契約を終え会見する朝山正悟
広島ドラゴンフライズは5月18日、朝山正悟選手との2020-21シーズン契約が合意に達したと発表した。
広島ドラゴンフライズは4月25日に悲願のB1昇格を達成。その後は4月27日に堀田剛司ヘッドコーチの”続投”を発表。28日には堀田剛司ヘッドコーチの下でB1昇格に貢献した田方慎哉アシスタントコーチの”続投”も発表したが、B1昇格後の選手契約はこれが初めて。
朝山は2015年7月14日、広島ドラゴンフライズに加入した。その時の記事がコレ。
広島ドラゴンフライズ、「優勝」への「切り札!」朝山正悟が入団会見
hirospo.com/pickup/19581.html
その会見の中で「移籍の経緯なのですが昨シーズン終了時点から自分のバスケットボール人生をどう進むべきか、どうやっていきたいのかを考え移籍を決断しました」とコメントした。
朝山の誕生日は6月1日。この時、34歳の朝山にとって縁もゆかりもない広島での挑戦はまさに「人生」の分岐点になった。
当時の広島ドラゴンフライズは、初代ヘッドコーチの佐古賢一氏の手によってチーム発足2シーズン目(当時はBリーグの前身NBL)に向け、戦力強化を急いでいた。「心から尊敬できるヘッドコーチのもとでバスケットができると考えた時にとても心がワクワクしましたし、 このチームでやりたい気持ちがわいてきました」と朝山は会見で移籍した理由を語っている。
早稲田大学を卒業後、日本代表に名を連ねながらこの時すでに5つのチームで経験を重ねてきた朝山は、広島ドラゴンフライズで5シーズンを戦い、ついにB1の舞台を掴み取った。
朝山はもうすぐ39歳。5月3日にはバスケ界のレジェンド、レバンガ北海道の折茂武彦選手が50歳になる日を目前に控えて引退会見を開いた。
Bリーグの最年長は43歳の桜木ジェイアール(シーホース三河、米国出身で2007年に日本国籍を取得)で2019-20シーズンは40試合に出場した。宇都宮ブレックスの田臥勇太選手は1学年上で全13試合にスターターで出場した。新潟アルビレックスBBの五十嵐圭選手の1学年上。司令塔として全40試合にスターターで名を連ねた。
朝山は、”第2の故郷”となった広島の地から、こうした面々とともにBリーグをけん引していく立場(一般社団法人日本バスケットボール選手会、監事)にもある。契約を終えたあとの共同会見では、そうした思いを切々と語った。
契約を終え記者会見した朝山の話
まずはこの広島の地で、そしてB1リーグでやれるというところでの高ぶる気持ちと、自分のこの年齢の中でバスケットができるというところの重みを感じています。また広島でバスケットができるという幸せな気持ちでいっぱいです。
―年齢的な部分ではどんなことを?
僕がずっと憧れていた、最年長の折茂さんが引退されて、いよいよ僕の一つ上の世代ですとか、僕らの世代がもう最年長のところに入ってきたと思うんですね。そこで自分たちにしか見せることのできないもの、僕にしか見せることのできないものを、年齢に関係なくコートで表現していきたいと、それは毎年強く思っている部分です。
その中で、自分自身次が17年目になるキャリアの中で、いろいろ経験してきたものを、次がどういうチームになるかまだ分かりせんが、その戦っていくメンバーにしっかり伝えられるものを後輩たちに伝えていけたらと思っています。
―B1で対戦したい相手は?
やはり、日の丸をつけている選手たちとマッチアップしたいなと。僕自身が若い時にそういう選手たちとやって、今は少しB1リーグから離れてというかB1に行ったことがないので、世代が変わった代表選手とマッチアップしたことがありません。今、日の丸を着る選手がどれぐらいのレベルなのか、どれぐらいのバスケットIQを持ってやっているのか、そのへんが非常にたのしみです。
―GM兼任の浦 伸嘉社長と新たなシーズンに向けてどんな話を?
この広島ドラゴンフライズができて次で7年目のシーズンです。このチームはまだ若い、歴史の浅いチームでこれから1年1年積み上げていく中で、今までいいものがたくさんあったと思うので、それをしっかり継承しながらその上に新しく強いものを築き上げていく。それはチームの編成もそうですし、自分たちの1年の過ごし方もそう。そいうことが大事になっていくと思います、という話はさせてもらいました。
その中で自分たちが大事にしている広島らしさ、広島ドラゴンフライズを観に来てくれているファンの人たちのいろんな思いやこれまでの歴史を大事にしてここから積み上げていく、そして広島によりバスケットが浸透して盛り上げていけたらいいなと思っています。
今は関東の方にビッグクラブが集中しているので、地方のクラブが魅せるものというのが絶対にあると思うんですね。選手のカラー、クラブのカラー。広島でしかできないものが絶対あると思います。そこにまた魅力を感じる選手も集まってくる…僕自身はもうここまで来たらプレーしているモチベ―ションは自分自身がどうこうではないんですね。やはり、みなさんの思いやこの地でやる意味や意義、そこに繋がっているものがそのままモチベーションになっているので、そういう部分の話はたくさんさせてもらい、そういうチームの中で自分もやりたいんですと伝えました。
―来るべきB1シーズンへ向けて…
何かが変わるということではなく、目の前の試合を1試合1試合広島らしく、自分たちの色をB1の舞台でも出して戦いたい。より高いレベルのバスケットになると思うので、その試合を観に来てくれる人たちに元気や勇気を届けられたらなと、そんなシーズンにしたいと思います。