オバマ大統領が平和記念公園を訪問する3時間前の広島電鉄「原爆ドーム前」電停。この右手側が旧広島市民球場跡地、左手側が原爆ドーム。
広島みなと公園へのサッカースタジアム建設は「利権とカネの匂い」それでも湯崎知事、松井市長は「決まったこと」と協議に応じず…と、News Picks報じる
オバマ大統領の広島訪問で全国と世界の目が広島に集まる中、”ひろスポ!と同様の視点”で、5・27オバマ・デーを報じる中央のメディア出てきた。オバマ大統領の広島訪問と同様に歓迎すべきこと、である。
「ユーザー数100万人突破!2015年度満足度No.1ニュースアプリ」と言われる「News Picks」に5月29日、「なぜサッカースタジアムを建てないのか?」「オバマ訪問で沸く広島。旧広島市民球場をめぐる「仁義なき戦い」」のタイトルで、広島のサッカースタジアム問題にフォーカスしたコラムが掲載された。
newspicks.com/news/1579235/body/?ref=series
コラムに対するコメント
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執筆者は、ジャーナリストで日本経済新聞編集委員も務めた大西康之氏。
コラムの中で大西氏は「森保監督もファンも」広島みなと公園案には「反対」と記し、「利権とカネの匂い」についても言及。「それでも湯崎英彦知事と松井一実市長は(広島みなど公園案は)”十分な議論を尽くして決まったこと”と言い、久保氏らサンフレッチェ側との協議には応じない」「民間が金まで用意して”自己責任でやりたい”と言っていることを、県と市はなぜ認めないのか」「ここまでかたくなだと、痛くもない腹を…」と指摘ている。
東京からの視点で広島のサッカースタジアム問題に切り込むなら、ここらあたりが限界か?ならば我々、広島のメディアの手で「痛くもない腹」かどうか、その先を取材していく必要がある。
すでに宇品界隈からは「広島みなと公園推進派は、もうスタジアムはどうでも良くなってしまったようで、ただ広電の移転に固執しているようにさえ感じます」との声がひろスポ!に届いている。
実際、記者会見の場で松井市長が「広電」の宇品での今度の展開について、不自然とも取れる話の展開の中で、サラッと触れたりもしている。我々、広島新サッカースタジアム取材班がその瞬間を見逃すはずもない。
「利権とカネの匂い」の見出しは、アメリカの現役大統領が初めてその足で踏みしめた広島の存在意義とは対局にある。
そのことに今後どれだけのメデァアが着目し、また取り上げ、それがどれだけの市民、県民の声となるか?
このまま「広島みなと公園」で”強行突破”となるのか、それとも戦前にスポーツ王国と呼ばれ、戦後71年で人々が積み上げてきたモザイク模様の広島の、ひとつの集大成とし、旧広島市民球場跡地のサッカースタジアムが形になるのか…
6月、広島市議会と広島県議会がサッカースタジアム問題で紛糾することは目に見えている。しかし、オバマ大統領が訪れたあとの広島は、世界とどう向き合い世界の人々をどう迎えるか、という視点をより深いものとして、進むべき道を探るその姿勢にも、“change”(変革)が求められているような気がしてならないのだが…
広島新サッカースタジアム取材班
大西康之 1988年早稲田大学法学部卒業、同年、日本経済新聞に入社。編集局産業部で食品、鉄鋼、コンピューター、自動車、商社などの業界を担当。98年から欧州総局(ロンドン)駐在、2004年から日経ビジネス記者、2005年同編集委員、2008年日本経済新聞産業部次長、12年産業部編集委員、15年から日経ビジネス編集委員。2016年からフリーのジャーナリストに。 あらゆる産業分野をカバーし、人物を中心に現代のビジネス・シーンを鋭く切り取る。著書は「稲盛和夫最後の闘い」(日本経済新聞出版社)ほか多数ある。