画像は広島のキャンプ地のひとつ、コザしんきんスタジアム、球団トラブル沖縄で発生…
週刊文春が10月26日、ネットで報じた…
「おろすしかないじゃん」 広島カープドラ1・中村奨成がSNSナンパで“中絶トラブル”
…のヘッドラインの記事が“波紋”を呼んでいる。
他メディアが次々に関連記事を掲載。「中村奨成が妊娠トラブルで処分なら巨人・坂本バッシング再燃か」(NEWSポストセブン)、「中村奨成“中絶スキャンダル”で『現役ドラフト』の声 だんまり戦術の『坂本方式』では許せない女性たちとは?」などのヘッドランで紹介された記事が恐らく万単位の読者に読まれている。
広島は球団としてのスタンスが巨人によく似ている。例えば3・11東日本大震災発生時に、12球団の中で予定通りの開幕にこだわり続けた巨人の動きをいち早く支持したのが広島だった。
2011年3月17日、セ・リーグは巨人の意向を汲み「3月25日通常開幕」を発表。今思えばとてもまともなジャッジメントではない。メルトダウン(のちに発表)原発へ向け被曝覚悟の地上放水をやっている最中によくもそんなことが言えたものだ。
この時の労働組合・日本プロ野球選手会のトップは新井貴浩会長(阪神)。2004年の球界再編に抗った古田敦也会長とともに、経営者側と真正面から向き合ったひとりだ。この時点では新井vs広島…
この頃の記録を「携帯サイト田辺一球」※で辿ると「野球が仕事、SMAPでもコンサートをやっている」(加藤良三コミッショナー)、「開幕はお上が決めることではないでしょ、政府が決めることですか」(巨人・滝鼻卓雄オーナー)など、今聞けば、誰もがのけ反るような発言が堂々となされていることがわかる。
滝鼻オーナーは慶大出身、広島の松田元オーナーは大学の後輩に当たる。
一大メディアグループの中の最重要コンテツである巨人にしてこの言動。マスメディアを標ぼうする資格はない、という見方もできる。2016年に清原和博氏が覚せい剤取締法容疑で逮捕された際には、各報道機関に巨人のユニホームを着用した動画、写真を使わないように、との通達を出した。読売グループのウラの顔の話をし出すとキリがない。
その巨人の坂本勇人「噛みつき」事件が週刊新潮によって報じられたのは6月のこと。続いて9月には文春砲を浴びて、女性とのLINEトークの内容を暴露され、20代の女性が妊娠した際の様子などを具体的に報じられた。
しかしスポーツ紙はこの一件を完全に沈黙。先の清原氏逮捕時のウラ情報でも分かるように、きっとまたプーチン顔負けの情報統制が敷かれているのだろう。
ただ、さすがにその悪しき慣習?に疑問の声を上げるメディアも多く、問題が生煮えのまま進んでいたところで、文春砲の照準が中村奨成に向けられたことになる。
広島のテレビ、新聞も巨人の風潮に倣って一斉にこの問題をスルー。広島では10月にFRIDAYDIGITALが「広島カープ ”極秘結婚”していた若手ホープの奔放すぎる女性関係」を報じられたばかり。この時も球団サイドはダンマリで、対象とされた選手は通常どおりマツダスタジアムで秋季練習をこなしていた。やっていることは巨人といっしょ。メディア側の情報には圧をかけるのに、トラブルへの対処など必要な情報は出さない。
こうなることは、十分に予想されていた。
入団して最初に母校・広陵のグラウンドに大きな車を乗りつけた中村奨成は親身になって育ててもらった中井哲之監督に“大カツ”を入れられただろうに、その後も二軍合宿所周辺からいい噂は聞こえてこなかった。合宿所所在地が本人の実家とほぼ重なっているというレアケース。“みんな”が中村奨成のことを見ていた。
だからネット上に次々にいかにも“見たような”話がアップされることになる。加えて文春の一発目の記事内容も沖縄キャンプ時のやりとりなど、現場を知っている者であれば「なるほどね」と頷くような極めて現実感のあるものになっていた。坂本勇人の時と同じでLINEのやりとりもそのままアップされた。
広島では旧広島市民球場からマツダスタジアムに移転した2009年、週刊ポスト7月3日号が「球団部長、謎の失踪」記事を掲載した際、当時の担当記者らは「書いたら出禁」と言われ沈黙した、実にわかりやすい前例だ。
記事内の球団部長は中国新聞でも仕事ぶりを大きく取り上げられ、やがて在広メディアの女子アナウンサーらを頻繁に誘うようになった。取材したいなら付き合えと言わんばかりに、4、5人を引き連れてバーに姿を見せることもあり、一方で男性ディレクターには取材現場で怒鳴りつけた。
そんな調子だからもうやりたい放題。キャンプ地の沖縄では球場前でアダルトビデオのやりとりをするなどタガが外れた行動が止まらなくなり、現地での女性トラブルが命取りになった。週刊ポスト記事内では「退職理由は話せない、知っている限り金銭問題ではない」という球団側の声も紹介されているが、それも事実と違う。放送局から選手への謝金をちょろまかしていた。
失踪したはずの球団部長はしばらくしてパチンコ店の車両出入り口で誘導用ライトを振っていた。再就職は球団側の手助けによるものだ。
こういうことを闇から闇へ葬っているから、何度でも似たようなことが起こる。選手だってそんな話を聞けば「おい、おい」だろう。自浄作用が働かない。広島市民球場であるマツダスタジアムの指定管理者としての資質すら問われる状況だ。
今回の記事の中でデイリー新潮は、関係者の「広島も巨人も選手にはケジメをつけさせ、信頼回復に努めるべきだ」という声を紹介、中村奨成を12月に初めて開催される現役ドラフトにかけるべき、との提言も行っている。本来の役目を放棄した新聞がスルーする事な役目を、雑誌媒体が補完したかっこうで、カープ村で頼りになるのは断然後者、ということになる。(ひろスポ!デルタル取材班&田辺一球)
※携帯サイト「田辺一球広島魂」…2004年から現在までの365日×19年のカープの動きが一日も漏らさず、いつでも閲覧できる。月額コンビニコーヒー1杯分の283円→TOPページ (ikkyuu-t.com)