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2014年12月03日
編集部

大瀬良を筆頭に年俸大幅アップの広島投手陣、実は来季の先発、頭数が足りないかも?

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セ・リーグ新人王の広島・大瀬良が1年目の1500万円から2000万円アップの年俸3500万円+タイトル報酬で1契約更改を終えたことが大きなニュースになった。(金額は推定、以下同)

だが同じ日(12月2日)に契約を更改した若手の4投手も軒並み大幅アップ提示を受け、即刻サインした。

中継ぎとして同じくシーズンフル稼働した中田は倍増を超える1600万円プラスの3000万円、中田とブルペン陣での双璧をなした一岡も1350万円の大幅アップで年俸は2400万円に。「巨人での1、2年目はチャンスをつかめなかった。勝ちパターンで使ってもらったこの経験を来季に繋げていきたい」と笑顔で話した。

開幕前に飛躍が期待された中崎、戸田の二人も高評価を受けた。中崎は900万円から1750万円に、戸田は560万円から1560万円に年俸が跳ね上がり「鳥肌が立つくらいの評価」(戸田)に感激の面持ちだった。

中田は広陵高出身、2008年のドラフト2位で5年目でやっと1200万円、6年目の今年の年俸が1400万円。これまでの上昇カーブが急激に上向いた。

今年が高卒3年目の戸田は480万円、480万円、550万円からの大躍進。なるほど、「鳥肌」が心臓に!?立ってもおかしくないほどのアップ幅になった。

高卒4年目の中崎も450万円、500万円、800万円、900万円とコツコツ積み上げて今回、イッキにドカーン!と上がった。

大瀬良以下、この5人はいずれも21歳から24歳でさらに右肩に不安のある一岡を除けば4人とも先発でも投げることができる。中田は「将来は先発に」と今回の契約更改のあとの会見でも話していた。

だが、今季の実績でいくと先発での勝ち星は大瀬良が10、戸田が2、中崎先発なし、中田も先発なし。合計でわずか12勝。

従来の先発組はどうか?

エース前田健太が11勝、二番手の野村祐輔が7勝、今季限りとなったバリントンが9勝。

あとは背番号の若い順に福井4勝、九里2勝、篠田3勝、そしてシーズン途中加入のヒース3勝。この中でヒース以外の3投手は来季、どこまで白星を上積みできるか計算しづらい状況で、現状のままだとこの4人で12勝。

バリントンに代わる新外国人左腕のジョンソンが仮にバリントン並みに働いたとして10勝。

以上合計で52勝にしかならない。こうして見ていくと、逆に中継ぎだけで今季9勝もあげた中田の存在がクローズアップされてくる。

ところで関係者の間には2012年の新人王、野村祐輔の来季を危ぶむ声がある。1年目防御率1点台、昨年が同3・74で今季は同4・39にまで跳ね上がった。交流戦ではオリックス相手に6回を投げ自責1、楽天には7回を投げやはり自責1で勝ち投手。パ・リーグ相手には好投しても同一リーグの相手にはもうこのままでは通用しない可能性もある。

広島は今季、143試合目まで2位の可能性を残しながら144戦目で3位に甘んじた。その最大の要因は投手陣ではなくチャンスに打てない打線にあった。

ところが昨年まで3年連続で170回以上を投げたバリントンが去り、1年目に172回3分の2を投げた野村祐輔も今季は104回3分の2しか投げていないことを考えれば、来季のチームの弱点は野手陣よりもむしろ投手陣…

6季連続で規定投球回数をクリアして、目標は「200イニング」と言い切る前田健太の特別な存在が仮にポスティング流出となれば、“その瞬間”にも広島投手陣は総崩れとなりかねない危険性をはらんでいる。

…ということは、この冬をあったかな懐で迎える若手投手陣には来季の躍進分も含めた“期待料”が多分に含まれている、と考えた方がいいだろう。

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