中央公園から望む広島城の天守閣(画像中央奥)
NHKでは6月1日、午前8時台の広島ローカルテレビニュースで「新スタジアム建設地 試掘調査へ」のヘッドラインでサッカースタジアム建設地となっている中央公園の試掘調査について報じた。
この題材を報じたマスメディアはこのニュース以降、6月3日午前までの時点で、ひろスタ!特命取材班がチェックした限りでは見当たらない。
中央公園へのサッカースタジアム建設に関して松井市長、湯崎知事、深山会頭の3者が揃って基本方針をまとめたのが5月30日(木)。
NHKの報道はその2日後の、しかも土曜日の朝ニュースという微妙な時間帯になった。
ニュースの要旨は…
・中央公園全域が広島城の遺跡が残されている範囲内にあり、地下に文化財があるかどうか調査が必要
・年内にも始まる試掘調査で文化財が見つかれば、本格的な発掘調査に入るが専門家からは調査が長引けばスタジアム建設に影響がある可能性も…との指摘がある
…というもの。
しかしこの案件については以前から関係者の間で試掘調査などの必要性や、もっと踏み込んで埋蔵物の存在を懸念する声が上がっていた。
例えば2016年9月の広島市議会総務委委員会では、石橋竜史議員が以下のような発言をしている。
石橋議員 空気感としては中央公園芝生広場がかなり濃厚になっている。私ごときが言うまでもないが文化財保護法で埋蔵文化財包蔵地、あそこに何か建設するにあたっては必ずや発掘調査、試し堀りをしないといけない。広島城があって中央公園芝生広場があって、西側には昔、十一の櫓があったが普通に櫓跡が今でも残っているので恐らくざっくざく出てきますよね。そうやっていわゆる広島城の遺構が出てきた場合に、機運を逃さないで進めようとしている中でどうなるのか。
それに対する杉山郎 市民局スポーツ文化部長(現在は安佐南区長)の返答は次のようなものだった。
杉山部長 仮に埋蔵地となれば適切な手続きに則り処理したいと思います。仮に残っていれば何等かの形で残した上での保存も含めて文化財担当としっかり連携をとっていきたい。
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hirospo.com/pickup/34525.html
石橋議員の言うように「ざっくざく」出てきたらどうなるのか?
さっそく6月3日午前中に広島市都市整備局、公園整備課スタジアム建設担当の北山孝文課長に確認した。
以下、北山課長に確認した内容
・NHK報道はきょう知った
・文化財担当が試掘調査の予算を上げ、対応するが、試掘の結果も含めて今は何とも言えないがスタジアム建設へ影響が出ないよう配慮したい
・中央公園の遺構については県も含めて事務方では共通認識
・市長、知事、会頭については遺構に関する情報は伝わっていない…
以上、4点の中でやはり気になるのは「市長、知事、会頭については遺構に関する情報は伝わっていない…」という部分。「…」としたのは北山課長の返答がいまひとつ曖昧だったからだ。
なお、これまでもアストラムラン、地下街シャレオ、あるいは広島城周辺の民間建築物の建設などにおいて遺構調査は行われおり、インターネット上でも様々な事案を確認することができる。
ひろスタ!特命取材班