画像は2018年7月17日、三次きんさいスタジアムで開催された2校だけによる開会式の模様
広島県の湯崎知事が「外出自粛要請」を出した、その初日(4月11日)、広島県内では一度に26人もの新型コロナウイルス感染が確認された。
1カ月前の時点で広島県内感染者はひとりだった。それが3月26日には合計3人となり、その1週間後4月1日は6人となり、4月5日には二けたの13人になった。そして前日10日の時点では30人にまで増え、それが一気に倍増した。
「外出自粛要請」だけではどうにもならないこともわかった。
11日に確認された26人の内訳は広島市1名、福山市2名、三次市が23名。三次で「クラスターが発生」(広島県)した。
三次市の23人は10代から90代でその中には訪問介護女性がいる。自宅で介護を受ける高齢者は「外出」とはほぼ無縁だが、感染が拡大した。世界的に見ても新型コロナウイルス感染による死者の割合は高齢者が高い。最も危惧されていたことが広島でも現実になった。
その訪問介護女性が働く施設としては8日、利用者の80代女性の感染が確認されていた。これが三次市内で最初の感染確認だったが、潜在的感染者が多数いたということになる。
三次市の高齢化率は35・5パーセント。広島県内の14市では7番目となっている。4月6日には市の中では一番高齢化率の高い江田島市(43・0パーセント)で医療機関勤務の30代女性の感染が確認されている。”こういう状況”が最重要チェックポイントとなる。
さらなるクラスター回避は最優先課題。三次市は4月16日から5月6日までを臨時休校とするとしていたが、それを4月13日からに繰り上げた。
12日未明に記者会見した湯崎知事によれば、濃厚接触者は200人程度いる可能性があるという。大変な状況だ。
新型コロナウイルス感染の広がりは球児たちの夏にも暗雲を広げることになる。
三次市では2018年7月17日、記念すべき”第1球目”が投じられた。
同年7月7日未明に発生した未曽有の豪雨災害により、7月7日に予定されていた第100回全国高校野球選手権広島大会のマツダスタジアムでの開会式が中止になった。
その代替案がみよし運動公園のきんさいスタジアムでの選手宣誓を含む広陵-千代田の両校選手だけによる開会式だった。
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今夏の第101回大会は7月12日開幕が予定され、会場となるマツダスタジアム、しまなみ球場など全7球場の中にきんさいスタジアムも含まれている。
広島県高校野球連盟では4月1日、春季県大会の中止を発表したが、すでに「夏」をどうするか、という難問に直面しつつある。
県内7球場のうち感染者の出ていない球場は鶴岡一人記念球場(二河球場)のある呉市と、三原市民球場だけ。広島市、福山市、尾道市、東広島市の計4球場でも、すでに感染対策で厳しい対応を迫られている。
広島大会の開幕まであと2カ月。練習環境確保も含めて2か月などあっという間に過ぎていく。全国的に見ても”高校野球どころではない自治体が全国に散らばっている。
広島ではスタンドに響く、おなじみのトランペットの音が聴かれなくなって久しいが、金属バットの打球音さえない、そんな異例の夏が来る可能性が高まっている。
ひろスタ特命取材班
コロナからカープ、広島スポーツまで独自記事コラムを2000年より毎日連載、全国のファン愛読中「田辺一球広島魂」サイト20度目の春突入!