昨シーズン、阪神を圧倒したこの時期の甲子園で広島が0-1完封負けを喫した。台風の北上で「先手必勝」のセ・リーグクライマックスシリーズ、ファーストステージは「去年同じ広島にやられているのであす2つで返したいと思います」(福留)という阪神が先に「王手」をかけることに成功した。
大方の予想に反して先発マウンドに上がった前田健太は六回、今話題となっているPL学園の先輩、福留にバックスクリーン弾を打ちこまれたが失点はそれだけ。この日投じた100球目は痛恨の決勝点ながら7回106球で持ち場はしっかりこなしたと言える。
試合前から野村監督は「打線」が勝敗のカギを握るとしていた。そのため、菊地・丸の二、三番の前に誰を置くかが注目された。
広島は9月、10月の勝負どころで一番打者をコロコロと入れ替え、結果的にはそれが”不発”に終わっていた。
フタを開けてみると一番・菊池、二番・丸。レギュラーシーズンでも”禁じ手”扱いだったこの一、二番を野村監督はあえて選択して、その結果ふたり合わせて8の0に終わった。全144戦にスタメン出場した二人でも、大舞台でいきなり違う打順を打たされては本来のリズムで打席に入れなかったのだろう。
二人が出塁しないため四番のエルドレッドが得点圏に走者を置いて打席に入りる場面が一度もなかった。言い方は悪いがレギュラーシーズンは何度も何度も菊池・丸が得点圏に進み、何度かに一度、エルドレッドのラッキーパンチが得点になっていた。
この試合ではシーズン大詰めでほとんどベンチを温めていた堂林が七番サードで起用された。対メッセンジャーは今季13の1の8三振。なぜスタメンに名を連ねたのか理解に苦しむし、堂林を起用したがために一番も打てる田中がベンチスタートになった。
広島は2位確定を賭けた10月1日の阪神戦(マツダ)を2-4で落とし、引き分けでも2位だった6日のレギュラーシーズン最終戦、巨人戦に前田健太を立て1-4で落とした。
要するに大事なここ3試合でたった3点しか奪えていない。すでに辞任を表明している広島・野村監督はあす以降の戦いでスタメンを組むにあたり難しい選択を迫られる。