頭の中で「想定問答集」を”復習”中かも?の杉山スポーツ文化部長
広島のサッカースタジアム問題は端的には広島市がどうしたいか?どうするか?という問題である。
すでにひろスポ!で示してきたとおり、ガンバ大阪なら吹田市、ギラヴァンツ北九州なら北九州市、京都サンガなら京都府、みんな自治体がリーダーとなり、スタジアム建設の音頭を取っている。
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この2014年秋の時点から2年以上が経過して広島のスタジアムは事実上”影も形も”見えない。一重に広島市の努力不足、である。
鍵を握る広島市議会の動きに批判的な声もよく耳にする。だが市議会では活発なやりとりを続けてきた。それに広島市とそのトップである松井市長が耳を貸そうとしない。その空虚な市議会でのやりとりの様子がなかなか市民に伝わらないのはメディアがタイミング良く取り上げないからだ。
東京都が抱える豊洲市場問題、東京五輪問題は連日、メディアが報じるためほぼ”丸裸”にされた時期もあった。だが、それも長くは続かない。人々の関心が薄れたとたんメディアは取り上げなくなる。視聴率が下がり、新聞の売れ行きにも影響するからだ。
しかし、中には克明に今の広島市議会の様子を伝えるメディアもある。日刊広島新聞社発行の「日刊廣島」はそのひとつ。同社に許諾を得て同紙10月21日付紙面の一部をそのままこの場で紹介する。
広島市議会Pick Up
九月二十九日総務委員会
サッカースタジアム問題で議論沸騰
サッカースタジアム検討に係る知事・市長・商工会議所会頭及びサンフレッチェ広島会長による四者会談の意見交換の概要説明があり、質疑応答があった。
木山委員 サッカースタジアム検討協議会で建設候補地が旧広島市民球場跡地になれば、広島市が策定する利用案と市は説明したじゃないか。そういう風に手順を踏んでやらないといけない。どうしても一歩譲って中央公園広場が出るのであれば、もう一回会議をしてもらって形をつくる。それならば基町住民にも話ができる。議会にも全然言わない。協議会の事務局に何も言わない。最終的には三者(県、市、商工会議所)で話をすれば何でもいいんだという方向で進めていることに疑問を感じる。
杉山スポーツ文化部長 中央公園広場を整備できるかどうかということについて検討していくわけだが、十月二日を皮切りに丁寧に住民の説明に入っていきたい。当然、議会の方にも節目節目できちんとご説明を報告させていただきたい。旧広市民球場跡地については今サッカースタジアムの候補地がここに決まったということではないので、今三つの広島みなと公園、旧広島市民球場跡地、中央公園広場という候補地がひとつ増えた状況です。まずは中央公園広場にできるかどうか検討し、その上で三つの候補地についてどうかという検討をして、委員ご指摘の旧広島市民球場跡地をどうするのかという議論に辿りつくのではないかと思う。
「日刊廣島」引用はここまで。また次回も引用させていただく。
このやり取りだけを見ても、話はぜんぜん噛み合っていない。総務委員会の木山徳和委員は「どうしても一歩譲って中央公園広場が出るのであれば、もう一回会議をしてもらって形をつくる。それならば基町住民にも話ができる」と最初に問題点を述べている。要は「旧広島市民球場跡地か広島みなと公園か」というところまでは市議会に報告しながら話が進んできたのになぜ、市議会をすっ飛ばしての中央公園案か?と問うている。
これに対して「やっぱり出てきた」とひろスポ!で以前、指摘した杉山部長はまったく返答せず、「議会の方にも節目節目できちんとご説明を報告させていただきたい」と丁寧な言葉ではあるが未来の話に問題をすり替えている。さすが、秋葉前市長の命を受け、課長時代に旧広島市民球場跡地をパワープレーで”ぶち壊した”だけのことはある。
ひろスポ!10月2日アップ記事
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さらに杉山部長は「まずは中央公園広場にできるかどうか検討し、その上で三つの候補地についてどうかという検討をして」と”ダブル検討”の必要性を訴えている。
ここでポイントになるのは、サンフレッチェ広島や市民やサポーターが「ぜひ中央公園でお願いします」と頭を下げたわけではないという点だ。
市と県と広島商工会議所の3者(形の上では広島商工会議所の深山会頭)が勝手に中央公園を持ち出してきて市議会スルーで今のダブル検討の形に、これまたパワープレーでもってきたことがよく分かる。
4者会談が開催されれば話は前進する。そう考えるのが普通だが、このダブル検討はむしろスタジアム建設への槌音が遠のきかねない可能性すら匂わせている。
勝手に広島市の方で話をややこしくしておいて、一方で松井市長がサンフレッチェ広島の関者らを前に立派はスタジアム建設に向け…
「そして検討に当たって、私はポイントを、次のようなことになるんじゃないかと思っております。まず広域的な集客効果を高めるということ、そして地域交流、あるいは国際交流を促進できるようにして国際平和文化都市広島に相応しいものにする、と。これをまず念頭に置きたいと思います。その上で、新たな広島のシンボルとして広島市のみならず広島県全体の活性化に繋がるようなスタジアムの整備ができるようにしたいと、そのために引き続き取り組んでいきたいと思っていますので皆様方のご支援ご協力をぜひよろしくお願いしたいと思います」
…と何を今さら感満載のコンセプトを述べる。
この最後にある「整備ができるようにしたいと、そのために引き続き取り組んでいきたいと思っていますので皆様方のご支援ご協力をぜひよろしくお願いしたいと思います」の文言。
常に自らの考えを述べず、「市民の声、みなさんの声を聞いて」を隠れ蓑にして、そして問題を先送りにする。広島市に関わる関係者は異口同音に、松井市政の現状をそう話ている。
広島新サッカースタジアム取材班