赤い悪魔をピッチに沈めて浅野と野津田が勝利宣言!(撮影・春木 睦子)
J1リーグ第2ステージ第3節、浦和レッズvsサンフレッチェ広島、午後7時キックオフ、埼玉スタジアム2002
サンフレッチェ広島が4万1,492人のサポーターと日本代表ハリルホジッチ監督が熱視線を送る埼玉スタジアムで「19戦連続無敗」を誇る第1ステージ王者を2-1で撃破!第2ステージ開幕からイッキの3連勝で第2ステージ首位に立ち、年間勝ち点でも浦和レッズに2差と急接近した。
「どっちが勝ってもサンフレッチェ広島が強いことには変わりない…」
”サンフレッズ”と化した浦和レッズとの一戦を前に本気半分。冗談半分!?でそう話す関係者も広島には確かにいるし、冷静に見ればそのとおり…。
と、森保監督以下、サンフレイレブンがそんな話に納得するハズもなく、以下のような戦歴を振り返りつつ、そして”逆転V”を目指すからには第2ステージ最大のヤマ場が早くも訪れた、という大事な一戦になった。
森保監督対ペトロヴィチ監督の対戦成績
2012年3月10日・H 1-0○
2012年11月17日・A 0-2●
2013年3月2日・H 1-2●
2013年8月3日・A 1-3●
2014年3月15日・H 0-2●
2014年8月16日・A 0-1●
2015年3月22日・H 0-0△
今回の”決戦”を前に佐藤寿人は「浦和の記録を止めたい。勝てば年間の勝ち点でも大きな意味を持ってくる。ファーストステージで浦和と対戦した時以上にチームのコンビネーションは良くなっている」と自信をのぞかせていた。
受けて立つ浦和レッズにしてみれば2012年からの計7戦で総失点わずかに3。互いに”決まり手”を知り尽くす中で、守りに集中して先制点をもぎとれば勝機は大きく膨らむと、そう皮算用していたに違いない。
そして、試合はまさにそのシナリオに沿った展開となった。
前半26分、MF柏木からの縦パスを受けた高木が倒され、PKを獲得。おあつらえ向きの先制機…。
だがGK林が右に跳び片手でセーブ。このワンプレーで何かが変わり始めた。
(撮影・春木 睦子)
前半35分にMF関根の7試合ぶりのゴールで浦和レッズが主導権を握ってもサンフレイレブンが浮足立つことはなかった。
今季は何度となく先制された試合や相手の流れになった試合をモノにしてきた。0-1のまま終わる、と考えるサンフレサポーターも皆無だった!?
前半劣勢のサンフレッチェ広島は後半に入ってもしばらくはいいリズムを生み出すことができないまま。すると森保監督が後半20分に最初の交代を指示。12年連続二桁ゴールにリーチのかかった佐藤寿人に代えて浅野をピッチに送り込んだ。
…その2分後、ドウグラスからのパスを受けた浅野が値千金の同点ゴール!レッズの赤ではなく、半分以上が紫色の”盾”に大きな亀裂が生じた瞬間だった。
(撮影・春木 睦子)
すると今度はペトロヴィッチ監督が動く。25分には高木に代えてズラタン、28分には永田に代えて鈴木を投入。
しかし「点を取れば自信になる」と口癖のように話す浅野の動きは凄みを増す一方。後半30分、ドリブルからフィニッシュまで持っていくと39分にもドルブルで中央突破を試み、こぼれ球に後ろから詰めた青山!
(撮影・春木 睦子)
強烈な一撃がゴールネットを揺らして浦和レッズ移籍後、大きく立ちはだかってきたGK西川の”壁”もガラガラと音を立ててその場に崩れ落ちた、と同時に今季9戦無敗のレッズホーム神話も終わりを告げた。
試合後、浅野は「まず1点!絶対に決めようと思っていたけど、勝利に繋がって嬉しい」と話した。森保監督監督は「レッズは最も日本で強いチーム。アウェーで勝てて本当に自信になる」とコメントした。
オセロゲームのように、これで白黒がすべてひっくり返る、というわけではない。しかし、埼玉スタジアム2002のスコアボードに第2、第3のサンフレッチェ広島がその名を刻む可能性はもうゼロではなくなった。
2ステージ制復活元年、最後に笑うのは誰なのか?本家の紫と「最も日本で強いチーム」の赤が交われば、自ずとその色は決まってくるのだが…
浦和レッズのホームに輝く2-1サンフレ勝利のスコア