新型コロナウイルス禍における阪神と広島…(画像は甲子園)
プロ野球の阪神と阪神甲子園球場が日本高校野球連盟に加盟する野球部の軟式と硬式の3年生全部員を対象に、「甲子園の土」キーホルダーを贈ることを発表した。
発表は6月8日。
ひろスポ!が以下の記事をアップしたのは6月7日…
大阪の吉村知事、タイガース球団は高校野球代替大会をアシスト、広島の湯崎知事やカープ球団は声を上げず、高校野球締め出し続くマツダスタジアム
hirospo.com/pickup/66030.html
阪神は藤浪晋太郎投手らの感染で味噌をつけたが、矢野燿大監督(51)や阪神ナインは市民・県民目線でいろいろな発言や行動をしてきた。
その流れは力強いものだったようで、今回、大きなアクションに行き着いた。
ひろスポ!では早くからプロアマの垣根を越えて…と提案してきたが、それはこういうことを指す。
5月20日にひろスポ!がアップした以下の記事…
広島の夏、また不条理に泣く…豪雨災害に続くコロナ感染拡大、夏の甲子園と広島大会中止で求められる”超法規的措置”
hirospo.com/pickup/65626.html
…この記事の中で次のように記した。
広島県高校野球連盟(山田剛司会長)では、新型コロナウイルス感染防止対策を念頭に、3年生の”発表の場”を何とか実現できないか、関係各所とともに調整中だという。広島には誰もが憧れるマツダスタジアムがある。そしてカープがいる。プロアマ規定の枠を超えた超法規的措置はとれないか?インターハイもない、夏の甲子園もない。しかし高校3年の夏は一度きり、だ。
矢野監督や球団職員らが心を込めて、自分たちの手で土を集めてそれを将来も野球と関わっていくであろうたくさんの”仲間たち”に贈る。
………
広島はこの夏で被爆75年目を迎える。
平和な世にあってもコロナのような”災害”は起こる。2年前の夏には未曽有の豪雨災害で広島県もズタズタになった。
その時、高校1年生だった男女にとっては最後の夏だ。野球以外のスポーツ、文化的活動、みんなそうだ。
矢野監督は「何かしたいというみんなの思いがあった。今回その思いを実現できるのは阪神ならではのことだと思った」と話している。
広島の佐々岡真司監督は厳しさと優しさを併せ持った指揮官だ。だが広島球団やマツダスタジアムの持ち主である広島市も動かないと甲子園のように形にはならない。
75年目関連で言えば広島東洋カープも70周年。その歴史の中で最も大きなものは3年連続最下位からの1975年の初優勝。
その”魂”は同年最初にチームを率いたジョー・ルーツ監督の「赤ヘル」導入と、「優勝するためにこの練習をする」「優勝のためにミーティングをする」などの意識改革の強力な推進だった。
しかし選手の方は、英語でまくしたてるその熱さについていけるほどの準備はできていなかった。
だからある時、ルーツはこう言ったという。
「カープの選手諸君、君たちはカープの仕事が何なのかをまったく理解しないままプレーしている」
「カープを応援してくれる人たちが心から喜んでくれて、そして気持ちよく自分たちの仕事をしてくれる。そういうことがひとつひとつ重なって、この広島の街や地域が活性化していくということを考えたことがあるか?そういう雰囲気を作っていくことこそがカープの使命なのだよ」
(広島スポーツ100年取材班)