地域と共に、みんなの広島スポーツ交流マガジン

【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア > サンフレッチェ広島 > 広島サッカースタジアムや旧陸軍被服支廠問題で歩み寄らぬ湯崎知事にネット上でも厳しい声、松井市長は2014年大規模土砂災害に続く「大規模災害級」コロナ禍に市民を晒す
2020年12月31日
編集部

広島サッカースタジアムや旧陸軍被服支廠問題で歩み寄らぬ湯崎知事にネット上でも厳しい声、松井市長は2014年大規模土砂災害に続く「大規模災害級」コロナ禍に市民を晒す

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
新型コロナウイルス 土砂
  • 3

    飛翔会

  • 2

    ダグ

  • レッドヘルメット

画像は4月3日撮影、広島市安佐南区の大規模土砂災害に見舞われた八木地区

 

コロナ禍でまったく話題にならなくなった広島のサッカースタジアム建設問題。とうとう“続報”がないまま2020年の大晦日を迎えた。

コロナ禍にあって広島県、広島市ともに国内でも最大級の感染拡大が止まらない。

「このままでは医療崩壊が現実となる」県医師会など医療関係4団体の会長が広島県庁で12月29日に共同会見を開いた際の言葉だ。

広島を舞台としたコロナネットニュース読者コメントからは、湯崎知事と広島市の松井市長に対する厳しい声が多く確認できる。

広島ツートップの不仲は以前から言われていたが、9月1日付中国新聞などに「サッカー場建設費」「広島市と県負担44億円ずつ…」と報じられた前後から、いっそう疎遠なものとなった。

実は湯崎知事、松井市長、広島商工会議所の池田会頭、サンフレッチェ広島の久保会長が意見交換するサッカースタジアム建設促進会議(2019年5月発表のサッカースタジアム建設の基本方針の中に明記)が8月21日に広島市中区のアステールプラザでメディアも入れて開催されるはずだった。しかし直前で、非公開となり、カメラも記者の目もないソーシャルディスタンスたっぷりの会場で湯崎知事が松井市長に長々と異を唱えた。

バトルとなることが分かって非公開に切り替えたのだ。

湯崎知事は広島市の県に対する説明は不十分で、しかも広島市だけで事業者選定などスタジアム機能を左右する事項を決めていくという流れに最後まで納得せず、しゃべり続けた。

このことはどこも報じていない。非公開だから当然だ。報じることができるのは、ひろスタ特命取材班だけ…だ。(すでにひろスポ!では報道済み)

9月2日には湯崎知事の負担割合「白紙」の言葉がメディアで強調された。3日にあった広島市都市活性化対策特別委員会では、4人の委員が「県と調整しないまま発表したのか」などと市担当者に尋ね、あるいはもっとやり方があるのでは?と問いかけた。

9月10日。広島県議会の中本議長が湯崎知事に広島市との関係を「見つめ直し、互いに協力態勢を…」と要望した。こんな話、聞いたことがない。末期症状? ひろスポ!も真っ先に湯崎知事の解体ありきの姿勢にNO!を唱えた旧陸軍被服支廠保存問題でも、両首長はこの時期ガチンコ状態だった。

10月2日、広島市役所で市が設計と工事を一括発注する事業者選定のための審議会初会合があった。

11月19日、県議会総務委員会にスタジアム関係の素案が出された。ここでも委員からは「県全域への波及効果が伝わってこない」など批判的な声が上がった。

こうした動きにオーバーラップするかのように市民・県民の「コロナ禍の今、スタジアムいらないでしょ」の声のトーンが上がり始めた。生きていくための策が最優先なのは当然だ。

だが、建設計画を散々先送りしてきたのは正に松井市長と湯崎知事であるから、その責任は当然負うべきだ。まさか、その負荷に堪え切れず、仲たがいしたままフェードアウト…?

 

ひろスポ!関連記事
年度末、中央公園サッカースタジアム4者会談で一度も目を遭わせない松井市長と湯崎知事、街の活性ばかり強調する池田会頭、そんなんで大丈夫?(2020年4月20日掲載)

 

サッカースタジアムや旧陸軍被服支廠で冷え切ったふたりの関係は11月以降、国内ワーストレベルとなった広島県と広島市の新型コロナウイルス対策で後手後手となって図らずも露呈した。失った命は戻らない。取り返しがつかない。

ネット上にも「佐々岡監督と一緒で市長、知事は動かない」(※ひろスポ!注・佐々岡監督はちょっと違うかと…)「知事原稿棒読み会見」「夕方ニュースの知事何が言いたいのかわからん」などの声が上がる。湯崎知事は新聞、テレビに出ているからまだ人々の目に止まるが、松井市長に関しては「松井市長は最近見ない」というのだから悲惨だ。国→県→市の流れに松井市長は乗っかっているだけか?

実はこうなることもまた、ある程度予想できた。松井市長は2014年8月の未曽有の土砂災害を人災に変えてしまった責任を取らず、強弁を貫き通した。反省なし。ゆえに、またやった、という訳だ。

 

広島市では12月18日、直近1週間の10万人当たりの新型コロナウイルス新規感染者数が20政令指定都市の中で全国最多となった。この時、県と市の両医師会は緊急記者会見を開き「大規模災害に匹敵する緊急事態」と発言した。

そう、そうなることを十分に予想して想像力を働かせ準備していれば、年末年始に病院や宿泊施設に入れない感染者が大勢、自宅などで待機する、あるいはその生命の危機にさらされることもなかったはずだ。

誰がその責任を取るのか?

 

ひろスポ!関連記事をこのタイミングでもう一度、掲示する。4月の広島でのこうした出来事がすでに大晦日の悲劇的な広島の状況を暗示している。何度でも同じミスを繰り返す。

ひろスポ!関連記事
当事者意識希薄?な松井市長、コロナ緊急会見は午後8時過ぎから、「非公開」連発で「我々に任せて」と担当局長、任せた結果大規模災害忘れたか!(2020年4月3日掲載)

 

画像は古川沿いの桜越しに八木の土砂災害現場を撮影、その数時間後、広島市は4人の新型コロナウイルス感染者を発表した(※ひろスポ!注釈・この文言は写真説明、以下上記記事本文)

ひろスタ特命取材班では4月2日午後3時ごろ、広島市安佐南区で数枚の静止画を撮影した。

古川に沿って続く桜並木。花見の市民の姿が確認できる。そして桜の枝のその先には2014年の未曽有の土砂災害に襲われた八木地区。今も災害復旧工事は続けられているが失われた命や財産はもうもう戻ってこない。

14年8月19日午後9時過ぎ。誰でも見ることができる広島市の雨雲レーダーには、それまで見たこともないような形状の強い雨雲(線状降水帯)が確認できた。大雨警戒警報が出ていた。大変なことになる、と素人目にも予測できた。

こうしたイメージを自治体トップや関係各所の実務者がどれだけ持てるか否か、が命運を左右する。例え流川で一杯やっていても、即座に緊急モードに切り替えないとダメだ。流川は氾濫しない。

それが広島市の各々の部署では実践されなかった。イメージ力欠如が未曽有の”人的災害”を招いたのである。

その証拠に松井市長は発災時とそれから数時間は自宅で「寝たり休んだりしていた」という。そこをメディアに突っ込まれると「マニュアルに書いてない」と開き直った。

安佐南区の発災は20日午前3時ごろから。その前後から広島市役所の警備員室の電話は鳴りっぱなしだったという。住民はどこに電話していいのかもわからない。警備員は「区役所などに電話してください」などと答えるしかなかった。そして同時多発の大災害に市民は襲われた。

松井市長は夜が明けてもまだ自宅に残りタクシーさえ使わず、通常の送迎車で午前8時30分ごろ登庁した。

”防災”のための術を尽くすタイミングはすべて逃した。あとに残されたのは自衛隊の緊急出動などによる莫大なエネルギーを必要とする救出活動と死者・行方不明者の捜索となった。

この日を教訓とするはずが、2018年6月の豪雨災害では広島県下全域で大きな被害を出した。この時もやはり数時間であったにせよ、災害に備える”余裕”はあった。にもかかわらず湯崎知事もそれぞれの現場担当者もイメージを膨らませることはできなかった。

特にダムの管理を任されている部署は取り返しのつかないミスを重ねた。豪雨によりダムの操作を行うのに十分な人員が現場に到着できなかった事例はその典型だろう。

適切な操作ができず、ダムの決壊を恐れるがあまり、大量放水した結果、水面下に沈んだ悲惨な町の光景がいくつもできた。誰も明確な責任を取ってはいない。

安佐南区八木地区でも県内被災地区でも、今なお地道な復興への活動は続く。住民は”誰のせいでこんな目に遭わないといけなくなったのか”と心の中では叫び続けているはずだ。

一度に70名以上の命が失われた八木地区の災害現場写真に必ず映っているのは3丁目の県営緑丘住宅だ。

「蛇落」の伝承がある扇状地の一番山側に自治体が住宅を作り、その周りにも住宅が張り付く。昭和40年代から50年代(1960年代以降)の開発から半世記で取り返しのつかない被害を出した。もちろん、そこに県営住宅を据える決断をした者が裁かれることはない。

土木建築のプロは晴れた日に現場を見て「これで大丈夫」とはしない。例えば大雨の日に現地に行きその耳や目や匂いで現場を感じ、イメージを膨らませる。水の流れがどうか?上流、下流の様子はどうか?しかもそこが「蛇さえ転がり落ちてくるような悪谷」の目の前にある、と知れば、当然「危険回避」の結論に至らねばならない。

八木地区を含めてこの阿武山には、いくつもの「悪谷」がある。そこにはことごとく住宅地が広がり、どこも莫大な費用を必要とする砂防ダムなどの建設が今なお続けられている。

……

 

その安佐南区が県内最初の新型コロナウイルス感染者居住地だった。

安佐南区は8ある区の中で最も人の往来が盛んだ。その行動歴や訪問先医療機関の名称など、市民が知りたいことのほとんどは非公開とされた。

例えばすでに感染が判明している県立広島大学の卒業生(女性)は広島市南区のキャンパスに近い大型商業施設ほかへの出入りが関係者の口から”情報”として出されているが、市はいっさい明らかにしていない。

そしてこの日(4月2日)になって広島市は新型コロナウイルス感染者が新たに4名出たと発表。前日にはその事実を把握していたにもかかわらず、広島市役所での緊急会見は午後8時を回ってから始まった。こういうのが一番困る。遅ければ遅いほど市民にとってマイナスになるのと、締め切りのあるメディアは詳しいことを報じることができない。

しかも県内議員に現金をバラまいた「河井夫妻」の方にも、メディアは人員を配置しなければならないのだ…

会見では松井市長と阪谷幸春・保健医療担当局長がマイクの前に座った。

松井市長は会見する際、質問されると何度も阪谷担当局長の”助言”を仰いでいた。この問題をまるで自分のこととしてとらえていないのではないか?あの大規模土砂災害の夜と同じように…

新たな感染者4名について、メディアは次々に質問したが、阪谷担当局長は「プライバシー」を盾に肝心なところはことごとく答えず「重大な局面」となれば必要な情報は出す、とした。

食い下がる記者らは「重大な局面とは何か」と問いただしたが「それは今はわからない」としか答えず、最後には「我々に任せていただきたい」と言い切った。

ひろスタ特命取材班の見解を言わせてもらえるならば、あなたらに任せていてはろくなことがない、となる。

また今度も八木地区や県内大規模災害のような悲惨は経過をたどらない保証はない。

広島市の危機管理能力の是非は松井市長の”腕しだい”だが、新型コロナウイルス関連での会見があるたびに、メディア関係者の間では「あれは酷い」の声が上がっている。

語り口調も表情も全部そう、市民とともに新型コロナウイルスに立ち向かっていこうという”熱”がここでも見られない。

”熱”不足についてはサッカースタジアムの4者会談の際にも感じられた。いつもそう、ということになる。

その松井市長が会見の中で強調したのは…

・夜間から早朝営業のバー、カラオケ、ライブハウスは“3密”を避けるため出入りを控えて欲しい。
・今週末は花見が見ごろだが自ら命、市民の命を守るため人が多く集まる場所での花見は控えて欲しい。
…というものだった。

これに、「非公開」連発の担当局長の話を重ねれば、広島の夜の街が危うい状況であることは容易に想像がつく。そして、もちろん“夜”は朝と昼と夕方に繋がっている。

マツダスタジアムではカープがまたこの日(4月2日)全体練習を再開させた。しかしわずか2時間で終了となった。

セ・リーグで未だ全体練習を続けているのは広島だけ…

繰り返すがもうすぐ広島の夜の”コロナ警戒警報”は24時間警報に切り替わる。

(関連記事は以上)

ひろスタ特命取材班

LINEで送る

シェアしてお友達にもこのニュースを教えよう!

ひろスポ!の情報を逃さずチェック!

※SSL暗号化通信で登録します。
※メルマガはいつでも解除出来ます。
  • 6

    レッドヘル

  • 1

    医療法人社団飛翔会

  • 5

    アイフット

  • 4

  • 2

  • 3

有料メルマガ配信案内