画像右は東出コーチ、左奥は朝山コーチ
広島東洋カープは10月31日、来季コーチングスタッフを発表した。
ひろスポ!が以下の記事を報じたのが10月2日。10月1日発売の日刊ゲンダイに監督候補は「金本、野村、緒方、新井…」の記事が出た以外、他のメディアはまだほとんど沈黙していた。
佐々岡監督きょう10月2日のマツダスタジアムでカープファンにお別れ告げる、後任は誰?大本命は新井貴浩さんか… | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
新井監督の就任会見は10月12日。そこからかなり時間があっての今回の発表となった。
球団側は新井監督に長いスパンでチームを強化してもらいたい、と考えている。野村-緒方の両政権は5年ずつ、しかし佐々岡政権は3年の短命に終わりチームは3年連続Bクラス。だいたい1984年の古葉政権時代に日本一になって以来、もう38年間も日本一になっていない。1985年以来、日本一がない阪神と“ぼっち”状態だ。
1996年以来の日本一となったオリックスでは、前回の仰木マジックになぞらえて中嶋マジックにスポットライト。国産打線でレギュラーシーズン2試合続けて同じオーダーは一度だけ。打線を組み替えながらの戦いが当たり前だったのに日本シリーズ第6戦と7戦は固定した。その結果が第7戦の太田椋の初回先頭初球バックスクリーン方向弾だった。投手陣もワゲスパック以外は国産でヤクルト打線を押し込めた。
新聞には「生え抜き日本人でスタメン38年ぶり」の見出し。全員がチーム生え抜きのスタメンでの日本一は1984年の古葉カープ以来だという。
1984年の広島…
高橋慶彦
山崎隆造
衣笠祥雄
山本浩二
長嶋清幸
長内孝(小早川毅彦)
木下富雄
達川光男
…なるほど、惚れ惚れするようなハイクオリティの国産だ。しかも高卒組が5人…
中嶋マジックには山本由伸、吉田正尚という投打の大黒柱がいたが84年の広島にも16勝を挙げた山根和男と、ともに30発以上の「コージと衣笠」ふたりで196打点。新人王・小早川の活躍もあった。
ひろスポ!ではこれまで何度も中嶋マジックを支える水本勝己ヘッドと梵英心打撃コーチについて紹介してきた。ふたりは長らくカープファンとともにその道を歩んできたのではあるが、結果的にはオリックスのユニホームに袖を通すこととなり、そして見事、日本一の座に“先に”たどり着いた。1年前は高津ヤクルトに軍配が上がり、今年はその逆、野球の神様はちゃんと見ている。
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その梵打撃コーチだが、現役引退後の時点ではできることならもう一度、赤いユニホームでグラウンドに立ちたかったのではなかろうか?(ひろスポ!は本人から直接、意思を確認してはいない)
来季の広島の陣容は以下の通り。
一軍
監督 新井貴浩(45)
ヘッド 藤井彰人(46)
打撃 朝山東洋(46) 迎祐一郎(40)
外野守備・走塁 赤松真人(40)
内野守備・走塁 小窪哲也(37)
投手 菊地原毅(47)、横山竜士(46)
バッテリー 石原慶幸(43)
二軍
監督 高信二(55)
打撃兼走塁 福地寿樹(46)
打撃 新井良太(39)
ヘッド 藤井彰人(46)
外野守備・走塁 広瀬純(43)
内野守備・走塁 東出輝裕(42)
投手 高橋建(53)、永川勝浩(41)
バッテリー 倉義和(47)
三軍
統括兼矯正担当 畝龍実(58)
投手育成強化 小林幹英(48)
新井監督と同学年が藤井、朝山、横山の3人。さらに菊地原、福地、倉も同世代。50歳代はともに“若振り”に見える高橋建、畝のふたりだけ、だ。佐々岡前監督が55歳だったせいもあるが、イメージ的にはかなり若い。長期政権になることを前提に新井監督の意向を球団側がくみ取った結果だ。
この組織では新井監督、藤井・朝山の両コーチでスリートップを形成する。3人が他のコーチとの関係において選手にその思いや方針を伝え、フィードバックで二軍の細かい情報までも吸い上げる。
1980年のような「カープ黄金期」の再来に特効薬はない。コツコツとこの新スタッフで積み上げていく。
菊地原コーチが三軍から飛び級で一軍に呼ばれた。現役時代、2001年に78試合に投げた。翌02年に新井監督は初めて全試合に出場。ともに戦った仲だ。高橋コーチとの“両左腕”では甲乙つけがたいが、菊地原コーチの方が監督と年齢が近い。
佐々岡政権では作戦参謀も務めていた東出コーチが二軍に回ったのも象徴的な出来事だろう。9月末の時点では広島の放送局関係者が外部に「東出監督100パーセント」と漏らし、そこまでではなくとも「東出20パーセント」という声も確かにあったが、今回の“人事”により、それは消えた。選手育成やチーム作りを考えれば妥当な線だろう。
梵コーチとの二遊間コンビは一時期、広島を代表する売り物だった。しかし、ともに1980年生まれ。左右打ちの違いはあるが似たキャラクターなのでやがて、両雄並び立たず、になった。
付け加えるなら新井監督が1998年大卒ドラフト6位で東出コーチが高卒ドラフト1位。22年の歳月で何がどうなるか、わからない。
ところで、けっきょくネット上で大きな話題となった新井監督-水本ヘッドは実現せず、というかハナからそんな話はなかったことになる。
ひろスポ!ではこの件についても「分からりません」と言い切った↓
ネット媒体の中にはろくに現場も取材せずに、ネット情報だけで平気で?記事をアップする輩もいる。署名記事であってもその記者が仮名を使ったり実際には存在しないケースもある。ファンはそれを見てSNSにアップする。新井監督も困惑したことだろう。
ひろスポ!デルタルハンター班は、ネット上の怪しげな情報を決して鵜呑みにしない。(そういう我々もネット媒体ではあるのだが…)きょうも街中で新たな情報を収集し、それを記事に生かしている。
※デルタルハンター…パソコン1台を武器にネット上のオープンソースからデーモン・プーチン(ひろスポ!造語)のような地上に存在する災いや巨悪の動きを正確に暴くデジタルハンターを模した造語である。広島市は三角州(デルタ)上に形成されており、デルタルハンターはネット上の情報と街中などで集めた情報を総合的に勘案してそれを記事にまとめる。
本家のデジタルハンターはNHKで再三取り上げられており、インターネット上にある情報、画像、動画などを検証して、事件・事故・国際紛争などにおける事実を導きだす、オープン・ソース・インベスティゲーション(公開された情報源の調査)で、暴かれる真実の大半が権力者側にとっての「不都合な真実」である。