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2021年03月25日
編集部

46年ぶり赤字のカープ、マツダスタジアム集客ベースの球団経営”優等生”のはずがコロナ禍で一転、グッズも売れず資金ショート危機…

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画像はカープグッズ

 

広島東洋カープは3月24日、広島市内のホテルで株主総会を開いた。

2020年の決算が承認されたことが25日付中国新聞に掲載された。

この記事によると…

売上高…前年比83億4489万円減の85億5735万円
入場料収入…41億3500万円減の16億6000万円
グッズ収入…22億8800万円減の13億5600万円
当期損失…29億3487万円

…となっている。

2020年シーズンはカープ創立70周年。ホームゲームは地方開催がゼロで全71試合をマツダスタジアムで開催する予定だった。

すでに新型コロナウイルス感染拡大の影響が懸念される中、2020年3月1日にはマツダスタジアム窓口で全71試合のチケットが発売され、結果的にはすべて払い戻しになった。

マツダスタジアムでの主催試合は60試合になり、無観客4試合、上限5000人が32試合。上限5000人でスタジアムに入れたのは年間指定席チケットを持ったファンのみ、という12球団でも極めて特殊な集客方式が70周年にもかかわらず採用された。

球団への「忖度」があるのだろう。メディアはこの事実を報じず、実情を知らないファンがほとんどだった。

上限1万6500人に引き上げられたのは9月25日、開幕から81試合目のことで、年間指定席契約者以外のファンが追加発売されたチケットを手にマツダスタジアムに足を運んだ時にはすでに佐々岡カープの借金は2桁…。ヤクルトと最下位争いの真っただ中で、首位を行く巨人の背中すら見えない状況だった。

チームが苦戦続きとなる中でも、こうした集客方式が奏功して、結果的には12球団最多の53万7857人を動員した。それでも前年の222万3619人の4分の1にも届かない。

 

放映権料などを巡り巨人が中心となって画策した「球界再編」の激震に複数球団が見舞われたのは2004年のこと。動員力もなく、球場も老朽化の一途となっていた広島は2006年、売上わずか56億8000万円のじり貧となった。 当期利益6600万円。

旧広島市民球場最終年の2008年は「市民球場ラストイヤー」特需があり約71億円に売上が増えた。

球団経営を大幅黒字に転換したのはまさに”金のなる木”を手にしたマツダスタジアム移転の2009年以降。2016、17、18年のリーグ3連覇でカープファンの熱は頂点に達し、売り上げは189億4000万円に達した。

しかし2019年は169億円と売上ダウン。シーズン集客集は前年同様、220万人以上を記録したのに売上減となったのはグッズ販売が36億4400万円に止まり前年より12億円以上減少した影響が大きい。2016年にはグッズだけで53億円を売り上げ、全国から注目された。

こうした流れの中で2020年シーズンはコロナ禍を迎えた。スタジアム売店でも街中のカープコーナーでも飛ぶように売れたカープグッズは値引きしても売れ残り、在庫の山はファンサービスなどにも使われた。

 

46年ぶりの赤字経営に転落した広島は資本金を2400万円から5000万円に減資して税の優遇措置を受ける、と中国新聞は報じている。減資についてはJTBや毎日新聞の動きが大きく報じられた。ただし、伝家の宝刀には「業績悪化による減資で節税になるというのは、税の本来の趣旨に反するとの解釈も成り立つ」という声がついて回る。

中国新聞記事はそれ以上のことは報じていないが、大事なのはその先の話だ。

ちょうど1年前の今頃、阪神の選手のコロナ感染が判明して大騒ぎになった。3月末の段階で東京、神奈川、千葉、埼玉には外出自粛要請が出された。

開幕を目前に控えて今年もまた緊急事態宣言解除の関東地方では感染者数が増加傾向にあり、1都3県の飲食店営業は午後9時までとなっている。

広島は1万人上限の1都3県に比べればまだ恵まれている。上限1万6500人でマツダスタジアムでの開幕戦を迎えることができる。しかしまた、8600席あるとされる年間指定席購入者が今年もまた優先されるから、ファンの回転率は上がらず、グッズは引き続きあまり売れないだろう。

2020年12月17日付の朝日新聞に「異例づくめ球団経営苦心」の見出しで12球団経営責任者のインタビュー記事が掲載されている。

広島の松田一宏オーナー代行はその中で「満員の3万3000人に入ってもらうのを目標に進めていて、ビジネスモデルを変化させるというのは考えていない」と発言している。Jリーグ、Bリーグでも生き残りを懸けた新たなビジネスモデルの構築が急がれているが、広島の姿勢はそれに逆行していないか?

 

確かにマツダスタジアムの年間集客数が右肩上がりを続ける中で広島の流動資産は2016年、25年ぶりリーグ優勝を果たした時には60億円を突破した。2018年には74億円まで増えた。

1年以内に返済する流動負債に対して換金性の高い流動資産がどれだけあるかは球団経営の健全度を示す指標となる。流動負債に対する流動資産の割合は2019年12月末時点で広島が12球団ナンバーワンだった。「その金はいったい何に使わているのか?」と急激に増えた流動資産を訝しがる関係者もいる。

2018年時点での利益余剰金はおよそ83億円。配当や資本金への組み入れが行われず企業に内部留保されたお金だ。しかし、球団経営では年間売上高の9割がコストとも言われており、公式戦全チケット一斉発売などあの手この手を講じても、コロナ禍のトンネルを抜けないとやがて資金がショートする。

球界再編を機に特にパ・リーグ球団では親会社への依存を改め、独立採算路線を目指す道を歩んできた。マツダスタジアムを参考に横浜スタジアムで新たなビジネスモデルを築いてきたDeNAもそうだ。

ところがコロナ禍の長期化にあっては親会社による”特例救済措置”が再び欠かせない状況となりつつある。

独立採算の広島東洋カープが”支援”を求める先は、ファンや地元企業のみ。外資ファウンドが入るというなら話は別だが…

これだけの危機的状況を迎えてなおNPBにはJリーグのようなリーグ一括管理システムが存在しない。当然のことんがら関係者からは「球界再編の再来」を危惧する声も上がっている。

※さらに詳しい情報は、2000年10月よりカープをウオッチングし続けている(一日も休まず更新中)携帯サイト「田辺一球広島魂」で、田辺一球、スマホ、で検索!

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