抽選券を配布して当選者を決め、そして窓口へ、買い占めるファンが後を絶たず、日が暮れてもまだ窓口にファンは並ことになり、問題解決を望む声が上がっていた(2019年3月1日撮影)
国内が対新型コロナウイルス対策に短期間のうちに加速する中、2月23日のマツダスタジアムでおよそ4万6000枚もの「抽選券」を配布した広島東洋カープ。予定どおり3月1日にファンを屋外に並ばせるなら、新たな問題提起となりそうだ。
2月25日、Jリーグ公式戦開催延期発表。
2月26日、安倍首相が全国的な大規模イベント開催などの自粛呼びかけ。
同日、さらにプロ野球12球団の臨時代表者会議が都内であり、今後予定されていたオープン戦全72試合を無観客で実施することが決定。
対新型コロナウイルスに関しては巨人がその先頭に立っており、やはり26日、2月29日午前11時より一般発売を行う東京ドーム開催の巨人戦(公式戦)6試合の入場券について、東京ドーム前売所窓口での販売を中止することを発表した。
代替案はコンビニ発売。
やる気になればそれぐらいの対応は関係者の思いが一致すればすぐにできる。
これで、ますますマツダスタジアムでの3月1日入場券販売は浮いた存在になるだろう。本当にやるのなら…
2月23日のマツダスタジアムでの抽選券配布では、ファンの反対の声を無視して、広島県内外のファンに、公共交通機関を使わせマツダスタジアムへの来場を強いた。
新型コロナウイルス感染者は、まだ広島県内では確認されていない。
広島球団のだんどりでは、2月28日に抽選が行われ、当選したファン1200人は3月1日の朝からマツダスタジアム窓口に”並ぶ”ことになっている。雨が降れば野ざらしされる。
それだけではない。この販売方法には毎年、大問題がついて回っている。
ひとり5試合しか買えないが、その5試合の中なら青天井、何百万円購入してもOK!毎年、1時間以上もひとりで粘る者が続出するため、後ろのファンは延々待たされるハメになる。
「金額無制限」の球団のやり方には否定的なファンがほとんどだ。
ところが、広島球団のHPには今でも、抽選券に関しては…
「2月28日(金) 12:00(予定)にカープ公式ホームページで発表し、マツダ スタジアム正面にも掲示いたします」
…とある。高校。大学受験でも校内での合格者発表はしない流れになっている。
そもそも、他の11球団のどこもやっていない、抽選券配布などということをかたくなに続けている時点で、広島球団は世間の常識から大きく外れている。
昨年の抽選券配布では5万人パニックが起こったが、それをきっちち反省していてば、ここまで新型コロナウイルスにファンが振り回されることもなかっただろうに…
「ファン心理、特に最近のファンの心が球団はまるで読めていない。理解しようともしない」と指摘するファンの声が5万人パニックの直後、ひろスポ!には届いている。(このあと詳しく)
昨年の5万人パニックの際にも、ひろスポ!では”同時中継感覚”で記事をアップしていった。その中に次のようなものがある。
マツダスタジアム5万人クライシス、カープファンから球団職員に厳しい声、問われる危機管理力(2019年2月26日掲載)
hirospo.com/pickup/54533.html
この記事の中には、広島球団がパニックを起こしたことHPでファンに詫びる、「お詫び」の内容や、ファンが球団職員に”浴びせた”厳しい言葉が残してある。
なぜ、残したか?そう、まさに今年のためだ。
次の記事もそうだ。
荒れるファンに警察、周辺住民苦情、JRパニック、転売屋横行、主要道・高速道渋滞バス遅延2時間…抽選券マツダスタジアムクライシス…球団職員に5時間抗議のカープファンにゼロ回答、球団担当者逃亡(2019年2月26日掲載)
hirospo.com/pickup/54467.html
この記事に出てくる「入場券部の島井部長」は今回まったくメディアに取材されていない。あれだけの騒ぎを起こした責任者。この記事の中にもあるが「逃亡」したも同然だ。
そんなだから、また同じようなことが起こる。
今回に関しては、多くのメディアが抽選券配布ニュースで伝えたような「昨年よりずいぶんスムーズに抽選券がもらえた」ことがテーマではない。
テーマはNHKがきっちり書き込んでいるように「プロ野球 広島新型コロナ感染懸念の中 抽選券配布」したこの是非、である。
1年前のこの時期、カープファンはこう言っていた。
抽選絶対やめて!抽選なんて聞きたくない!!何なん?カープ…マツダスタジアム5万人の後遺症深刻、冷めた広島市民、ファンの声(2019年2月27日掲載)
hirospo.com/pickup/54548.html
この記事の中で、「大ベテランファンの男性」がひろスポ!にこんな声を寄せている。
「ファン心理、特に最近のファンの心が球団はまるで読めていない。理解しようともしない」と…
「僕らは、いろいろシミュレーションして当日を迎えました。どれぐらいの人が来るか?確率は何パーセントになるか?昨年までの整理券とは違って、早いもの順ではないのですが、けっきょく何が起こるか分からないので早く行った方がいいとなって早目に行ったらスロープの下にもう列ができていたんです。でもまだぜんぜん大丈夫でした。月曜だし、そんなに来ないんじゃないか、って言う人もいましたしね」
「でも、あさ8時を過ぎてからはもう30分ごと、驚くほど人の数が増えていったのが観ていて分かりました。知り合いが電話してきて、高速が動かんと…西風新都からこっちに来る中広のトンネル出口も、広島東インターから降りてきてマツダスタジアムに一番近い、2号線の府中の出口も、です」
「今までもテント村とか、チケット販売当日、いきなり何百万円も買う者がいたりとか、チケット販売に関してはいろいろ問題が起こってきました。球団はそのたびに対策を打つ、という形ですが、僕らから言わせれば何でそんなに対策を小出しにするんか?ですよ」
「ファン心理、特に最近のファンの心が球団はまるで読めていない。理解しようともしない。以前にこんなことがあったからこうしました、その繰り返し。ひとつの方法を1年ずつ試していてもラチが明きません。球団としてはこうします、という大きな方向性を示していない。そして毎回、こまごまやるだけ」
「もうここ2、3年は大量購入する者が出ていて、それを球団職員はそばで見ている、でもそのまま名前も聞かずやり過ごす。何で購入金額に制限をかけないのか?無策、無謀、無責任の3拍子。このことで話を戻すと、仮にあの日の来場者が予想に近い3万人だったとしても、じゃあ誰が列を管理して、誰が列を切るのか?配布する者も合わせてNITTO(警備担当)は20人ぐらいしかいなかったはずです。それで、やろうとする方が大間違い。今回の抽選方法をはじめからやり直せ!はファンの本当に切実な声なんですよ」