松井市長らが「広島みなと公園優位」とする理由のひとつに旧広島市民球場跡地のマイナス面があげられている。例えば旧広島市民球場跡地に多くの人が集まるのは良くない、ということらしいが、旧広島市民球場時代には3万人が集まりご覧のように賑わっても何の問題も生じていなかった。果たして市民らからは「それは困る」という声があがっているのか、そうではないのか?はっきりしないなら聞いてみよう!ということになった。
とうとう広島市議会が動いた。6月30日開催の広島市議会総務委員会(桑田恭子委員長)で、非常に重要な動きがあった。
ENGカメラ、ゼロの広島のマスコミ各社の姿勢が悲しい…
員会ではまず木山徳和委員(中区)が広島のサッカースタジアム問題とそれに関連する旧広島市民球場跡地の問題について次の点を指摘した。(発言主旨)
・今回、街の顔である本通商店街からも陳情が出された。「サンフレッチェ広島によるサッカースタジアム建設案を受け入れるよう求めることについて」、「旧広島市民球場跡地にサッカースタジアムの早期建設を求めることについて」など、旧広島市民球場跡地へのスタジアム建設を求める陳情は合計で4件にのぼる。これを握り潰すのは不親切。
つづいて三宅正明委員(安芸区)は次の点に言及した。(同)
・予算特別委員会で質問した際、市は「サンフレッチェ広島の意見も聞いて」とのことだったのに3月3日にはサンフレッチェ広島が独自案を発表した。言っていることとやってることが違う。よって「公聴会」を提案する。サンフレッチェ広島の久保允誉会長、スタジアム建設に反対の声を上げ続ける港湾関係者らの話、地元住民の声を直接、吸い上げる必要がある。市の資料と(バイアスのかかった)報道ではスタジアム問題の実態がつかめない。
さらに中原洋美委員(南区)は地元の問題でもあり、より住民の立ち場に近い目線から衝撃的な事実を明かした。(同)
・選挙で市民のみなさんと会う機会が多い。広島みなと公園へのスタジアム建設について、地元の人たちは「サンフレッチェ広島が使わない」と表明した時、”これ幸い”と思った、ということで反対の声は大。
これらの声に対して桑田委員長(佐伯区)は、公聴会開催も含めて前向きに検討する、とした。この総務委員会の冒頭、席についていた松井市長は「所要のため」と、すぐに退席したが、残ってこうした指摘に耳を傾けた方が良かったのではないか。
松井市長と湯崎知事の言う「広島みなと公園優位」の大前提には、市民・県民合意、というものがあるはずだ。もちろんサンフレッチェ広島との共同作業でもある。
今になって公聴会…、というこの状況は、これまで意図的に市や県が住民らの声を聴いてこなかったことの裏返しでもある。
広島新サッカースタジアム取材班