スタンドは無観客も、ピッチでは熱戦を展開、SRC広島のMF横路を止めにかかる福山シティFCのDF植田、植田が先制点を挙げたあとの一コマ
MIKASA CUP全広島サッカー選手権大会決勝大会 兼 天皇杯JFA 第100回全日本サッカー選手権大会県代表決定戦(公益財団法人 広島県サッカー協会など主催)の決勝が8月23日、広島市安佐南区の広島広域公園第一球技場であり、福山シティFCが大会5連覇を狙うSRC広島を3-0のスコアで押し切り初優勝した。
備後勢の優勝は2012年の福山大学以来、8年ぶり。試合はリモートマッチ(無観客)で行われ、ハーフタイムにボールの消毒を行うなど新型コロナウイルス感染拡大防止に万全の対応がとられた。
試合は前半から福山シティFCペースで進んだ。その動きは個人のフィジカルでも、パスワークでもゲームメイクでも前回王者を上回った。
昨年の決勝と同じ顔合わせ。受けて立つSRC広島にとっては予想外の入りになった。
前半20分のフリーキックで福山シティFCが先制した。DFの植田がこぼれ球に反応してペナルティエリア内左から確実に蹴り込んだ。
先制してからの福山シティFCは自陣で長くボールを繋ぐシーンが多くなった。SRC広島は経験豊富な選手を揃え、司令塔のMF前原主将のスルーパスは大きな武器となっているが、攻め手を欠き、ほとんど中盤にボールが寄ってこないまま前半を終えた。
ハーフタイム。SRC広島の菊地監督のコメントは…
「単純にボールを回されている。まず、中盤を超えてどうにでもやれるように。そこまで運んで欲しい。もう中盤ではサイドチェンジを再三繰り返してロスしないように…」
…だった。
後半は開始2分で雷のため約2時間も中断した。
再開後はSRC広島が相手ゴール前で展開するシーンが増えた。しかし、決定的なシュートが打てない。
迎えた後半29分、福山シティFCはMF磯江が逆に右から左へサイドチェンジ。MF高橋の折り返しをMF田口が泥臭く頭で押し込んだ。
福山シティFCは残り時間わずかとなる中、MF太田の見事な直接フリーキックで3点めをもぎとり、初優勝に華を添えた。
試合後の福山シティFC小谷野監督
雷雨の影響で試合が止まったりしていつもどおりのゲームができなかったですけど、初戦も含めてかなり難しい試合が続いていたんで、それを乗り越えた選手たちを改めてほめたいなと思いました。(コロナによるクラブ経営の危機もあり)クラウドファンディング、スポンサー様のご協力があって、我々はこのピッチに立てているんで、ファン、サポーターの思いも背負い、また全国大会に向けて準備したいと思います。
広島王者となった福山シティFCは第100回天皇杯に出場する。今大会は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、全国を8ブロックに分けて行われ、1回戦は9月16日に始まる。
福山シティFCは9月30日(水)に山口県代表のバレイン下関と対戦する。
福山シティFC
福山シティFC先発
GK 平田陸
DE 田中憧、植田涼吾、高田健吾、徳永椋太
MF 曽我大地、隅田航、磯江太勢、高橋大樹、田口駿
FW 吉井佑将
SRC広島
SRC広島先発
GK 相原剛
DF 松岡祐介、吉浦涼太、川井裕哉、咲賀翔平
MF 前原翼、炭廣翔、國師龍也、横路翔太、山田帆久斗
FW 仁井野巧
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