画像の看護師が語った内容は…
広島東洋カープの佐々岡監督らが4月28日午後、広島市中区の市立舟入市民病院を訪ねた。ちなみに同監督の自宅は”ご近所”だ。
連日の新型コロナウイルス関連報道と限られた練習環境…カープナインにとってもまさに”今そこにある危機”である。
マツダスタジアムでの練習のあと、一行は病院へ直行した。現在、練習はチームを2班に分けて一日交代で行われており、大瀬良、薮田、それに新人の森下が同行した。
4人は本館正面の駐車場から、医療関係者や患者の姿が見える病院の窓に向けて大きく手を振った。プロ野球開幕の日が遠のき、”ファン”に手を振るのは久しぶりのことだ。
そして「あなたの勇気ある献身に感謝します」の文字を入れ、監督、選手のサインが入った大瀬良のユニホームがプレゼントされた。館内に飾られ、それを目にした人々を勇気づけるだろう。
舟入市民病院では2日前に医療従事者の新型コロナウイルス感染が発表されたばかり。県内医療関係者に衝撃が走ったが、残念ながらこの日二人目の感染者が発表された。いずれも看護師。市では個人保護のため、詳細を発表していない。
看護師は通常、早朝、深夜など、時間帯別の勤務シフトの中で業務をこなしていく。仕事が終われば、休みもあるが、体を休めないときついから外を出歩くような機会は少ない。
一方で、病床内では医師と比べて遥かに長時間、患者と接することになる。そこで院内感染が発生する。感染は免疫力が落ちている時に起こりやすい。要するに舟入市民病院の勤務シフトがハードで、多くの看護師が激務に当たっていた可能性が高い。
病院側の新型コロナウイルス患者受け入れ態勢の脆弱さは、早くから懸念されていた。それは全国的なものであり、広島に限った話ではない。
ただし感染症指定医療機関で広島における拠点病院でこうした”被害”が出た事実は重い。国会では新型コロナウイルスを「災害」に例え、ことの重要性を強調しているが、まさにこの看護師ふたりは「被災者」だ。
広島市ではやっと重い腰を上げ、感染者病床の看護師を10人程度増やす措置が取られるという。やるなら発災前に対処しておくべきだった。極端な話、近年続発する真砂土での大規模土砂災害と一緒で、起こるべくして起こったことになる。
だから、ひろスポ!ではこの記事をアップした。
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その職責上、看護師がその窮状を公に語ることは難しい。海外の医療現場の緊迫したシーンはニュースで報じられていても、例えば舟入市民病院の医師や看護師の声は一切、報じられていない。
それをここで書き出すと、大変なことになる…
なお、佐々岡監督らが手を振った駐車場の南西側には、1970年、日本が高度経済成長の道をひた走る中、初の原爆養護ホームとして開設された「むつみ園」がある。
そこにはカープ好きのお年寄りが大勢、暮らしている。「カープの試合をテレビで観るのが何よりも楽しみ」と…。
今回はさすがに本館内やむつみ園にまで足を向けることはできなかったが、新型コロナウイルスが脅威でなくなった時、いつかまたこの地に今度は88番のユニホームにサインの寄せ書きをして慰問に訪れたらどうだろうか。
ひろスタ特命取材班
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