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2022年02月02日
編集部

広島サッカースタジアム着工と、そごう広島店など売却報道と、旧広島市民球場跡地のスケボー広場と、中央図書館の駅前移転案と…

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着工日を迎えた新スタジアム建設地

 

 

新サッカースタジアムの建設が2月1日、広島市中区基町の中央公園広場で始まった。旧広島市民球場からマツダスタジアムにカープが”引っ越し”したのは2009年春。その前にはすでに旧広島市民球場跡地に新スタジアムを建設しようという声が上がっていた。軽く20年以上、空走(空想)した。

 

さらに遡れば1993年のJリーグスタートの際、オリジナル10として最初の10クラブに名を連ねたサンフレッチェ広島の誕生が新スタジアムの必要性を早くから訴えていた。サンフレッチェ広島はこの4月に30周年を迎える。

 

新球場(マツダスタジアム)建設決定以降、、大多数のサポーターも広島市民も県内外の人たちもサッカー関係者も一貫して「スタジアムを作るなら旧広島市民球場跡地が最適」と訴えてきた。さらには建設着工に向けスタジアム建設場所をいざ試掘してみたら、最大級とされる被爆遺構が出てきて市民団体や専門家から保存を求める強い声が上がった。

 

これらの過去を顧みればこの着工は大きな一歩でもあり、同時に広島の大切な”心”を置き去りにするという代償を払いながらの”キックオフ”となったことは紛れもない事実だ。

 

広島の放送局は「着工」のみにスポットを当て、さっそくこの日のネットニュースでその様子を紹介した。

 

当然「着工」は報じないといけないが、それだけで終わり…

 

スタジアム問題が紆余曲折の道をたどったその責任の一端は在広マスメディアにある。

 

2015年12月、サンフレッチェ広島はFIFAクラブワールドカップ2015で3位という輝かしい歴史を刻んだ。

 

そのサンフレッチェ広島が望んでいたのは旧広島市民球場跡地への新スタジアム建設だった。

 

2016年年明けから広島市の松井市長と湯崎知事はそれまで訴えていた建設候補地の「広島みなと公園優位」をいっそう強調するようになった。テレビ、新聞はそれをやはり繰り返し報じてきたが、その裏でどんなやりとりが関係者の間で行われてきたのか、けっきょくその詳細を報じたところはなかった。

 

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(2016年4月20日掲載)

 

 

実はこの新スタジアム問題の本質に迫ろうとした番組担当者も2016年以前より複数いたが、ことごとく担当を外されたり支局勤務に異動させられた。広島の闇は深い。各社の報道セクションは機能不全となった。

 

ゆえに、この日のような”大本営発表”(広島市による建設現場の取材許可)だけしか報じないのはニュースの本質ではない。建設現場に打ち込む杭の長さが何メートルだとか、そういう話はいらない。大事なのはそこじゃないだずだ。無論、VTRの尺や記事の行数には限りがある。ならばネット媒体を使えばいい。

 

 

2月1日の工事着工に合わせて、広島には大きなニュースが飛び込んできた。セブン&アイ・ホールディングスが傘下のそごう・西部の売却に向け2月中にも入札を実施するという。

 

カープ初優勝の1975年。その時代から広島の街の顔として広島経済を牽引してきたそごう広島店、そして広島バスセンター、パセーラ(基町クレド)の3点セットは1994年の広島アジア大会開催で輝きを放ち、その語は郊外型、巨大ショッピングモールの相次ぐ誕生と地下街シャレオの失敗で傾き始め、カープの転出で青色吐息となりつつあった。そこにコロナ禍。実際、そごうやパセーラ、シャレオを歩いてみればどんなにひどい状況かはすぐわかる。

 

すぐわかるので、ひろスポ!では記事にした。

 

広島県湯崎知事、サッカースタジアム&コロナ責任追求記事アクセス集中、無策のまま流川・薬研堀地区も呉市、尾道市、福山市、三次市歓楽街もますます窮地…次は広島そごうか… | 【ひろスポ!】広島スポーツニュースメディア (hirospo.com)
(2021年2月14日掲載)

 

 

 

新スタジアム建設に向け広島市など行政サイドは数え切れぬほどの会議を持ち、市民や専門家からの声を集め、それを新スタジアムを中心としてJR広島駅や平和記念公園などを含めた都市空間の起爆剤とすることが決まった。

 

特に新スタジアムのような「マチナカ」に立地することの意味や意義について、専門家の間からは具体的な提案が数多く成されてきた。

 

新スタジアムが中央公園広場に決まったことで、「空き」となった旧広島市民球場跡地の「イベント広場整備」も進められる。事業者は市の公募の結果、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社を代表法人とする「NEW HIROSHIMA GATEPARK」に決まった。

 

 

構成法人は大成建設株式会社中国支店、株式会社中国新聞社、株式会社広島バスセンター、広島電鉄株式会社、NTTアーバンバリューサポート株式会社、株式会社NTTファシリティーズ、株式会社シーケィ・テック、株式会社NSP設計。

 

 

クレドなど基町での開発事業を進めるエヌ・ティ・ティ都市開発株式会社はかつて旧広島市民球場跡地の活用策を提案するコンペでは不採用となっている。だが、旧広島市民球場跡地は事業推進のためには貴重な空間だからチャレンジは続く。

 

 

その提案概要資料にはいろいろ書かれているが、スポーツ色はほとんどゼロ。徒歩10分圏内に多機能新スタジアムができるのだから当然かもしれない。

 

 

ところが今ではそのコンセプトは「スケボー広場」に変わりつつある?広島市が2021年12月10日、スケートボードなどのアーバンスポーツを楽しむ施設の整備を検討していると明らかにしたからだ。

 

旧広島市民球場跡地ではアーバンスポーツの世界的な祭典、FISE(フィセ)が開催され、実際、大変な賑わいを見せてきたという実績がある。

 

広島市もそれを知りながら(知ってはいてもそのイベントの価値に対する認識が甘い?)ご丁寧にも東京五輪最中の2021年8月3日に「NEW HIROSHIMA GATEPARK」案の決定を発表している。

 

ひろスポ!ではその日に合わせて、「スケボー広場」案を以下のように強くプッシュした。

 

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果たして広島市や「NEW HIROSHIMA GATEPARK」案の担当者はどれだけ東京五輪2021の”実情”を把握できていたのか?

 

とはいえ、広島市中心部の再開発などに関連するビッグプロジェクトであれば、エヌ・ティ・ティ都市開発株式会社など、民間の関係者は東奔西走して必死になって知恵を絞り、行政との連携を深め、広島のために奮闘している。

 

なかなかうまくいかないのは行政サイドの問題が大きいのではないか?

 

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そごう広島店の危機的状況が明らかになったこの日のニュース以外にも、新スタジアム関連でとんでもない大ニュースがある。今後は、湯崎知事が大失敗した旧陸軍被服支廠全棟解体発言と同様、議論を巻き起こす可能性大、だ。

 

それは、新スタジアム建設場所から徒歩数分圏内の中央図書館をJR広島駅前の、市街地開発事業Aブロック、エールエールA館内に移すというもの。

 

持って行く方向が逆だろう。

 

仮に現地から移動するならば、新サッカースタジアムの方に近づいていくのが自然だ。子どもたちは体と頭の両方を鍛えて成長する。両施設の間を徒歩や自転車で行き来すればいい。何が嬉しくて駅前まで行く必要があるのか?

 

 

昭和30年代生まれの広島っ子たちが通った、あの円筒形のガラス張りの児童図書館(広島市こども図書館の前身)は、旧広島市民球場跡地の北側の静かな緑の中にあった。児童図書館は、戦後の日本が復興へと歩み出して間もない1949年(昭和24年)に開館した。その大切な「精神」を置き去りにして、よくもエールエールA館移転などと言えたものだ。

 

旧広島市民球場跡地の「イベント広場」プランと同じように、大事なものをまず固めておかないと、先ごろ3年後の解体が発表された「マリーナホップ」と同じテツを踏むことになる。

 

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新スタジアムの着工は、後回しではなく、同時にこうした約半径2キロ、あるいは3キロ以内(徒歩圏内)の各施設、各ステークスホルダーとの血の通ったやりとりやコラボレーションが欠かせない。

 

今からでもまだ十分、間に合う。

 

旧広島市民球場跡地と新スタジアム複合施設の役割分担や、中央図書館の新スタジアム建設地至近距離での展開、さらには紙屋町交差点、広島記念公園と原爆ドームやおりづるタワー、八丁堀、本通り、広島城、JR広島駅、元安川、本川を含めたアクセスルートの確たる明示化などを関係者の間で(平和大通りの誕生のように)100年先まで見据えて熱く語り合う時期に来ている。

 

そうすれば絶対に、中央図書館の駅前移転の話など出てこない。エールエールA館でも福屋が非常に厳しい状況となって久しいが、その問題を広島の子どもたちに押しつけるのはまともな大人のやることではないだろう。(ひろスタ特命取材班&田辺一球)

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