画像は尺野将太ヘッドコーチ
広島ドラゴンフライズは3月3日、滋賀県大津市のウカルちゃんアリーナで滋賀レイクスターズと対戦、97-77で快勝して連勝を8で止めた。
97得点はB1に昇格後、延長を除けば最多得点。20点差勝利も初。尺野将太ヘッドコーチ体制になって3戦目、先の千葉ジェッツ戦での経験を生かす!と宣言していたチームがひとつになって実り多き40分間を創り出し、特別指定選手の柳川幹也が初得点するなどベンチ12人全員が出場した。
試合後の尺野将太ヘッドコーチの話
水曜日の試合だったので、なかなか練習時間は取れなかったが、チームでどのシュートを打たせていいのか、どの選手にどのプレーをされたくないのかというポイントに対して今日は共通理解を持った守備ができていた。第1クォーターは20失点していたが第2、第3クォーターの(相手の)失点につながったところが今日は一番良かった。いい守備からいい形で攻撃に入る場面も多く作れた。前節の千葉戦では1クォーターに30点を超える失点をしたが、今日は前半で36失点。いい守備ができたことが流れを作れた要因になった。
試合後の朝山正悟主将の話
非常にいい試合ができた。苦しい状況の中、編成も変わったが、そこから自分たちとしてはいい雰囲気でやれている。先週、負けはしたがその中でも勝つメンタリティがみんなでてきたように見えていた。今日はそこをチーム一丸となってやれた。
広島ドラゴンフライズこれまでの勝ちゲームスコア
2020年
10月4日(日)大阪エヴェッサ戦(おおきにアリーナ舞洲)93-84
10月24日(土)三遠ネオフェニックス戦(広島サンプラザホール)76-67
10月25日(日)同上115-109(94-94から延長)
11月11日(水)京都ハンナリーズ戦(ハンナリーズアリーナ)94―76
2021年
1月30日(土)横浜ビー・コルセアーズ戦(横浜国際プール)73-70
B1第25節
広島ドラゴンフライズ97-77滋賀レイクスターズ
1Q:25-22
2Q:19-14
3Q:23-16
4Q:30-25
会場:ウカルちゃんアリーナ
観衆:1,028人
【スターター】
広島: トーマス・ケネディ、朝山正悟、岡本飛竜、アイザイア・マーフィー、グレゴリー・エチェニケ
滋賀: 狩俣昌也、ジョーダン・ハミルトン、アンガス・ブラント、野本大智、前田怜緒
【主なスタッツ】
広島ドラゴンフライズ
◆得点
グレゴリー・エチェニケ 28点
朝山正悟 25点
トーマス・ケネディ 20点
◆リバウンド
グレゴリー・エチェニケ 11リバウンド
トーマス・ケネディ 5リバウンド
朝山正悟 3リバウンド
◆アシスト
トーマス・ケネディ 5アシスト
グレゴリー・エチェニケ 5アシスト
古野拓巳 5アシスト
朝山正悟 4アシスト
滋賀レイクスターズ
◆得点
アンガス・ブラント 15点
前田怜緒 13点
ジョーダン・ハミルトン 10点
今川友哲 10点
◆リバウンド
ジョーダン・ハミルトン 7リバウンド
今川友哲 6リバウンド
アンガス・ブラント 5リバウンド
前田怜緒 5リバウンド
◆アシスト
村上駿斗 4アシスト
ジョーダン・ハミルトン 4アシスト
アンガス・ブラント 3アシスト
前田怜緒 3アシスト
滋賀レイクスターズとの対戦は2020年12月2日の広島サンプラザホールで一度あり、この時は97-109で敗れた、トーマス・ケネディが帰化出場を可能にした初戦だったが肝心のディフェンスが崩壊して109失点…
それが今回は真逆になった。得点は一緒、失点が大幅に減った。尺野将太ヘッドコーチが「チームでどのシュートを打たせていいのか、どの選手にどのプレーをされたくないのかというポイントに対して今日は共通理解を持った守備ができていた」と振り返っているように、相手に応じて臨機応変に少ない調整時間の中で最良の準備をする。けっきょく長丁場のリーグ戦はその繰り返し。そのマネジメント力が試される。「攻守の切り替えを早く!」というチームとしての大前提も遂行された。
もちろん千葉ジェッツ戦ではたて続けに3桁失点したようにそうそううまくは行かないだろう。が、広島ドラゴンフライズの現有戦力を持ってして互角かそれ以上に渡り合える相手も複数存在するはずだ。
尺野将太ヘッドコーチは就任会見で次のように話した。
「残り21試合を見たとき琉球ゴールデンキングスやシーホース三河も残ってますけどひとまず早い段階でまず6勝、今の勝ち星を越えたい、そのあとどれだけ積み重ねるか?だと思います」
このことは何を意味するか?
苦戦の連続だった前体制の後を引き継ぎ、前体制から前進できたということを証明すること。当時にB1元年の勝ち数を最低でも11以上にすること。
Bリーグの最低勝率記録はコロナ打ち切りとなった2019-20シーズンの三遠ネオフェニックスの5勝36敗、勝率・122だが、60試合シーズンでは2018-19シーズンのレバンガ北海道の10勝50敗、勝率・167だ。
その記録に並んだり、最低記録を更新することは何として回避して「広島らしさ」を取り戻す…
千葉ジェッツ戦ではチームメイトの”応援”にも時間を割いた朝山正悟が新体制3戦目で本領を発揮、第1クォーターにスリーポイント4の4の気合いのパフォーマンスを見せたのもそんなみんなの気持ちを重ね合わせたものだったはず。
ハードな日程が続き、次は中2日でのアウェー、レバンガ北海道戦。相手はワイルドカード争いで言えば12位で広島ドラゴンフライズはもちろん最下位の14位。このカードはこの2連戦だけ。さあ、どれだけ勝ちを重ねることができるか?