M7・6震度７、能登半島地震被害甚大…元日の広島、森保ジャパンは…2011年東日本大震災では国内スポーツ界にも激震…

2024年01月01日: 編集部

画像は２０１１年の東日本大震災で、巨人を先頭にプロ野球開幕を強行しようとするNPB側に真っ向から立ち向かった日本プロ野球選手会トップ、新井貴浩選手会長、広島市内のホテルで会見に応じ、開幕の延期を強く主張した（当時、ひろスポ！取材班撮影）

元日の能登半島が直下型地震と津波に襲われた。NHK、民放各局は午後４時10分過ぎ、いっせいに緊急特番態勢に入った。

２０１１年の東日本大震災以来となる大津波警報も出された。マグニチュード7・６、最大震度７。

田辺一球｜noteから２０２４年１月１日の記事をそのまま流用する。

2024年元日、初日の出にマツダスタジアムとエディオンピースウイング広島輝く、しかし夕暮れは令和6年能登半島地震で国家的危機

２０２４年、元旦。広島市内は好天に恵まれた。マツダスタジアム正面には早くもファンが集まっていた。もちろん新年最初の一枚をスマホに収めるためだ。

コンビニには正月紙面のスポーツ紙。デイリースポーツ一面は新井監督のワンショット。同紙評論家の安仁屋宗八さんとの対談が掲載されていた。

「優勝を狙う上では今がチャンスじゃないかな？」という“無責任な”問いかけに対して新井監督は「雰囲気はすごくいいと思いますね」と絶妙の“受け”で返している。

そこが新井監督の新井監督たる所以。常に前向きで頂点を目指す。それは間違いない。

だが、新外国人勢の力量は未知数だし、龍馬に替わる戦力も確定していない。「若手にチャンス」はこういう状況にあっては常套句だが、それでは昨季、どれだけの選手がその「チャンス」を生かしたか？要するにかつての鈴木誠也や丸のような人材がどれだけいるのか？

スポニチは新井監督と藤井ヘッドの２ショットを一面に持ってきた。この企画はヒットだろう。年末年始の特番の中でも新井監督は藤井ヘッドの存在の大きさについて語っていた。

ふたりがベンチに並んでいることによって、佐々岡監督の時代とほぼ同戦力でBクラスから2位にまでは浮上できた。ただし、2位と1位の間にある力量差を埋めることは容易な作業ではない。増してや目標は「日本一」だから死に物狂いでやっても届くかどうか…

なんせ今年で、最後に日本シリーズを制してから早や40年目…

マツダスタジアムから車で10分足らずのエディオンピースウイング広島の周りにもサポーターや市民の姿があった。国内初のマチナカスタジアム。そこからマツダスタジアムのある東側を見ると逆光の中に高層ビルがいくつも見える。1年前にははっきりしなかったその全貌が初日の出を受けて輝いていた。

新スタジアムは年末に本体が完成。広島市から指定管理者のサンフレッチェ広島に鍵が引き渡された。

1月中旬にはサンフレッチェ広島のフロントスタッフが施設内に移転してくる。１月31日が竣工式、2月１日から4日間で個人で寄付した市民らの内覧会が、2月5日にはが法人寄付者への内覧会が行われ、2月10日のプレシーズンマッチ、ガンバ大阪戦でこけら落としになる。

広島県サッカー協会では早くから日本代表戦の承知を日本サッカー協会に打診しており、フル代表がそのピッチに立つ日もそう遠くはない。

その森保ジャパンはこの日、初の元日国際Aマッチとなるタイ代表戦を国立競技場で行った。入場者数６万１９１６人。結果は５－０圧勝。森保監督の国際Aマッチでの連勝記録はタイだった８から９まで伸びた。

NHKの中継には晴れ着姿の女性の姿を映し出した。かつてはラグビーが元日の風物詩だったがこれからがサッカー…

ところがそんな勝利の余韻と正月気分も、試合終了直後の午後４時10分ごろ発生した石川能登半島を震源とする最大震度７の地震と津波の恐怖によって吹っ飛んだ。

勝利監督インタビューでの森保監督は、これまでもそうだったようにすぐに被災地に目を向けた。

「まだ状況は把握していないが、石川県で被災された方々にお見舞いを申し上げたいと思います。みなさんが無事であるということ、そして日常生活が壊れてしまうような被災が、少しでも少ないことをお祈り申し上げます」

その直後、ＮＨＫのテレビ画面が切り替わり「16：10の地震」という文字とともに「にげて！」の大きな文字が映し出された。さらに「津波危険」「新潟・富山・石川で津波警報発表」「津波！避難！」…

音声では「緊急地震速報です、強い揺れに警戒してください」。

続いていつもの女子アナの口調とはまったく違う、低く大きな、言うことを聞かない子供に正しい行動を促すような“避難指示”が何度も何度も連呼された。

「今すぐに海の近くから逃げてください」

「石川県志賀町にある志賀原子力発電所は１号機２号機ともに現在運転を停止していますが、北陸電力は現在、地震の影響がないか確認中です」

「津波警報が出ている地域のみなさん！今すぐ逃げてください！東日本大震災を思い出してください。命を守ってください。津波警報が出ています。いずれも津波の高さは３メートルです」

民放各局も正月番組から地震関連番組にBS波ともども切り替えたが、NHK女子アナの口調の厳しさが突出していた。

時間の経過とともに被害の状況が少しずつ明らかになり在来線、新幹線、高速・自動車専用道路の運行停止や通行止めが明らかになった。停電や断水も相次ぎ、富山県滑川市で津波が防波堤を越える様子も映し出された。

驚いたことに津波注意報の範囲は北海道から九州まで日本海側全域に及んでいた。しかも能登地方には２０１１年以来となる大津波警報が発出された。

令和6年能登半島地震。

日没と同時に、火の手がどんどん広がっていく石川県輪島市河井町の朝市周辺の模様が各局緊急特番で紹介された。そこに消防車の姿はない。道が陥没したり隆起したり橋が不通になっていたり、液状化が起こっていたりあるいは断水していたり…天災に対して現代社会は実にモロい。物理的な被害は石川県に隣接する富山県にも広範囲に渡って及んだ。

能登半島では3年前から地震活動が活発になっていた。２０２３年５月5日にはマグニチュード６・５の地震が発生していた。今回はそれを上回るマグニチュード７・６、震度は最大値の７…

木造の建物が密集する地区が多いため、いったいどれほどの被害が生じているのか…。地震発生時に町のあちこちで白い砂ぼこりが上がる様も何度も放送された。この先、自衛隊が投入され、国を挙げての救援活動が本格化してみないと被害の大きさは判明しない。

あまりにも被害の規模が大きいため、音信不通のまま孤立した地域も多いはずだ。死者や怪我人の情報はこの先、予想以上の厳しいものになるはずだ。建物の下敷きになれば声も出せない。スマホも通信機能が失われている。

東日本大震災では国内スポーツ界もその対応を巡って様々な論議が巻き起こった。ちなみに公式戦開催を予定通り進めようとする巨人と読売グループに対して、まっこうから立ち向かったのは当時の日本プロ野球選手会トップ、新井貴浩選手会長、だった…。

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