地域と共に、みんなの広島スポーツ交流マガジン

【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア > カープ > 中央公園サッカースタジアム案、市街地南北分断の城南通りの賑わい集積ゾーンでない北側というのが足かせにならないか?
2017年08月31日
編集部

中央公園サッカースタジアム案、市街地南北分断の城南通りの賑わい集積ゾーンでない北側というのが足かせにならないか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
中央公園
  • 3

    飛翔会

  • 2

    ダグ

  • レッドヘルメット

トップ画像は城南通りを中央公園側(西側)から見た風景、画像奥に見える超高層マンションのあるところがJR広島駅付近。通りの右(南)が賑わい集積ゾーン、左には通りに面して中央公園広場、その他は居住地、オフィスゾーンのはずだが…

 

広島のサッカースタジアム問題で、いきなり「用語」の復習から始める。

中央公園芝生広場・自由広場とは下の画像で、基町高層アパートの左側に広がる木々に囲まれた場所(広場が見える)を言う。画像手前は広島城跡など。

中央公園

近くに寄って空撮すると下の画像のようになる。ちょうど緑の部分と土の部分がはっきり分かれている。緑が芝生広場、土の部分が自由広場。この両者をまとめて中央公園自由広場・芝生広場とメディアは報じ、よく中央公園と略される。

8月29日に広島市の担当者が基町地区住民への説明会で配布した資料には中央公園自由広場のみを使い、芝生広場には手をつけないというスタジアム建設案が示された。

中央公園 旧広島市民球場跡地

ところで本来、中央公園は実は下のように広大なゾーンのことを言う。

中央公園

上の画像は広島市が旧広島市民球場跡地の活用策を検討するにあたり、中央公園のそれぞれの場所について役割分担の指針を示したものだ。

詳細は広島市HPにある。

旧市民球場跡地の活用方策(2013年3月)
www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/1394687136096/index.html#s2

上の画像、わかりづらいが色塗りしてある所はすべて中央公園である。

広島城跡は歴史ゾーン(紫の部分)、その南(画像では下)ピンク色はひろしま美術館があり芸術ゾーン、画像では一番下側の紅色が旧広島市民球場跡地ゾーン(要するに何のゾーンにするか決めかねている)、画像一番左(西側)のグリーンは芝生広場ゾーンである。

何のことはない。旧広島市民球場跡地だけは「用途未定」ゾーン。その他は、見たまんまの施設を「ゾーニング」しただけの話である。

※ゾーニングとは、都市計画 においては、 空間を用途別に分けて配置することをいう。

さて、ここでまだ触れていないのが黄色のゾーン。

ここは特殊だ。

他のゾーンはすべてこの画像で言えば左右、地形でいえば南北を完全に2分割する「城南通り」によって「ゾーニング」されている。

…なのに黄色ゾーンだけ、広島市街地で最も交通量が多いとされる城南通りをわざわざまたいでいる。

誰がこんなゾーニングにOKを出したのか?

で、黄色ゾーンが何かと言えば、これがまさにスポーツゾーンなのである。

中央公園自由広場とその南(画像では下)の県立体育館(広島グリーンアリーナ)が黄色く塗ってある。

広島市のHPにはスポーツゾーンについて「多様化するスポーツ需要に対応したスポーツ交流ゾーンとする。ただし、旧広島市民球場跡地にスポーツ複合型施設が整備される場合には自由広場部分はイベントゾーンとする」とある。

なぜわざわざ「サッカースタジアム」と表記しないのか、その訳は確認していないが、要は「旧広島市民球場跡地にサッカースタジアムを建設するケースでは自由広場はイベントゾーンだ」というのが広島市の考え、ということになる。

ひろスポ!でも国内や欧米のスポーツ施設を数多く見てきたが、「ゾーニング」ほど大事なものはない。

例えば米国でメジャーリーグなどの巨大スタジアムを作る場合には徹底した現地調査が行われる。スタジアムを設計デザインする際には周りの建物がどういう状況で、どんな施設があって、どんな象徴的なものがあるか、徹底的に調査検討が繰り返さる。

そしてスタジアムには365日、360度のどこからどんな方法で人々がやってくるか、また帰っていくがが細密に調べられる。スタジアムにはダウンタウンの中の活性化された細胞のような役割が求められる。街と一体化する。当然、スタジアムのデザインにもそのゾーンの特色に沿ったキャラクターが採用される。

日本国内の既存の「体育館」や「スタジアム」は、こうした配慮に欠け、どこに行っても似たような建物…、という状況が続いていた。

そんな中、2009年供用開始のマツダスタジアムはそれまでの国内スタジアムの常識をすべて打ち破ってデビューした。米国で「サイトプランニング」と呼ばれる、その場所にふさわしいスタジアムのデザイン、形態を徹底的に追求したことで、どこにもないボールパークが誕生したのである。

ところで、ひろスポ!ではもう40年近く、中央公園とその界隈の移り変わりを見てきたが、城南通りの交通量は増える一方で、残念ながら市域を果然に南北に分離してしまっていると考える。

広島市民なら誰でも知っている。城南通りより南側に賑わい機能が集積され、城南通りより南側は、広島城跡や中央公園、基町アパート群に学校、オフィスビルや合同庁舎、県立美術館、マンションなどの居住地区、要するに賑わい機能以外となっている。そんな「サイト」に3万人規模のスタジアム?ゾーニングを無視していないか?

一方、城南通りの北側は、見たまんまで広島グリーンアリーナや紙屋町交差点に地下街シャレオ、バスセンター、旧広島市民球場跡地、本通りetc…といった具合だ。

実はこの南北分断を恐れて城南通りを一部地下化させる案もかつてはあったと聞いている。だがインフラへの投資を大の苦手とする広島市は、城南通り地中化を見送った。

最後に、先ほどの「中央公園」の色分けゾーニングの話で言えば、もうひとつ。

広島市は2013年3月には、中央公園芝生広場(グリーンの部分)と、中央公園自由広場(黄色の部分)は2分割するという方針を示している。

ところが2016年9月に開催された第16回サッカースタジアム検討協議会の中で配布された資料には中央公園自由広場・芝生広場7.9ha、旧広島市民球場跡地3.9ha、広島みなと公園8.4haとして3つの候補地の比較検討がなされている。(この結果スタジアムの長軸を東西にしか取れないとの理由で脱落、今はそれを無理して長軸を南北にとって検討している)

8月29日、基町地区住民に配布された資料によればサッカースタジアム建設が検討されるのは自由広場のみ。面積にすれば半分の4haに過ぎない。中央公園自由広場・芝生広場7.9ha、として「広く使える」としてきたのと、ダブルスタンダードになっている。

中央公園
中央公園自由広場・芝生広場等(7.9ha)とある

そんなこともあってひろスポ!で以下の記事をすでに掲載している。

特報!中央公園にサッカースタジアムを建てるつもりでひろスポ!独自に検討、広くて自由に使えるなんて言ったのは誰?旧広島市民球場跡地より狭いじゃないか!(8月28日掲載)
hirospo.com/pickup/40228.html

中央公園サッカースタジアムなんてとても無理?建てるつもりでひろスポ!独自に検討の結果(8月29日掲載)
hirospo.com/pickup/40249.html

 

8月29日にあった基町地区住民と広島市担当者らの話合い席でも「ゾーニング」という言葉は出ないものの、人や車の移動などに関する疑問の声が多く挙がっていた。

次回以降で、その話し合いのやりとりを紹介する。

この問題は基町住民のみなさんと広島市などだけで決めていいはずもなく、広く広島市民、広島県民のみなさんにも知っておいていただきたい情報が話し合いの中に多数、盛り込まれていた。よって、そのやりとりを紹介することは広島にとって非常に有用である、と考える。

広島新サッカースタジアム取材班

LINEで送る

シェアしてお友達にもこのニュースを教えよう!

ひろスポ!の情報を逃さずチェック!

※SSL暗号化通信で登録します。
※メルマガはいつでも解除出来ます。
  • 6

    レッドヘル

  • 1

    医療法人社団飛翔会

  • 5

    アイフット

  • 4

  • 2

  • 3

有料メルマガ配信案内