画像はトップ会談で意見を述べるサンフレッチェ広島の久保会長、発言者以外は全員マスク、最悪のタイミングだ
広島の新サッカースタジアム(仮称・中央公園サッカースタジアム)に関わるトップ会談が3月30日、広島市中区であった。
トップ会談は4者会談とも呼ばれており、広島市と県、広島商工会議所、サンフレッチェ広島の4者のトップが基本計画を承認した。
会議は予定より遅れて始まり、わずか20数分程度で終了した。会議直前に”打ち合わせ”があり、表向きは、めでたくしゃんしゃん手締め…となった。
だが、実はそうではない。
画像を見ればわかるが発言者以外は全員マスク…新型コロナウイルス感染拡大の影響が底知れぬ中での「基本計画決定」は、代替わりしているとはいえ、まさに4者トップの責任が問われているのとおんなじだ。
そもそもサッカースタジアム建設構想が具体化されたのは2002年シーズンにサンフレッチェ広島がJ2降格となった直後だ。
クラブでは2003年4月「スタジアム推進プロジェクト」を立ち上げた。
2004年夏、広島東洋カープの新球場建設(マツダスタジアム)決定
2009年1月、広島県サッカー協会が旧広島市民球場跡地へのスタジアム建設を目指す要望書を広島市に提出(秋葉市長)
2009年春、マツダスタジアム共用開始。
2009年11月、湯崎県知事初当選。
2011年4月、松井市長初当選。
2012年8月、県サッカー協会とサンフレッチェ広島、サンフレッチェ広島後援会の連名で県と市にスタジアム建設要望書提出、署名活動開始。
2013年1月時点で署名37万件超え。
そこからだけでも7年…
さらに2015年7月、ひろスポ!の忠告!?を押し切り湯崎知事、松井市長がスタジアム候補地「宇品みなと公園優位」決定…
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そしてコロナった(こうなった)。要するに資金集めの面で最悪のタイミングでの「基本計画決定」となった。
スタジアム建設の主体となる広島市は2020年度内に設計と工事を合わせて行う事業者を選定する。その際には当然、資金面の詳細も盛り込まれる。
スタジアムとその関連施設の建設に向けての資金調達方法は個人からの寄付、サンフレッチェ広島やマツダなど企業からの寄付、国からの補助金、県と市の財政から賄われる。
が、肝心の地元企業からの寄付が新型コロナウイルスによる世界経済縮小の下ではまったくおぼつかない。マツダ城下町でさえ”操業停止”に追い込まれている。
4者はこの最大の難関を突破するにあたり、何等かの秘策でも用意しているのだろうか?
4者の中で世代交代せず、すっとスタジアム建設問題と向き合ってきたのはサンフレッチェ広島の久保会長ただひとり。
あとの3者の、かつてのトップを今更恨んでもすべては終わったこと。
「だから早く、と言ったのに…」そんな声があちこちから聞こえてきそうだ。
けっきょく行政側の不始末のツケは利用者(市民・県民・サポーター、県サッカー協会、サンフレッチェ広島ほか)が払わされることになる。
資金関連のコメント
―地元企業からの寄付について
広島商工会議所 池田会頭の話
非常に新型コロナウイルスの関係で企業の業績、収益環境が厳しいというのは承知しています。ですから先ほど市長が申し上げたとおり、どこから始めるのかこれから少し議論しないといけない。こういう時に企業にお願いしますというのもいかがなものかと思います。そのへんのタイミングが非常に重要。
サッカー場ができるのは2024年です。事業年度は4決算期あるわけで、そのあたりを含めましてお願いしていきたいなと。そういった時間軸も使っていきながら寄付をお願いしたいなと考えています。
―県と市の負担割合について
湯崎知事の話
えーこの、えースタジアムの具体的な姿を描く中で議論していくことが必要になっていくと思います。えー、県民のみなさんに歓迎してもらえるように、そういう中身についても進めていきたいと思います。(ひろスポ!注・非常に歯切れが悪く、何のことかわかりづらいし短い…)
松井市長の話
設計施工業者の方の募集をかける段階では、こういう条件設定でこうやるんだということをお見せします。そこまでに資金計画を決めなければいけない。そのスケジュール感の中で、決まっていくと思っています。
その際、最終的には中央公園を含めて出来上がるスタジアムの内容について活用できる国の補助金を取り込む、こういうこともみなさんの意見を入れながらうまくお金を用意するというのが重要だと思っています。
そして、民間資金について、現在の状況では寄付と言われてもみなさんもなかなか難しいでしょうから、長期に渡って新しい資産を作る、そしてみなさんがそれを使っていろいろな意味でよくなるんですよ、ということをお話して何回かに分けてでもトータルの予算を出していただく。
そしてその残りの部分についてまた県市の役割をね…こういうフレームワークだと思うんです。今どれだけの具体額ということは申せませんけど、公募をかける時にはみなさんに(県と市の負担割合いも含めての資金計画を)お示しできるのではないかと思っています。
ひろスタ特命取材班
※この項つづく…