JR広島駅北側の二葉山から、5月中旬撮影のマツダスタジアムの見える風景…
マツダスタジアムが人数限定でカープファンに開放される、というニュース。5月19日にネットで新聞各社が報じた。実施日は5月21、22、23日でチームの練習日で広島県内居住者が対象。
しかしカープの球団HPには、そのことは触れられていない。
問い合わせ先は中国新聞企画サービスで、今年初の中止となったフラワーフェスティバルなどのイベント企画や新聞の販売推進とそれに伴う読者サービスの向上を目指すセクションだ。
この「企画」の意図がだいたいわかる。
3・11東日本大震災では全国紙、地方紙とも大幅に部数を減らしたが、新型コロナウイルス感染拡大による国内経済の悪化はそれ以上だろう。
このところ、中国新聞はセンターページにペラ1枚しかない日が多い。新聞は4ページずつ。真ん中に2ページしか取れないとムダが出るしページ数も減る。価格からして本来なら全部で32ページは欲しいところだが、広告がないとひどい日には20ページしかない。1部あたりの値段は一緒…
広島の街中で中国新聞を目にする機会もどんどん減っている。
例えば、粘り強く各紙を客のために購入していた個人経営の喫茶店なども今回の営業休止を契機に契約を切ってしまうだろう。だいたい人が街を出歩かないから、大都市では特に即売と言われる駅の売店やコンビニでの販売部数もガタ落ち。広島市内のコンビニで毎日1部しか置かれていない全国紙も目にするが、これなど全国紙の体裁を保つためだけのポーズに過ぎない。(その1部はほぼ毎日、そのまま返品…)
デパートも大型SCも営業自粛という中では新聞の折り込み広告、チラシ類もまったく入らない。先ごろ、佐賀新聞が「押し紙」問題で販売店主に訴えられて敗訴していたが、この「押し紙」も織り込み広告あっての悪しき慣習で、チラシなしの販売店は、もはや死に体と言っても過言ではない。
※押し紙…新聞社が販売店に押し付ける余分な部数の新聞。配りきれない部数を抱え込むことで、その部数だけチラシが受注できるなどのメリットが販売店にはあるがその部数が”虚”であることが最大の問題点。長年の慣例で新聞社もそれを承知の上で部数拡販を長年続けていたが近年、押し紙をやめる社も出てきており、1990年代中期からの国内新聞部数の一貫した右肩下がり傾向は実売数の現象と押し紙の停止によるとされる。もちろんそのことを新聞自らが詳しく報じることもない。
広島でいえばとうの昔に毎日新聞系の販売店が姿を消し、大幅部数減の朝日新聞系販売店も苦しい状況にある。地元紙の中国新聞販売店にとっての頼みの綱はカープ。リーグ3連覇のころには、その店構えはポスター、幟で赤一色だったが、それも”禁じ手”とされ、すっかりカープ色が薄れている。
そんなこんなで、おそらく中国新聞サイドからすれば新型コロナウイルス感染のリスクを考えても今回の企画はファンサービス、読者サービスに繋がるのだろう。
一方、球団側は来るべき開幕に備えて、感染防止策から大型映像装置の運用まで様々なテストを行うことができる。マツダスタジアムの球団オフィシャルショップは営業を続けており、販売促進にも繋がる。
いずれにせよ、新型コロナウイルス感染拡大以降、スタジアムにファンを呼び戻すその先陣をマツダスタジアムが切ることになる。
マツダスタジアムにファンの姿が戻ってくるのは4万人以上がそのコンコースに詰めかけた2月23日の公式戦の当たる「抽選券」配布以来。NPBではこうした”進捗状況”に関しては各球団に丸投げする形をとっており、残る11球団の動きも注目される。
ひろスタ特命取材班
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