だから30万円が瞬く間に10万円になった政府の変わり身を笑えない。湯崎知事はまたしても大失態を演じたことになる。近いところでは、今や全国の知るところとなった旧陸軍被服支廠解体問題だ。昨年12月、水面下で解体への流れを作り発表した途端、市民や被爆者、海外からも「解体案撤回」の声が上がり、国会でも取り上げられて大騒動になった。ひろスポ!関連記事
50年後、100年後を考えれば当然「リアル」な旧陸軍被服支廠4棟は全保存、危機的状況に県が意見募集へ、突き詰めれば広島サッカースタジアム問題と一緒!
(2019年12月19日掲載)

上記記事では解体の発表を聞いた瞬間に、”そうなること”を警告しておいた。

サッカースタジアム問題でもそうだ。広島市の松井市長と広島商工会議所の深山会頭との間で「広島みなと公園優位」としたのは2015年7月の話。もう、その時点で広島みなと公園案には現地、宇品・出島地区の港湾関係者から猛反発する声が上がっていた。

松井市長と湯崎知事はそんなことはお構いないに強行突破しようとしたが、けっきょく国からNGを突き付けられた。この問題をしつこいほどに報じてきたのはひろスポ!だけだ。

そうしておかないと何度でも似たようなことが繰り返されるようになる、それこそが県民にとって最大の不利益に繋がる。

今回の一日で撤回となった”10万円事件”では、菅官房長官にも記者からこの件で質問が飛んだようだが、広島みなと公園案”廃案”にも直接関係した菅官房長官にすれば「おいおいまたかよ」という話だろう。

確かに平時ではなく非常時だから、思い切った手は打たないといけない。だが、人のお金にまで勝手に手をつける、というのはどこから来る発想なのか?

冒頭に記したひろスポ!の記事の中では、やはり湯崎知事の守備範囲である県警中央署内で消えた8,572万円についても触れたが、そのお金とてけっきょく県警幹部や職員の互助会組織、退職者組織から徴取して穴埋めに当てる方針がとられた。

そういうことを通してしまっているから今回のような発想になるのではないか?

「誤解を生む言い方だった」だけで済む問題ではない。そういう発想を持つトップいると広島県は危険と隣り合わせとなる。

最新記事の中では、湯崎知事は 自身の報酬を削減する考えを表明したとなっているが、それをやるなら松井市長とふたりで、サッカースタジアム建設遅れの迷惑分も合わせて1年分くらいは遠慮してみてはどうだろうか?

ひろスタ特命取材班

追記:湯崎知事の「撤回」発言の、報じられている部分を聞いた限りでは自身の判断の誤りを認めていない。また、似たようなことがおこる可能性が高い。