広島市などの要請によって「早期実現」目指して立ち上げられたサッカースタジアム検討協議会では、永田靖委員 (画像中央、広島経済大学経済学部教授))、野村尊敬委員(画像右端、公益財団法人広島県サッカー協会 名誉会長)らが「エディオンスタジアム広島はサンフレッチェ広島のホームスタジアムにふさわしくない状況なので、この委員会がスタートしたはず」と主張した。しかし「エディオンスタジアム広島並びに広域公園」を「スタジアム候補地」から外さない、とした複数の委員が反論、話し合いは空転した。
11月22日にエディオンスタジアム広島で開催されるサンフレッチェ広島対湘南ベルマーレのJ1第2ステージ最終戦はチケット完売となった。3万人を超えるサポーターが押し寄せるはずだ。
ここにきて新聞、テレビなどでは「混雑が予想されるため公共交通機関の利用を!」と懸命に呼びかけている。
ひろスポ!では11月10日、以下の記事をアップした。
「11・22、サンフレッチェ広島ホームJ1最終戦チケット完売、周辺道路大渋滞の懸念、でサポーターは自己防衛を!」
実際、クラブ担当者に確認しても「公共交通機関利用」以外に確たる策はない。「なるべく時間差を意識した来場を!」という厳しい状況にある。
ただ、上記記事ではあえてそこには触れず、サポーターに自己防衛を!とした。
国内にある大規模スポーツ施設の中には3万人クラスの集客でいちいち「公共交通機関を…」と呼びかける必要のないスタジアムはいくらでもある。
実際、広島でさえも「旧広島市民球場が満員になるから公共交通機関で…」とはならなかった。
こういう状況にあること自体、エディオンスタジアム広島はJ1開施設としてふさわしくない。新サッカースタジアム構想が持ち上がった大きな理由にもなっている。
さらに言えば、J1開催施設としては見劣りする部分が多々あるエディオンスタジアム広島は、すでに全国のサポーターからも国内最低レベルの評価を受けている。
それでも広島の新スタジアム建設構想は一向に前進しない。何度も専門の協議会などが立ち上げられたが「何万人規模か」すら決まっていない。 ただ「3万人規模が適正ではないか?」という声が今は”軸”となりつつある。
ならば、今回は…
3万人が日曜日のエディオンスタジアム広島に集まればどんな問題点があるのか?
…を調べる絶好のチャンス!
だが、”ここでも”広島市が「交通調査に乗り出す」という動きはまだないようだ。
先に実施された新サッカースタジアム建設候補地のひとつ「広島みなと公園」周辺での交通調査がどれほどのものかは不明だが、比較検討の際の参考になるのは間違いない。
行政が手をこまねいているなら、各メディアが独自の手法で検証する手もある。
同時に現在の新スタジアム建設に向けて話し合いを重ねた「サッカースタジアム検討協議会」の中で「エディオンスタジアム広島でのJリーグ開催続行」にこだわりを見せていた 三浦浩之会長 (広島修道大学人間環境学部 教授) 、塚井誠人委員 (広島大学大学院工学研究院 准教授)らはぜひ現地を訪れ、協議会での意見交換の内容と現状との整合性を確かめるなど、広島市、広島県、広島商工会議所に提出した「提言」内容を精査する”フォロー”が必要になるだろう。
新サッカースタジアム取材班