3/3/3発表、サンフレッチェ広島の久保允誉会長発表プランのパース、二宮氏は「主たる利用者のサンフレの意見が反映されないのは不思議」とここまでの3者会談、作業部会の手法に疑問を投げかけている。
中国新聞3月14日付24面に、「実現性第三者委員会で検証を」「試算比較時間かけて」の見出しで、スポーツジャーナリスト、二宮清純氏の提言が掲載されました。
その冒頭で二宮氏は「候補地の選考過程は透明であるべき」とし、「主たる利用者のサンフレの意見が反映されないのは不思議」、「サポーターや県民、市民の声も反映されないといけない」と指摘されています。
また提言は「地域の宝を傷つけず、生かせる形」での議論を訴え結ばれています。
二宮氏は2004年の近鉄球団消滅に続く”広島球団消滅の危機”に際し、広島の財界トップら関係者に「新球場建設問題」(今のマツダスタジアム)についての助言を行うなど、常に広島スポーツを温かい目で見守り続けています。
サッカースタジアム問題広島だけの問題ではありません。二宮氏ら、県外から、あるいは中央から広島を見る目も多くある、ということを関係者は強く意識する必要があるのではないでしょうか。
そうなった場合、地元がどうこう…などという地方の論理だけでは片付かなくなってくることになります。
3/3/3発表の久保允誉会長案は、県外へ向けて、国外に向けても十分に通用するグランドデザインが用意されています。広島みなと公園の場合、それはゼロと言っていいでしょう。
ひろスポ!にも、「地域の宝」とどう向かい合うべきかを訴える声がたくさん届きます。
関係者のみなさんへ、ぜひ知ってもらいたい内容のメールをもう一度、紹介します。今回の中国新聞の記事と合わせ、て熟読していただければ、と思います。
広島新サッカースタジアム取材班
ひろスポ!様
サッカー専用スタジアムの熱心な記事をいつも読ませていただいています。 最近のマスコミ等のスタジアム報道などを見て長文になりますが、思っていることを投稿させてもらいます。
久保会長の記者会見で、市と県はサンフレッチェの経営のことを理解していないことがよくわかった。
県知事は「経営が成り立たないようにはしない、誤解がある」との報道がされたが、成り立たないとはどこまでのことを言っているのだろうか。
収支トントンにするために補助金を支出するとでも言うのだろうか。
そのためには、選手の人件費を圧縮させ、支出を切り詰めさせ、できるだけ赤字を少なくし、その赤字なら補填するというのだろうか。
またも身の丈にあった経営を強いることになるのではないだろうか。
それとも建設費の借金はいらないということか。球場使用料は取らないつもりだろうか。
単年度赤字、2年目から債務超過になったら県が補填するつもりなのか。
県知事が変わったらそんなことはできるはずがない。
はたまた、複合施設の収益でカバーできる算段か。取らぬ狸の皮算用になるのではないか。
県知事は「経営が成り立たないようにはしない」とはもっと具体的に説明して欲しいし、なぜ旧市民球場跡地ではいけないかの説明が明確になされていない。
そもそも市と県はサッカーと野球を同じように考えているふしある。
野球はたった6チームのリーグで国内で完結するため、毎年同じことの繰り返しで、弱かろうが強かろうが現状維持でも構わないが、サッカーは参加クラブが多い上に、下位のリーグに落ちることもあって優秀な選手を常に持ち続けておかないといけない。
さらに、世界に門戸が開けていて目指すところが野球と違って選手のモチベーションが違う。
現在のように、集客が見込めないようなところに建設して、身の丈にあった経営を強いられては、取りたい選手も取れず、良い選手はサンフレッチェから移籍してしまう。(ドウグラスの移籍金が支払えず手放している。)
そうなれば、さらに勝てなくなって J2,J3に落ちてしまい、閑古鳥が鳴くスタジアムが残るだけになる。
現在の経営のことではなく、サンフレッチェの将来を見据えてスタジアムを考えないといけないと思う。
サッカーは政治経済にも影響を与える世界中で行われているスポーツであり、サンフレッチェが昨年のようにクラブワールドカップに出場して活躍すればあっという間に世界中の人々に広島を知ってもらうことができる。
残念ながらカープが優勝しても、世界中の人々は何の興味も関心ももたない。
将来的にはアジアチャンピオンズリーグも開催され、外国クラブとの国際試合も増加し、国際交流も活発になっていく。
サッカーは瞬く間に世界中にニュースが流れ、サッカーを通じて都市の情報発信や観光、ビジネスとしても役に立つ。
アジア各国からサポーターやマスコミ関係者、観光客などがやってくれば街中が賑わっていく。
他都市も同様であり、国内のサッカークラブの競争は今後激しくなっていくだろう。
特にいい選手を集めることが重要になり、当然いい選手の獲得資金が必要となるが、そこで問題なのが経営だ。
サッカーは野球と違い世界が相手となる以上、それなりの選手がいなければ戦うことはできない。
経営が安定して、選手にお金をかけることができないと、選手が流失しチームは弱体化して集客力が落ち経営が成り立たなくなってしまう。
Jリーグは土・日開催が基本だが、ナビスコカップとACLは平日開催に開催される。
ACLに出場した場合、Jリーグのゲームが平日開催に移され、平日の国際試合(ACLなど)や平日のJリーグ、平日のナビスコカップなどに客が集まらないと収益が上がらない。
アクセスが悪い宇品だと中央あるいはJR沿線から南の端まで行くのに時間がかかり、交通渋滞が起きたり、路面電車やバスだと輸送力が心配される。
特に試合が終わった帰りは長時間並ばないと電車やバスに乗れなくなったり、渋滞や人の滞留が起きたら早く帰宅できず、翌日の仕事などに影響すれば、観戦し難くなる。
土・日の開催に限らずアクセスの問題が起きたら集客に直接影響が出る。
大分のように観客が入らず閑古鳥が鳴くスタジアムだけが残ることにもなりかねない。
そうなると広島は都市としての賑わいや活力、魅力で他都市に負け、世界中からの観客を取り込めず、広島を世界にアピールできなくなるし、スタジアム建設費の回収もできなくなる。
将来性がなくなれば選手スタッフごと他都市あるいは他クラブに身売りということも考えられる。
サンフレッチェは選手育成強化やクラブ運営のノウハウは日本屈指だろうから、ぜひ来て欲しいという都市はあるだろう。
宇品に決まった場合、エディスタを当分使うとのことだが、集客力に難がある上、周辺の駐車場が使えなくなってくれば集客が落ち将来性はなく、早晩サンフレッチェは進退を迫られることになるのではないか。
広島からサンフレッチェが出て行く可能性もあると思う。
広島市内在住
※文中の太字は広島新サッカースタジアム取材班によるものです。