画像はニック・メイヨ、このシュートが入れば最終クォーター、残り3秒同点…右端はカイル・ミリングヘッドコーチ
B1の広島ドラゴンフライズは1月21日、広島市西区の広島サンプラザホールでアルバルク東京 と対戦、最初から最後まで勝利の女神がどちらに微笑むか分からない接戦となったが、最終クォーター残り3秒で放ったニック・メイヨのスリーポイントシュートが外れて万事休す…71-74で敗れた。
広島ドラゴンフライズ後援会プレゼンテッドゲーム、画像中央は山坂哲郎会長
岸田総理からの「ご挨拶」もあった
アルバルク東京 はBリーグ、チャンピオンシップ2017-18、2018-19の覇者で、2019-20シーズンは、新型コロナの影響でシーズン途中で幕を閉じた中、最高勝率で東地区優勝。しかも広島ドラゴンフライズはB1昇格後、過去の対戦では4戦全敗という相手だった。
今回は広島ドラゴンフライズがホーム12連勝中、年を跨いで9連勝中、西地区で2位の島根スサノオマジックに2ゲーム差の首位という勢いのある中で迎えた対戦だったが、東地区2位のアルバルク東京の壁にまたもや跳ね返されたかっこう。
島根スサノオマジックが滋賀レイクスに108-80で快勝、3位の琉球ゴールデンキングスも川崎ブレイブサンダースに勝ったため、1位から3位までのゲーム差は2に縮まった。
広島ドラゴンフライズとアルバルク東京はこの日でともに31試合目を消化、B1は60試合の長丁場だが、後半に突入した。
チャンピオンシップ出場は東・中・西の3地区の上位2クラブと各地区3位以下のクラブのうち勝率上位の2クラブの計8クラブで、トーナメント戦によって優勝が決まる。
悲願のチャンピオンシップ出場を目指す広島ドラゴンフライズにとっては大事な折り返し地点での2試合となる。GAME2で取り返すことができるか。故障明け、GAME1で24分43秒出場も1得点に終わったドウェイン・エバンスの奮起にも期待…
左太腿のケガが癒えて2週間ぶり実戦となったドウェイン・エバンス
B1 第19節 GAME1
広島ドラゴンフライズ 71–74 アルバルク東京
1Q: 25-21
2Q: 10-13
3Q: 15-20
4Q: 21-20
【スターター】
広島:寺嶋良、辻直人、船生誠也、ケリー・ブラックシアー・ジュニア、ニック・メイヨ
A東京:藤永佳昭、安藤周人、ザック・バランスキー、セバスチャン・サイズ、ライアン・ロシター
【主なスタッツ】
◆得点
ケリー・ブラックシアー・ジュニア 18得点
辻 直人 15得点
寺嶋 良 13得点
◆リバウンド
ケリー・ブラックシアー・ジュニア 5リバウンド
ニック・メイヨ 5リバウンド
辻 直人 4リバウンド
◆アシスト
ドウェイン・エバンス 7アシスト
寺嶋 良 5アシスト
ケリー・ブラックシアー・ジュニア 3アシスト
この対戦を終えてアルバルク東京は…
31試合で2443得点、2183失点、得失点差+260。
広島ドラゴンフライズは…
同2625得点、2379失点、得失点差+246。
アルバルク東京の方が出入りの少ない戦いをしていることが分かる。言い換えれば”勝ちを拾う”のが巧い。さすがはB1を代表する猛者である。
そのことは寺嶋良の試合後の次のコメントが如実に表している。
「相手に隙が一切なくて、ほかのチームだったらどこかで相手の隙を突けば10点20点開ける時間帯があるのに、それが一切ないので、粘りながらどこかで最後に勝てばいいという思考に気持ちを向けていました。今我慢の時だな、というのがけっこう長くて、今突っ走ろうというのがなかなかチームとして出せなかった。明日はそれが見えた時にはみんなで打開しながら点差を開いて勝てればいい…」
この日は警戒していたにもかかわらずトータルリバウンドは24対47、オフェンスリバウドは5対18…
それでも第1クォーター25-21の勢いをもって前半35-34とリード。第2クォーターは10-13のロースコア勝負となり、寺嶋良(出場タイム6分16秒)と中村拓人(同3分44秒)の両ポイントガードが効いていた。
1月16日にPG青木保憲の仙台89ERS移籍が発表されたばかりだが、中村拓人の”仕事ぶり”からそれも頷ける。
第2クォーター、タイムアウト中の中村拓人
第4クォーター、勝負どころに突入…、カイル・ミリングヘッドコーチ
残り26秒、1点差…
アルバルク東京 、デイニアス・アドマイティスヘッドコーチ
残り7秒…
最後の打ち合わせ…決まれば同点…
第3クォーター開始早々に逆転を許したあとはクロスゲームになり、辻直人の連続スリーポイントシュート成功などで応戦、4点のビハインドで最終クォーター勝負となり、スティールからのレイアップを流し込んだ寺嶋良に会場が沸きに沸いて残り26秒で71-72。
アルバルク東京のタイムアウトを経て、残り9秒でケリー・ブラックシアー・ジュニアに替わってニック・メイヨがコートに立ったが追いつくことはできなかった。
カイル・ミリングヘッドコーチ
ゲーム通して波はあるがスタートも良く、全体的にも良かった。A東京はフィジカルに戦ってきて、リバウンドを制しているチーム。終始、リバウンドには苦しめられた。明日は修正していきたい。
辻直人
相手に綺麗にやられたと思うオフェンスはそこまでない印象。セカンドチャンスで相手の得点が増えれば勝つのは難しくなる。その中で3点差というのはチームのディフェンスができていたと思う。A東京のシュート確率も高い中で、74点に抑えることができたのは、ディフェンスの面で良い部分が多かったからだと思う。
寺嶋良
リバウンドで圧倒されてしまった。ビックマンは仕事を果たそうとしてくれていた。ガードなどビックマン以外の選手がリバウンドに絡むことができればと救えると思うので明日はそこを意識してやっていきたい。
接戦に関しては最後まで諦めない姿はこの試合で示せたと思う。勝てなかったのは僕らの力不足ですし、でも姿勢は観ている方に頑張る姿とか見せることができたと思います。
最後なんてほんとに立ってるのがしんどいくらい出し切って負けたのでなんかそんなに嫌な感じで負けたのではくて、もう切り替えて明日戦えるスッキリした感じはあります。
今まではスティールをそんなに狙ってなかったってのがあって、ギャンブルしてしまうことがあったんでそこは自分の中でしっかり相手の正面に立って時間使わせて相手のシュートを外させてリバウドを取る感じだったんですけど、今はスティール1本で流れを掴むことができるのを分かってきたので意識するようになりました。