛んできた。
さらに突きを続けていると、いきなりチャップリンさんの蹴りが菊池の右足に命中…。
「喧嘩と同じ、沖縄の空手は防御が全てだが、ただ防御するのではなく、相手が攻撃できないほどの気迫を出さないと!」と大きな声がまた飛んだ。
さらに野村祐輔に「あなた方は野球選手?野球は分からないが動きの基本は一緒。自然に構えて突く瞬間に重心を一点にかけていく動作を!」と休日なのに、いつの間にかトレーニングさながらの雰囲気に…。
こうした熱心な指導のおかげで最後には「エイ」「エイ」と大きな声と迫力ある突きができるようになった3人。最後にはどの額にも汗が浮かんでいた。
野村祐輔の話 体の力の入れ方が野球に似ている。力を入れるポイントが野球と一緒じゃないかと感じました。全身を使い下から上へ、最後は拳にそれを伝える。高校の時、授業で剣道を選択していましたが、やはり気持ちが体を動かすと思います。今回、沖縄のことを知れたのでこれからは野球に集中したいです。第1クールはいいスタートが切れて、いい雰囲気の中でキャンプができているので気持ち的にはもっと入れていきたい。体ができてきたので、できるだけ早く(ブルペンに)入りたい。
菊池の話 護身だと思っていたのですが、いろいろ教えていただいた。だいぶリフレッシュできたし、体を少し動かせて違ったリフレッシュもできた。守備の方で琢朗さん、監督が教えてくれているので、早く自分のものにしたいですね。
土生の話 先生に気持ちの部分で言われたので途中から気持ちを入れ替えて頑張りました。気持ちがどんどん空手になっていました。沖縄の名産や空手を教わって沖縄のことをたくさん知れたので今度は沖縄で自分の技術を磨きたい。第1クールはいい面、悪い面が出たので、その反省を生かして実戦で結果を残せるよう頑張っていきたい。
この連載は、10年以上、一日も休まずに更新し続けるカープ情報携帯サイト「田辺一球広島魂」で過去に連載したコラムから抜粋してお届けします。
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