出島・宇品地区の物流の生命線となる出島地区へのアクセス道側から広島みなと公園を望む
東洋経済オンラインは4月2日、「サンフレッチェ”新スタジアム”はどうなるか、渦中の久保允誉会長に独占インタビュー」をアップした。
同サイトでは2月2日、「横浜スタジアムはどう変わっていくのか?」のタイトルで特集記事を掲載。3月24日には待望のオープンを迎えたばかりの福岡ソフトバンクホークスのファーム(2軍、3軍)新施設「HAWKSベースボールパーク筑後」も特集した。
中央からの視点で、それぞれの地域経済を俯瞰し、その時期に旬の題材を取り上げる。そんな経済誌編集部の視点が、広島の泥沼化する新サッカースタジアム問題に注目するのは当然の結果とも言える。
広島は国際都市であり、ついでに言えばこの5月、GWに行きたい旅行先「2016年国内旅行、宿泊予約前年同期比ランキング」(楽天トラベル調べ)で1位に輝いている。
マツダスタジアムが県外からの多くのファンにも親しまれ年間200万人動員を昨年、達成したのと同じように、新サッカースタジアムも広島だけの問題ではない。
今回の記事の中に次のような一節がある。(内容はひろスポ!で要約、加筆)
インタビュアー マツダスタジアムはカープの希望を徹底的に聞き、行政が視察の絶えない素晴らしい球場を建設したのになぜサッカーには冷たいのでしょう?
久保会長 私にもよくわかりません…。サポーター、市民、県民、我々が造れというから造るだけ、よってどこに造るかそんな指図は受けないという姿勢に思えてならない。
…実はこの点が、広島のサッカースタジアム問題の一番のヘソの部分であり、マツダスタジアムではできたこと、カープではできたことがなぜサッカースタジアム、サンフレッチェ広島ではできないのか?は、多くの人にとって最大の謎である。
だが、残念ながら広島の既存のメディアがそれを解き明かそうとすれば大きな困難が生じる。「天の声」が降ってきて、担当者が突然異動させられたり「取材禁止」、「出入り禁止」となるからだ。
だが、県外の、しかも在京のメディアにそんな姑息な手は通じない。
いずれまた、別の中央メディアが「マツダスタジアムはカープの希望を徹底的に聞き、行政が視察の絶えない素晴らしい球場を建設したのになぜサッカーには冷たい」理由にも迫るだろう。
例えは悪いが、広島みなと公園は、都心からの”長距離弾”による波状攻撃で今やその構造のひずみをさらけ出しつつある。
港湾関係者らが証言するように「作業部会」がせっせと積み重ねてきた「広島みなと公園優位」のカラクリを引っ張り出して、その「作業」を停止へと追い込む…
エイプリルフールは終わった。が、その話は別にして、広島みなと公園にサッカースタジアムをもってくるための、作戦部隊はすでに一部で撤退を始めたのではないか?
今回の東洋経済オンラインの記事にもあるように、久保会長は3月3日の自身の独自案発表に先立ち、松井市長ら3者会談と作業部会が公表した旧広島市民球場跡地と広島みなと公園にスタジアムを建設する際のコスト発表について強い疑念を示している。旧広島市民球場跡地に建設する場合のコストがべらぼうに高いからだ。
その根拠を示すように要請しても、3者会談側は逆に久保独自案の詳細を示せ、として譲らない。ところが久保会長の方はすでに多くの詳細な数字をオープンにしており、作業部会にはそれがない。
そこらあたりの数字をオープンにできない作業部会に残された道はやはり撤退?しかも証拠もろとも…???
なお、今回の東洋経済オンラインの記事は「住民投票」を提案して結ばれているが、広島市には過去、「旧広島市民球場解体反対」を訴える市民が「住民投票」を要求した際、「住民投票にふさわしい重要事項にはあたらない」とこれを却下し球場を解体した”実績”がある。
広島のサッカースタジアム問題を扱った最近の記事
建設通信新聞(3月30日)
広島市サッカー場/議論の活性化必要/3者会談延期でコメント
www.kensetsunews.com/?p=63568
フットボールチャンネル
広島新スタ問題、県・市が見解を表明。クラブの方針に反論で対立関係が鮮明に
www.footballchannel.jp/2016/03/30/post145298/
ダイヤモンド オンライン(3月28日)
ファンを置き去りにした広島サッカースタジアム移転論議の内幕
diamond.jp/articles/-/88548
日本海事新聞(3月29日)