2点目を奪い応援席に駆け寄る皆実イレブン
第94回全国高校サッカー選手権広島県大会決勝は11月15日、広島市安佐南区の広島広域公園第一球技場で行われ、広島皆実が広島観音に2-1で逆転勝利を収めた。
皆実と観音はこれ以上ないライバル同士の関係にあり、同大会決勝は2002年以降5度激突して観音の3勝。インターハイ決勝は皆実の6戦全勝。さらに新人大会は5戦で皆実の3勝。
直近の大会で言えば、昨年度の新人大会決勝は観音が1-0で勝利。今夏のインターハイ県予選決勝は皆実が1-0で勝利して全国大会ベスト8に進んでいる。
互いに負けられない一戦は秋晴れの下、メーンスタンドに満員の観衆を集めてキックオフ!
前半5分、観音はキャプテン合川のCKをFWの神車がゴール正面左45度、5メートルから頭で叩き込み先制した。
準決勝までの5戦で得点14、失点1の皆実にとっては苦しい立ち上がり…。それでも前半20分にゴール正面左30メートルからの無回転FKを有國が決めて1-1のまま前半戦を折り返した。
観音はシューズを揃えてピッチに声援を送る
後半に入っても観音が押し気味の展開を続けていたが、16分には右からのクロスに皆実のMF藤井敦がヘディングシュート。
さらに20分、中盤からの速攻に持ち込んだ藤井敦は相手GKの動きを冷静に極めて無人のゴールに蹴り込んだ。
左足を振り切る直前の藤井敦
無人のゴールへ2点目が入った瞬間…
負けられない観音はその後、藤井敦を徹底マーク。
皆実ゴールにシュートの雨を降らせたが皆実の守護神、對川のスーパーセーブにも阻まれ流れの中からゴールを生むことはできなかった。
残り時間わずか、観音MF中本のシュートも止められる
タイムアップ寸前に声を出す皆実のGK對川
シュートの数は前半が皆実6本、観音4本。後半は皆実の4本に対して観音は11本…。
観音は皆実の前に3大会ぶり5度目の優勝を逃し、皆実は3大会連続12度目の選手権出場を果たした。
準優勝の観音イレブン
優勝した皆実イレブン
皆実・阿江監督の話
非常に厳しい試合でした。1点先制されて0-1で御の字と思っていたら1-1で帰ってきてくれたのが非常に大きかった。二次リーグでも1点決めているがあの(有國の)シュートは得意の形です。(2点目は)相手がけっこう前掛かりに来ていて相手が(後半11分途中出場のMF)片岡に気を取られてサイドバックがちょっと寄り気味で真ん中が空いていたのでそこに藤井敦仁が飛び出しました。(このチームになって)なかなかうまくいかなくて…。3バックはインターハイの予選のあとからですし、リーグ戦でも大敗したり…。良くなっては大敗という中でいろいろなシステムをやりそういう中で精度が上がってきました。
同点FKの有國の話
きょうの決勝は絶対に自分が点を決めると試合前からずっと思っていました。だから決めるしかない、と強い気持ちでいけました。自分たちはこういうサッカーをするんだ、ということをみんなが徹底してチームとして成長してきたと思います。全国ではインターハイのベスト8以上を目指したいですね。
決勝ゴールの藤井敦の話
ゴールという形でチームの勝利に貢献できて嬉しかったです。パスを出してくれた(藤井)陸さんはいつも自分を見てくれていて練習でもいつもパスをくれるので、それで自分もうまくファーストタッチして点に繋がったと思います。ゲーム前、1点を取られても逆転できる力はあるから焦らずやろう、とみんなで言っていたので落ち着いてプレーできました。