前日練習のあと共同会見に応じる城福監督(トップ画像)
サンフレッチェ広島は2月24日(土)、エディオンスタジアム広島に北海道コンサドーレ札幌を迎え明治安田生命J1リーグ開幕戦に臨む。
前日の23日は、報道陣に練習の冒頭15分間だけ撮影可として、その後は非公開でおよそ1時間半、最終チェックを行った。
…ところで、4日前に広島市内であった「2018年 サンフレッチェ広島を励ます会」(サンフレッチェ広島を励ます会世話人会主催)で、来賓のひとりである広島商工会議所の深山英樹会頭が次のような話をした。
「(監督は)珍しいお名前で、城の下に福がある、城というのはもちろん広島城ですが、そのもとで戦えば福がある、これ以上のことはありません、3年ぶりのJ1王者奪回を目指し頑張っていただいきたい」
当然、会場は大きな拍手に包まれた。
城福浩監督はその激励に対して「私の名前からしてホームでは絶対に負けられない…」とあいさつした。
城福監督がどこまでご存じかは確認していないが、これはサンフレッチェ広島のまさに根底にある”魂”の部分だ。
広島城は鯉城、カープでもお馴染みの、コイの城。
現在、広島市中区にある理数系では国内でも有名校の国泰寺高校が「広島一中」と呼ばれていた時代、一中のOBによって結成されたのが、まさに鯉城蹴球団だ。
鯉城蹴球団は1024年(大正13年)に結成された。その年、第1回明治神宮大会(現在の天皇杯)優勝。翌1025年、同大会連覇。
サンフレッチェ広島がJリーグオリジナル10に名を連ねる際にチームカラーをどうするか?で少々、思案する時期がった。最終的には「紫」が採用された。これは広島一中、現国泰寺高校のスクールカラーだ。
…という訳で城福監督はホームでは常に勝ち点3を取りに行くことになる。(もちろん、鯉城の話があろうと、なかろうとではあるが…)
サンフレッチェ広島監督就任が決まってから2017年シーズンのデータ分析を早急に行った城福監督。そのあと2度のキャンプを経て、自分なりにまとめた”傾向と対策”のひとつが、この日の開幕先日、非公開練習だった。
北海道コンサドーレ札幌には、身長190センチFWジェイがいる。ジェイは昨季、スタメン10試合で9得点。1試合2得点も3度ある。シュート力に長け、特に空中戦では満点の力量を持つ。その他にも180センチ以上の大型選手が多い。
セットプレーで得点され、ホームゲームを難しくする可能性をなるべく抑えたい。また、その逆は狙っていく。城福流が色濃く反映された開幕前日となった。
撮影は最初の15分間
「すいませんねぇ、報道陣のみなさん…」と声をかけて回る足立修強化部長(左)、右は山本拓也社長
会見場で練習終了を待つ暇そうな取材陣…否、仕事中の人もいる
城福監督の話
もちろんきょうはセットプレーをメインにやりましたけど、きのう積み残したというか…。去年セットプレー絡みで18失点、得点は5点。この数字を逆にするためには、セットプレーにもっていくまでの展開がすごく大事。自分たちが主導権を握る展開が大事になるんですけど、得たセットプレーをいかに緻密に集中力を持って点を取りにいけるか。相手に与えたセットプレーはいかに集中して失点を抑えることができるか。
ちょっと報道のみなさんには申し訳なかったんですけど、少しクローズしてそこの集中度合を高める狙いもあったし、そこに緻密さが要求されるところを、選手も初めてだったと思うので緻密な部分、タイミングを確認しました。
(対策相手のひとり)ジェイがヘディングが強い、高さがあると1000回言っても彼は低くならない。それよりも無駄なセットプレーを与えないとか、押し込まれる回数が多ければその可能性が高いのでまずは流れの中をすごく大事にしたい。ただ必ずセットプレーはある、試合ではキーになると思うので連携を取り、攻撃では5点では苦しいので改善していきたい。
(開幕戦について)どんなシーズン、どんなバックボーンを持ったクラブでも開幕はそれまでの関係者、応援している方々の期待が膨らんだ状態。34分の1でありながら34分の1でないっていうのは、もうどんなチームでもそう。我々が目指しているものが確かなもの、という言い方がどうかというのはありますが、そこに自信が持てる意味でも勝ち点はすごく大事な要素になる。それは意識してやってきた。いえいえターゲットは6月なんですよ、じゃなくて2月24日から勝ち点を積み上げていく。
(あすは)当たり前なんですけど、サッカー王国広島で、実績もあるクラブで普通に考えたら自分の中でもやらなければいけないことっていうのが先に発想があって、重圧という言い方がいいのか、そういう感じがもっとするのかなあと思ってたんですけど、自分でもびっくりするくらい楽しみです。
彼らと築いていく、新しいものを生み出していく。スタートの日という意味ではすごく楽しみです。